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「延暦寺」は…ありません??奥深い比叡山延暦寺を満喫✨

一雨ごとに秋が深まりますね。
一雨とは言いながら…天気予報通りに昼前からどしゃぶりの中(笑)、週末の土曜日に、こちら👇比叡山延暦寺へ足を運んできました。

長く京都に住んでいますが、灯台下暗しといいましょうか…訪れたのは初めてでして(笑)
今、12月8日までの期間限定 世界遺産登録30周年特別企画「西塔 釈迦堂の秘仏御開帳」があるというので、見に行こう!と思い立ったのですが。

比叡山延暦寺初心者🔰ということもあり、せっかくならと、比叡山僧侶のガイドで見学したり、比叡山僧侶の法話や精進料理付という「比叡探訪」ツアーにも申し込んで、堪能することにしました!!

奥深い比叡山延暦寺に魅了された一日の記録です。
お付き合いいただけましたら嬉しく思います。


比叡山延暦寺とは

戦国時代には織田信長の焼き討ちにあったことでご存じの方も多いと思いますが、天台宗の総本山で、延暦7年(788年)に伝教大師 最澄が開創したお寺です。日本仏教の各宗各派の名僧…法然上人、親鸞聖人、日蓮上人などなど…、多くの僧侶が民へ教えを説くために、厳しい修行をしにやってきた、まさしく、国宝的人材育成の「学問と修行の道場」としても知られています。

滋賀県大津市坂本本町にあり、平成6年(1994年)には世界遺産「古都京都の文化財」として登録されています。

さて、比叡山延暦寺には「延暦寺」というお寺があるわけではありません。
(さっそく、タイトルの回収にはいります 笑)

「延暦寺」は、ひとつのお寺を指すのではなく、滋賀県から京都府にまたがる、広さ約1700ヘクタールの比叡山全域が境内となっていて、この境内にあるいくつものお堂を総称して「比叡山延暦寺」と呼ぶそうです。

「意外に知らない人が多いんですよ」とのことで…多分にもれず、知らなかった~💦笑

その広い境内は、大きく3つのエリアに分けられています。
●東塔(とうとう)
●西塔(さいとう)
●横川(よかわ)

広い境内を行き来するには、自家用車でなくとも、シャトルバスが運行されていて移動も便利です。
今回は、東塔と西塔エリアを見て回りました。

https://www.hieizan.or.jp/

比叡探訪ツアー

このツアーは、比叡山延暦寺さんが主催されていて、比叡山延暦寺ホームページに年間のツアー予定が掲載されています。
私が参加したのは、10月開催の「精進料理と特別法話」です。
東塔エリアを巡拝し、精進料理をいただいた後、延暦寺の僧侶から特別法話が聞ける半日くらいのコースです。

【タイムスケジュール】

  • 9:30 受付開始(一隅会館前「比叡探訪」受付にて)

  • 10:00 集合(一隅会館) 東塔エリア巡拝案内

  • 12:00 精進料理 食事作法付(延暦寺会館)

  • 13:00 特別法話(延暦寺会館)

  • 14:00 解散

受付を済ませると、ペットボトルのお茶とオリジナルの御朱印帳をいただきました!!なんと、こんなお土産付だったのね~とちょっとお得な気分🎵
比叡山境内のお堂各所で御朱印をもらえるので、ツアー開始前にいただけるのは、有難いですね。

一隅を照らす運動総本部の公式キャラクター「しょうぐうさん」がデザインされています。

巡拝のツアーガイドは比叡山延暦寺の僧侶の方です。(これも修行の一環なのかな…笑)
参加は30名ほどで、中には過去にも参加された方があるようでした。全ては周りきれないので「どこを見たいか」リクエストを聞いてくださいます。
初心者も半数ということだったので、王道ですが東塔エリア中心の「根本中堂(総本堂)」と「戒壇院」、そして「大講堂」を回ることになりました。
アットホームな雰囲気で、いざ巡拝へ。

と、外を見ると・・・
なんと、大雨💧💧💧と一寸先も見えないくらいの深~い霧。

建物から出たくない気持ちを抑え(笑)、いざ出発。

根本中堂(総本堂)

国宝に指定されている、比叡山延暦寺(三塔十六谷)の中心のお堂です。2016年から60年ぶりの大改装中。堂内は撮影禁止でしたが、僧侶のお話を聞きながら拝観しました。

こちらは雨が降る前に撮影。この写真の左側に見える白い建物が改装中の根本中堂です。

僧侶の手も震える「不滅の法灯」

このお堂に祀られている本尊薬師如来像の前には、なんと1200年絶やすことなく灯し続けている灯があります。
それが、「不滅の法灯」です。
「1200年と聞いて、信長の焼き討ちのときは?」と思った方、するどい(笑)
そうです、焼き討ちの時、灯は消えてしまいました。けれど実はこの灯。信長の焼き討ちより以前に、山形県にある立石寺に分灯されていたそうなんです。そのため、焼き討ちで消えた後、立石寺から再分灯してもらって復活。その後、今日まで一度も絶やされたことが無いそうです。

僧侶の方は毎日お勤めで、油を注ぎいれるそうです。そして一番緊張するのは、灯の芯を取り換えるときで、消えさせてはいけないと思いながらの作業はめちゃくちゃ手が震えるそうです(笑)
これまでの僧侶の皆さんおひとりおひとりのお勤めの賜物で、貴重な法灯を見ることができ、有難さもひとしおです✨

比叡山延暦寺ホームページより

本尊薬師如来像様は、他のお寺と違って、参拝者の目線が同じ高さになるように祀られています。そして、仏様と参拝者の間には低くくぼんだ場所があります。これは、彼岸と此岸の間を三途の川が流れているのを表しているそうです。彼岸はあの世、此岸は現実世界。その間にあるくぼんだ場所で、僧侶の皆さんは日々お勤めをされているそうです。仏様と私たちの間で修行をされているのですね。

大改修だからできる貴重な体験

いま、この改装中にしかできない貴重な体験ができます。
それは、本堂中央へまっすぐつづく「通り」です。この通りは、高僧など位の高い人しか歩いてはいけない「通り」だそうです。本来なら、一般の人は本堂の周りの回廊をぐるりと回らないと参拝できないそうなんです。
今は改修のため、やむをえずこのような参拝経路になっていますが、改修後は歩くことができない道を歩くことができているそうです。

長い歴史の中で、偉い人しかあるいてはいけない通りを歩いていると思って歩くと、なんだか足もそわそわ(笑)
こちら、根本中堂をバーチャル体験できるようなので、興味のある方はぜひ、ご覧ください👇

改修中の屋根は撮影OKとのことで、撮らせてもらいました。
総檜で作られている根本中堂。この改装の空間も檜の香りが心地よく、癒されました。職人さんが丁寧に改修されていて、こうして文化が脈々と継承されているのだと思うと、感動します。

令和9年12月完成予定と記載はありましたが、まだまだかかりそう、とおっしゃっていました。

降りしきる雨の中、「戒壇院」そして「大講堂」へ

雨がすごすぎて・・・実は、写真が撮れていません💦あしからず(笑)

戒壇院から見た景色(笑)

「大講堂」は、国の重要文化財に指定されています。
本尊は大日如来様で、その両側には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀られています。向かって左側が、法然上人など念仏系の高僧が並び、右側はそれ以外とカテゴライズされてます。
僧侶が法華経を学ぶ道場ということで、各教えについて喧々諤々「そもさん」「せっぱ」とやりあっていたということです。

今も、延暦寺の現役の僧侶の皆さんは日夜お勉強されており、経典は言葉も古いので、それはそれは難しく大変です💦と、話されていました。
ここが、宗教の総本山なんだと実感できる場所です。

ちなみに。御守などのグッズはここが一番豊富だそうです(笑)

比叡山延暦寺ホームページより

「食べる」ことも修行

2時間の巡拝を終えて、お腹も空きました。
延暦寺会館内のお部屋にて、お待ちかねの本格「精進料理」です。

お野菜とお豆腐や湯葉、こんにゃく、漬物、ごはんと吸い物。

【食べ方の作法】
●食前、食後に祈り
●植物の命をいただくことに感謝しながら、ごはんとおかずを一緒に口に入れるのではなく、お料理それぞれを一口ひと口よく噛んで味わって食す
●お椀は手にとる
●給仕されたお茶は食後に飲むのではなく、食べ終わった茶碗にお茶を注ぎ、残しておいた漬物で茶碗の汚れを取るのに使う
●なるべく話さずに

などなど💦要は、食べることも修行なんですよね~。
比叡山の修行がどれほど過酷なのか、と。厳しい世界です。

食前、食後の祈りの言葉です。

梵字ラテで、ひと呼吸

まさかの「修行」モードで、精進料理をいただくことを想像しておらず…笑
この後の特別法話に備えて、延暦寺会館1Fのカフェで小休止。

晴れていたら、琵琶湖が一望できるカフェは、おしゃれで寛げる空間

比叡山延暦寺の修行

特別法話は、格の高い僧侶からみっちり1時間、ありがたいお話をしていただきました。印象に残ったのは、比叡山延暦寺の修行の厳しさです。
1年365日休みなく、毎日、今も多くの僧侶が修行されています。掃除も修行のひとつですが、「掃除地獄」と言われるほど厳しいそうです。

言われてみればたしかに、秋なのに落ち葉ひとつなく凛とした佇まいを保っていて、その空気が良い意味で緊張感を感じさせます。
今も、比叡山延暦寺境内にあるたくさんのお堂の中で、修行が行われています。

天台宗は法華一乗の思想ですべての仏教を包含しているので、その修行の種類は多様です。天台の教えに基づく止観をはじめ、伝教大師の心を受け継ぐ十二年籠山行、密教の修法、峰々を巡る回峰行、阿弥陀仏を念ずる常行三昧など、仏教の様々な修行が行なわれています。

比叡山の修行 | 天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]

そういえば。
以前、NHKで千日回峰行をされた酒井雄哉大阿闍梨のドキュメンタリーを見たことをことを思い出しました。
こんな厳しい修行をして悟りを開く僧侶の方々は、すごいとしか言いようがありません。

世界遺産登録30周年記念 特別企画

比叡探訪ツアーを終えて、今度は急いで西塔へ移動へ。
壮大なたたずまいの東塔に対して、美しい杉並木が濃い霧と相まってとても幻想的で静寂境の西塔。
修行中のお堂が集まるエリアでもあり、歩いていると念仏を唱える声が漏れ聞こえるお堂もありました。

まるで映画のワンシーンのようです

弁慶のにない堂

同じ形をした「常行堂」と「法華堂」が渡り廊下でつながれている建物が「にない堂」です。法華と念仏の一体を表しているそうです。
この渡り廊下をてんびん棒にして、弁慶さんが二つのお堂をかついだ伝説から「弁慶のにない堂」と呼ばれているそうです。
かなりの力持ちですね(笑)

比叡山内最古の「釈迦堂」

西塔の本堂で、比叡山内で最も古い建物になります。
信長焼き討ち後に秀吉が大津の三井寺から移築したそうです。

趣がはんぱない。

今回、世界遺産登録30周年記念 特別企画として、こちら釈迦堂の本尊であり伝教大師最澄ご自作と伝わる、秘仏「釈迦如来像」が7年ぶりに御開帳しています。また、普段入ることのできない内陣を拝観できます。中は、プロジェクションマッピングもあり、和とデジタルアートの世界を楽しめます。

お堂の中は写真撮影はNGでしたが、プロジェクションマッピングの一部は撮影OKでした

まだまだ見どころ満載の比叡山延暦寺ですが、今回はここでタイムアウト。
雨と霧の自然の演出によって、この山の自然の厳しさも感じながら、静かな聖なる山を心行くまで満喫しました。

おまけ

最後に、比叡山延暦寺までアクセスをご紹介。ご紹介したかったのは、アクセス途中の駅や乗り物がレトロで素敵だったので✨
今回、「比叡山フリーパス」を使いました。

フリーパスを見せるだけで、乗車OK!!

往路(滋賀県方面から入山)

まずは、JR湖西線「比叡山坂本」駅を下車し、「ケーブル坂本」駅へ向かいます。「比叡山坂本」駅からは、江若バスでケーブル乗り場まで行けます。ただ今回は「比叡探訪ツアー」集合時間に間に合わないので、バスは使わずタクシーを使いました。
坂本ケーブルは、日本最長の2025メートルのケーブルで、駅舎は登録有形文化財に登録されています。「ケーブル坂本」駅から「延暦寺」駅まで向かいます。

「ケーブル坂本」駅 駅舎
ケーブルカーは新しいです
ケーブルから琵琶湖が一望できます
「延暦寺」駅に到着
「延暦寺」駅 駅舎

ここから徒歩で延暦寺東塔エリアまで10分ほどです。上り坂なので、息切れ注意です(笑)

復路(京都方面へ下山)

帰りは、京都方面に。
西塔から比叡山内シャトルバスに乗車し、叡山ロープウェイ「比叡山頂」駅に向かいます。「比叡山頂」駅からロープウェイに乗って「比叡」駅へ。
(比叡山頂駅で写真撮り忘れてます💦あしからず。)

叡山ロープウェイ
ロープウェイ「比叡」駅

今度は叡山ケーブルに乗り換えます。「ケーブル比叡」駅から「ケーブル八瀬」駅へ。叡山ケーブルは、高低差561メートルの高低差日本一のケーブルです。

ケーブル比叡駅 駅舎
高低差日本一!
たしかに、急勾配です。

帰り道もずっと雨でしたが、車窓の雨もまた美しく。

「ケーブルやせ」駅に到着

ここから、叡山電車に乗り換えます。「八瀬比叡山口」駅から「出町柳」駅へ。

「八瀬比叡山口」駅 駅舎
駅構内もなんだかノスタルジック
ノスタルジック731改
レトロ列車です

京都方面に降りたのには、理由があります。
そう、もちろん、旅の〆はこの一杯で(笑)

煩悩のままに(笑)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨


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