「17年ゼミ」とわたし

「土の中で、17年過ごしてようやく地上に出てくるセミもいるらしいよ」

「17年 ?!長いね〜、なのに地上に出て生きてる時間は短いんだよね」

毎世代正確に17年または13年で成虫になり大量発生するセミを「周期ゼミ」というそうで、以前、17年ごとに大量発生する「17年ゼミ」が米東部一帯に出現というニュースを見聞きしたことを思い出しました。

この「周期ゼミ」の生態は、子孫を残すための生存戦略と考えられているようですが、まだ多くの謎に包まれているようです。

諸説あるようですが、どうしてセミの幼少期が長くなったのかについては、氷河期に、セミにとって住みにくい気候に適応して、幼少期が長くなったという説もあります。

ふと。この知人との会話で、「周期ゼミ」の一生に自分の人生が重ねて見えて。

気がつけば、新卒から社会人になり会社勤めをして、この3月でまる30年を迎えようとしています。
その間に結婚出産も経験し、仕事と家庭を両立しながら、たくさんの豊かな経験をしてきましたが、キャリアとしては満足できておらず、その会社員人生も10年足らずで定年を迎えます。
ひと昔前なら、ここで私の仕事人生は終わり、と思うところかもしれませんが、図らずも今は「人生100年時代」。

会社員人生が終ったとしても、まだまだ働ける期間は、10年も20年もありますし、ひと花ふた花咲かせるのに充分すぎるほどの時間です。また経済的にも働けるだけ働いた方が老後の不安も少なくなる時代。

そう思うと、私のこれまでの会社員人生の時間はセミの幼少期だったのかもしれない、と。

土の中でしっかりと成虫になるための準備をし、満を持して地上にでて、「生」を謳歌する……それは、幼少期の時間よりも短いけれど、次の世代へのバトンをつなぐ大切な時間となります。

定年後は、“会社“ではなく自分の内なる声が発するミッションを世の中に向けて実現して役に立ちたい、と野望を抱いているわたし(笑)
俯瞰して見ると、これまでの会社員としての30年は、その時を謳歌するための期間になるのかもしれない、と。

17年目のセミならぬ、30年目のわたし、なのである。よもやよもや(笑)

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