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黄泉のツガイ6巻語り※ネタばれあり

今まで大人しく読んでたけどここに来て語りたい欲が爆発しそうだ!!!!
と言うことで、ここに書けばそれを発散できるかも?と思ってとりあえず書いてみようとPCの前に座ったけど長文になる気しかしないな。
(ガンガン内容に触れていくのでネタバレ×な人は読まないでください)


どこから話したもんかと…


まず初手から(?)
イワンと左右様の戦闘で、デラさんが戦線離脱する際、天井に向けて発砲。
イワンは天を仰ぐも何も起こらない。
私はここで以前、右さんが戦闘中に倉庫内の電気を全て割ったシーンを思い出したので、それに似たことが起こるのかな?と思っていたらデラさんが普通に消灯して退場。ここで"あえて天上に目を向けさせて光を視界に入れることで暗闇にすることによる目封じの効果を増大させた"ことを見せつけられて…なんかめちゃくちゃ感動してしまった(語彙)
ただ退場するだけ、ただ電気を消すだけ、に留まらないこの置かれた状況下で最大限できることを活かす戦闘センス?ホント好き。
戦闘中も色んな見どころがあるから見ててつまんないって思ったことないんですよね。

次に感動したのはツガイ「百鬼夜行」
ゴンゾウが鎧アームのように両腕にムカデ装着してるセンスもツガイ何匹連れてんねんというツッコミどころも面白かったけど、百鬼夜行に全部持っていかれた。
まず人ひとりが大量のツガイと契約できるのか?と疑問が湧いたけど百鬼夜行の存在によってすぐ納得した。
契約数に上限はないけどツガイ同士の相性があるから複数契約はやりにくい。でも百鬼夜行がいればツガイ同士の仲を取り持ってくれていざこざが生まれない。だから増やしても困らない。契約を重ねて膨れ上がったツガイ達その様はまさに百鬼夜行。
この無理やりご都合主義で展開せず(ファンタジーならありっちゃありだけど)読者が納得できる成り立ちで構築された設定、本当好き!!
ファンタジーなんだから何でもありでしょ!で終わらせないのただただ尊敬しかない。

あと驚いたのはアキオが敵サイドだったことですかね!
初見でアキオが鈍器を隠してアサに近づいていった時はてっきり"アキオに変装して潜り込んでいた敵"だと思ってました。まさかの本人。
その後にジンさんが「ユルと初対面した際にユルが真っ先に狙ったのがアキオだった」ことを話して見事伏線回収…いや気付かんだろ!!(笑)
ハガレンの時から伏線張りや回収が自然で上手な荒川先生だけど、今回も手際が良すぎる!
そもそも伏線を張る場所が戦闘中って…しかも2巻の序盤ですよ?流石やわぁ
改めて読み返したらそのシーン、ユルが動き出して一気に場が動き出したところだったから普通に読み流してしまうし、"アキオが敵"という前提で1巻から読み直したんですけど、今巻までアキオの言動に特に違和感や怪しさが無いんですよね!マジでキャラの動かし方上手すぎんか!
ただ、この読み返してる中で2巻の第6話の扉絵に影森家の面々が揃って描かれてるところ、そこでアキオだけが皆と逆の方向を向いているんですよ。この流れで見ちゃうとこの扉絵でも"アキオは敵サイドの人間だから違う方向を向いている"いう伏線を張っていたのか…?と思っちゃうわけですよ。
考え過ぎかな(笑)これは何も明記されていないから想像の域を出ないんですが先生ならやりかねん…

あと逆に、アスマさんが味方っぽい話になりましたが、ここはまだ信用できないあの顔だもの(酷)
ここまで敵味方入り乱れてると、自分の思考は全て疑ってかかれって感じになっちゃうんですが、でも考えたところで分からないので、もう流れに身を任せて素直に読んで翻弄されるのがヨミツガを楽しむコツな気がしてきた(笑)
そして後々回収される伏線を目の当たりにし、前巻を読み返し、新たな気付きを得る…
この"先に進んでは過去も読み返させる"話の作り方がマジで上手いなってずっと思ってる。だから何度読み返しても面白い、荒川ワールド。

ちょっと5巻の話も…

ついでに遡りたい。
5巻で発覚した"ダンジはツガイだった"こと。
下界に降りてきたダンジに影がない、とユルがつっ込んだことで発覚したわけですが、そう言われちゃうと気になっちゃうじゃないですが、「1巻から登場しているダンジ、今までどうだったのか」と。読み返しましたよ!
そもそもオシラサマと高速乗ったり街中飛び回ったりしてるのになんで騒ぎにならないのか疑問はあったんですが(もし人間なら子供一人宙に浮いたりしてるわけだし)ツガイだったなら周りから見えないわけだな、と。
んで読み返した話に戻りますが、意外とダンジの足元がコマ内に映ることが少なかったんですよね。上手いこと馬の影に重ねられていたり、見切れていたり、物に隠れていたり…見た感じ、ダンジの影は1巻時点で既に描かれていなかったように見受けられました。
更に、6巻の第21話の最後のページのラクガキ(ネズミを追いかけるユルとダンジの幼少期の絵)でもネズミとユルには影が描かれているのにダンジの足元には影が描かれていなかったので、徹底されていた気はしますね。

そして最高の小ネタ!
影森との話を終えて家に帰ってきたデラさんを皆で迎えるシーン。
ユルが「何か情報交換でもあったんだな?」と言った次のコマでテレビから流れてきた「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」。マジで笑った。ご丁寧にテレビ画面にもタッカーの顔が映っている(笑)
その時は「巷でも流行ったハガレンの有名シーンを作者本人がネタとして使うとはwww」って嬉しくてたまらなかったんですけど、よく考えたらすでにハガレンネタ"作中にちょいちょい出現する白スーツ坊主モブ"がヨミツガでも登場していることに気付いてはいたんですよね。(気付いてなかった人は是非探してみてください)
んでふと、そのタッカーコマの前のコマでは何がテレビに映っていたか気になって見返すわけですよ。そしたら犬が描かれていたのでこれはアレキサンダーかな…とほっこりして終わってたんです。でも今回改めて再度見返すと、アレキサンダーコマの更に前のコマ(デラさんが帰ってきたコマ)のテレビ画面には何とエドとアルのシルエットが映っていたんですよ!これは見落としてた…!
こうやってコマの隅にひっそりと小ネタを置いていく先生よ…好き(何回目)

特装版の話

今回発売された6巻は通常版と特装版の2種類。
私は何の躊躇いもなく特装版を買ったんですが、小冊子の中身がまさかのプチ画集&インタビュー掲載。
てっきり読み切りとか4コマとかだと勝手に思っていたので、マジでビックリしました(小冊子に表紙が付いてるのもビックリしたんですけども)
ヨミツガが連載されてからのカラー絵に先生の一言コメントが添えられたハガレン時代からの画集スタイル。
そして数ページにわたる先生のインタビュー。インタビューと言うかもうほぼ裏話みたいな内容で情報量が凄かった。
ヨミツガはネタストックの中の一つだったとか(他にもネタがあるのが凄い)東村についてだとか色々…本当読めてよかった!
個人的に好きだったのは「エドが瞬間湯沸かし器だったので、ユルは冷静沈着なキャラで」というところ。ユルはたしかに行動を起こす前に状況判断して最善策を取ろうとするシーンがよくあるので、その通りと納得しかけたけどあの本能で生きてる部分がどうしても"考えるより先に体が動く"ように見えてしまって先生はそう言ってもやっぱりエドに似たところはあるなぁってにっこりしました。
あと「ヨミツガは最初から説明なしで物語を進めている」というところ。たしかに1巻から世界観の説明もないし(おかげで異世界ものだと思ってたら現代文明出てきてビビった)あれよあれよと言う間に話が進んでいくわ、本当にその通りだなって。
何も分からないまま話が進んでいったら、普通ならついていけなくて読者が離れていく可能性だってあるだろうに、なんで置いてけぼり感がないのか。それは作中で主人公自身も置いてけぼりくらってるから(先生談)。だから読者だけが疎外感を感じることなく読めるんだなって。
このインタビューを読んだことによって更にヨミツガを楽しめるので、どっち買おうか悩んでる人は是非特装版をポチってほしいですね!

よし、満足した!

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