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#3 看護師の転職:転職先の情報収集

 看護師が看護師として他の施設(医療福祉系施設全般)への転職についてお伝えします。

1.希望条件の洗い出し 

 どんな方法で転職するにしても、事前にあなたの希望条件を明確にし、自分が働きたい職場がどんなところか把握しておきましょう。
 理想を明確にすることで、転職後の「こんなはずではなかった…」を防ぐことができます。

 以下の項目を参考に、あなたの働きたい職場がどんなところか整理してみましょう。

 ・施設条件:立地・施設の種類や規模、地域特性・診療科・経営状態
       対象患者の経過時期(急性期・慢性期・回復期など)・
       看護体制 
 ・雇用条件:給料や手当類・年間休日数や特別休暇等・年休消化率・
       勤務形態・残業時間と残業代の支給の有無・
       寮や住宅補助の有無・その他福利厚生全般的
 ・教育体制:中途採用者の教育体制・内外の研修等頻度、参加の必須度・
       専門または認定看護師の有無・研修や進学の援助体制・
       参加率や補助の有無・新卒者や学生実習の受け入れの有無
 ・人間関係:雰囲気・年代層の偏り具合・育休や産休の取り組み・
       他部署との関係

 もちろん、上記が全てではありませんので、あなたの経験をもとに、どんどん追加していきましょう。

 理想の職場条件が出揃ったら「絶対にこれは譲れない、妥協したくない」というものをいくつか選び、優先順位をつけましょう。
 その優先順位をもとに転職先を探していきます。

2.転職先の見つけ方

 転職先の見つけ方は主に、自分で探して連絡し、採用試験を受ける方法と、仲介会社を通して探し、採用試験を受ける方法があります。

 ⅰ)個人で探す場合

 個人、つまり、あなた自身で探す場合、生活の中で見聞きする施設や、知人からの口コミ・誘いなどがありますが、最終的にはインターネットによる情報収集が主流になります。あとは、病院説明会や病院見学などで、雰囲気などを見ることになります。

 インターネットからの情報源は、各施設のホームページ、医療施設ランキング、各種口コミサイト、仲介会社の公開案件などです。

メリット
 ・しがらみがない
 ・採用時、仲介会社を通さなかったことで給付金が出る職場もある
 ・先方との間に人を介さなくていい

デメリット
 ・現場の生の情報を得にくい
 ・手間がかかる
 ・給与条件など交渉を自分でする必要がある

メリット・デメリットどちらととるか
 ・全てを自分で進める

私の実体験:
 常勤で勤めた病院は自分で探し、応募しました。その施設で働きたい理由があったことと、その他の私の希望条件の中で特に優先順位が高いものが満たされていたため、他の施設の見学さえせず、一択でした。

 情報収集の方法としては、転職サイトの公開案件(以下、公開案件)で希望条件を入力して調べたり、希望勤務地と希望の診療科を検索にかけ、検索結果上位に出てきた施設のホームページを見たりしました。また、同じ施設のホームページと公開案件と見比べて条件を確認したり、患者の口コミサイトを見て情報収集しました。

 全てを自分で進めることに関して、得意不得意な方がいると思いますが、直接やり取りするため、その場で確認事項などが終了していきます。時間のロスがないので私には合っていました。

 ⅱ)仲介会社を利用する

 巷に溢れている看護師転職サイトの中から、いくつかに登録して自分の条件にあった職場を探してもらう方法です。

メリット
 ・いろんな条件を設定でき、それにあった施設を紹介してくれる
 ・自分の探す手間を省ける
 ・現職者や退職者の生の声の情報がある(会社にもよる)
 ・一般募集されていない案件もある

デメリット
 ・会社の当たり外れが顕著
 ・希望でない職場を紹介される
 ・指定期間内に退職するとペナルティがあることもある
  (業者や就職条件による)
 ・経歴等により、紹介される施設のランクがある
 ・すすんでいる案件以外の頻繁な連絡(会社による)
  (登録中は現状や希望把握、おすすめ案件紹介などの連絡がくる) 

メリット・デメリットどちらととるか
 ・面接などに仲介会社の社員に付き添われることもある(会社による)

私の実体験:
 応援ナース、非常勤、Wワーク先を決めるときに利用しました。常勤転職での利用経験がないため、常勤希望の方には十分なお役に立てないのですが、参考までにお伝えします。
 登録先は3社で、そのうちの2社は友人の紹介です。応援ナースに力を入れている業者と、常勤〜非常勤まで手広くやっている業者です。もう1社は夜勤バイトを探していたので、夜勤バイトをメインにしている業者です。
 都内で案件数が多いため希望が通ったのと、常勤採用ではない分、精神的に気楽でしたので、紹介先での仕事も特に支障は感じませんでした。また、どの会社のスタッフも、悪い印象はありませんでした。

 利用した印象として、自分では思いつかないような案件を紹介されつ頃もあり、とても興味深かったです。また、もらった情報をもとに、その職場のホームページにたどり着いても、看護師の募集はされていないこともあり、業者利用だからこそ知り得た案件もありました。

 面接の同行ですが、担当者が話しやすい方だったので、一緒に行くんだなくらいにしか思いませんでした。
 おそらく、同行した方にもよると思いますが、あなたが先方に聞きにくいことを代弁してくれたり、面接中のあなたの返答をフォローしてくれる方もいるようです。

*情報収集として仲介会社に登録し、実際の就職の時には利用しないという方法を取る事も可能です。

3.病院との連絡の取り方

個人の場合:
  当然あなたが行います。転職希望先(以下、先方)に連絡し、見学や面接の日時調整を行い、履歴書や看護師免許証をどのタイミングで提出するか確認します。
 書類は、郵送またはメールで事前に送るか、施設訪問時に持参するか、が一般的です。
 ホームページに記載されていることもありますので、確認しましょう。

仲介会社を利用した場合:
 仲介会社と先方が面談日を調整しますので、面接のためにあなたが、先方に連絡することは基本的にはないでしょう。見学に関しては別なことがありますので、仲介会社に確認しましょう。
 書類に関しては、仲介会社・先方によって異なります。両方に必要になる事もあれば、仲介会社が先方に渡す分を準備してくれる事もあります。

まとめ

 看護師が施設に転職する際には、あなたの希望の条件をしっかり明確にし、「譲れない条件は何か」をもとに、希望の転職先を探していきましょう。
 転職先の探し方は、2種類あります。どちらも成功・不成功の可能性を秘めていますので、あなたのやりやすい法を選択すればいいですし、仲介会社で情報を得て、自分で申し込むという事も可能です。自分でやるから失敗率が高いとか、仲介会社を通すから成功率が上がるというわけではありません。

 理想の現場を洗い出すとお伝えしました。でも、あなたの出した条件全てが当てはまる職場は残念ながらありません。たとえ契約条件はあなたの理想にぴったりでも、実際働いてみたら「こんな筈ではなかったのに…」と思うことは出てきます。
 人間関係が良好な職場を選んだとしても、キャラの濃淡は別として、いわゆるお局は存在しますし、前職場と同じ感じだと思っていたのに、働き始めたら業務に関する考え方が違って戸惑うということは日常茶飯事です。実際に属してみないとわからないですし、あなたの転職先での勤務に対する考え方でもそういった違和感を少なくすることは可能です。 
 「なんか違う」という違和感が、あなたの許容範囲内におさまる転職先を見つけることを目的として情報収集をしてください。

 転職を目指すあなたの成功をお祈りします。
 

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