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#13 認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修:私の体験談

 私は2018年度に受講し修了しました。研修に興味のある方、これから受ける方がどのような感じかをイメージできるよう私の体験をまとめてみました。

 2019年度より新カリキュラムとなり、研修時間が150時間から105時間に短縮されましたが、研修の大まかな流れは変わりないと考えています。
 ただ、新型コロナウイルスの影響で受講方法が変わったりしている研修場所もあるようなので、その場合は、勝手が少し異なると思いますのでご了承ください。

1.私が受講した理由と経緯

 管理について学ぶ機会がなく、自分が行っている業務が正しいのかを知る術がなかったため、自ら受講しました。

 急性期の専門病院で働いていた、2015年末に同僚と一緒に副主任になりました。もともと、主任は不在でしたので、師長の下に副主任二人という構造でした。
 しかし、年が明け、2月より師長は出勤しなくなり、数ヶ月の病欠後、退職しました。その後相次いで、私たちを任命した部長も、その後の就任した師長も退職して行きました。

 結果、看護部は部長不在、管理師長が部長代行を務めつつ、病棟師長業務は管理師長と副主任で分担することになりました。当然、現場は副主任二人で対応です。日常業務に加え、医師たちの入れ替わりに伴う準備や業務整理、多数の退職者と入職者の対応で日々追われるように過ぎていきました。数年後、主任になると、師長業務も以前より多く担うようになりました。

 自分なりに考え、業務を行なっていましたが、それが正しいのかどうかもわかりませんでした。目の前のこと、自分がやるべきことだと考えたことを行うことに必死でした。
 ですから、自分の実践したことが正しかったのかという評価と、管理についての考え方や対応の仕方について知りたい、学びたいと思っていました。
 そして、人員的にも業務的にも余裕ができた2018年の秋に研修に参加したのです。

2.研修に参加して

 ⅰ.参加した研修の特徴 

参加者
 ほとんどが副主任から師長の役職者でした。公益法人が主催でしたので、系列の方達は、今は離れてるけど、元同僚という人たちも多かったようです。およそ8割が関連施設、残りの2割がそれ以外の施設からの参加でした。

講師陣
 系列施設やそれ以外の施設の現役看護部長や、看護協会所属の講師、大学の講師、看護師や医師出身の講師、外部の講師がいました。

講義内容
 講義とグループワークが多かったです。毎回グループワークのメンバーが異なるので、様々な人と交流を持つことができました。

レポート作成
 各科の最終講義の時、どの講師の方もレポートに記載すべき内容や、NGなどを教えてくれました。

2.私の体験と感想

 研修に参加して良かったなと思うことは、主に3つあります。

 ・これまでの私の考えや実践について振り返ることができたこと
 ・他の受講生との交流の中で、自分の環境を客観的に見られたこと
 ・レポートを書くことで、言葉で表現する必要性を改めて感じたこと

 これはお世辞でもなんでもなく、他の受講生たちや、講師陣、運営担当者の方々に恵まれたおかげだと思っています。別に媚びてるわけではなく、本気で数年経った今でも思っているんです。

 ⅰ.今までの振り返りができたこと

 まず、看護教育に携わる看護師や元看護師にありがちですが、講師陣が熱く、それぞれの管理観、人生観、看護観をかなりの熱量を持って講義してくれました。
 その影響で、今までの自分はどう考えどう行動してきたか、自分の理想とする管理者とはどんな人で、自分との差を幾度となく考えるきっかけになりました。
 グループワークも、基本的に毎回異なるメンバーでしたが、冷めたり、嫌がる人がほぼおらず、活発な意見交換ができ、とても有効なワークとなりました。
 レポートを書くことで、自分が経験したことの振り返りに、学びをプラスして考察できたことも、自分の考えや実践について自信を持てるきっかけになったと思っています。

 また、講義を受けるということで、自分が講義をするときの参考にもなりました。話し方、構成、どういうことを盛り込んだ方がいいか…など。
 やはり、面白く、時間があっという間に過ぎる講義もあれば、なかなか時計が進間ない講義もありました。
 少なくてもファースト研修参加者には、臨床現場での具体的なエピソードを多く含んでいた方がイメージがつきやすく、集中して参加できているなという印象を受けました。

 ⅱ.受講生との交流で視野が広がった

 グループワークや休憩時間では、いろんな話をして盛り上がりました。
 当時の私は、職場での様々なやりとりに疲れ気味であったこと、病院の経営が傾いてきたことなどから、殺伐とした職場を離れられる研修に救いを求めていた部分があったのかもしれません。

 毎回グループワークでは、自己紹介で自施設や部署の説明をするところから始まります。公立病院の受講生が多い中、看護部組織自体が成り立っていない私の職場の話をすると、みんな驚いたり、同情してくれたり、ねぎらってくれたりしました。
 また、同じ職場では立場上言えないこと(言うべきではないこと)や、看護師や医療系ではない職業の友人にはうまく伝わらないことも、業務や立場も理解して発言してくれるので、とても救われていました。 

 私自身の慰めになっただけではなく、もちろん、講義内容についても影響を受けました。管理のどこに重点を置くかということは人それぞれなので、自分とは異なる意見を聞くことはとても刺激になりました。 
 

 ⅲ.レポート作成

 課題内容は、実際に自分が経験したことについての考察であったため、自分の葛藤や、事象から少し時間がたった時点で、自分の考えなどをまとめることが目的のレポートでしたので、どのように表現するかということに悩みましたが、書く内容(ネタ)に困ることはありませんでした。

 私の研修場所では、各講義の最終日から2週間後の12時が提出期限でした。私は、直前にならないと始めない性格なので、本当にギリギリに書き始めて、締め切り数分前に息を切らして現地まで提出しに行っていました。余裕があれば郵送でよかったんですけど…。
 結果は、全てAだとよかったのですが、ひとつBで、平均86.7点でした。

 レポートを書くことで、自分の経験を振り返り、間違っていなかったと確信したり、もう少しこうすれば良かった、今後はこうしてみようなど、改善点の発見や、対策を考えることができました。
 また、私自身は、なかなかまとまった文章を書く機会がなかった割に、現場では、サマリーや各種提出物の文章に目を通して修正をする機会が多かったので、文章をどう書くかということも考えさせられました。

3.これからファースト研修を受ける方へ

 私はタイミング的にも、講師・メンバー的にも恵まれた研修だったと思っています。私自身の考え方が変わり、仕事の取り組み方が変わったという実感も持てました。

 ファースト研修を受けるまでに、それぞれ様々な経緯があると思います。自ら参加する人、上司に言われて嫌々参加することになってしまった人…。
 理由は何であれ、どうせ一定の時間を過ごすなら、有意義なもにしようという意思を持って研修に参加した方が、学びも多いと思います。
 恵まれた職場だと、それぞれの役職者対象の研修が行われていることもあるかもしれませんが、異なる環境のスタッフとの交流し、知らない世界を知ることで、あなたの視野が広がっていきます。

 もしかすると、レポートがあなたの参加意欲を奪う原因になっているかもしれません。看護師は一般的に、行為や考えを言語化することが苦手です。きっと、普段からお互いに「察すること」が当たり前だからかもしれません。
 私たちは、経験年齢問わず、熱量や重きを置くところが異なっていたとしても、「これだけは譲れない」というものを持って働いています。そして、ファースト研修受講を検討する立場ということは、施設や部署運営や、教育などに関して何かしらの考えを持って実践している方が多いと思います。
 自身の振り返りや、さらなる成長のためにもファースト研修を利用してみるのもひとつの手だと思います。別に私は、看護協会の回し者ではありません。純粋にそう思ってます。

参加された方が有意義な時間を過ごせますよう、お祈りしています。

 

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