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#29 スタッフをひとり雇うということ

 スタッフが辞めたら、新しく雇えばいいと単純に考えがちです。けれど、人ひとり雇うということは、施設にもスタッフにも負担がかかっています。

 どんな負担があるのか、大まかにまとめてみました。

1.経済的な負担

 まず、辞めた人の補充で新規採用する場合、多額の支払いが必要になることが多いです。というのは、仲介会社などを通すとひとり100万円前後をそこに支払うことになるからです。

 お金がかかるなら、仲介会社を使わなければいいと思うかもしれません。施設も使いたくて使っているわけではありません。大きくて、毎年多数が就職する施設か、評判がいい施設でない限り、仲介会社を全く使わずに中途採用をするのはとても難しいからです。
 ハローワークや看護協会の求人は無料だとしても、そこだけでは、なかなか人は集まりません。中途採用の場合、たとえ、自分で直接応募するにしても、仲介会社を利用して情報収集をしている人は少なくありません。
 とりあえず募集しているということを知ってもらうためにも、募集を出してもらう必要がありますし、そこで紹介され、入職が決まったら支払いが発生してしまうのです。

 もし、何人も退職者が出て、採用を複数名したら、その人数×100万円が支払われることになります。これは、病院の経営にも影響を及ぼす可能性もあります。
 数百万円で病院が潰れるわけないと思われるかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響で、経営が厳しい施設もだいぶ増えています。経営的に難しくて、採用が取り消しになった例もあるほどです。
 たかが人件費、されど人件費です。採用ための支出が多いと既存スタッフのボーナスが削られてしまう可能性もあります。

2.採用に関するリスク

 募集をかけても、望み通りの人が来るとは限りません。

 評判のいい人気のある施設と、ビミョーな施設、応募するのなら、圧倒的に前者ですよね。あなたの職場が、高評価施設なら、前向きなやる気のある人が応募してきますし、応募数も見込めるでしょう。
 しかし、そういう施設は少なく、大半の施設は後者です。その場合、どういう人が募集してくると思いますか?
 もちろん、その施設の魅力の程度にもよりますが、経歴が弱いとか、ここなら雇ってもらえるかも…といった消極的な理由で応募してくる人の割合が高くなります。
 望まないタイプの人を採用するか、採用せず人員不足で既存のスタッフが頑張るか、はたまた両方か…ということも起こりうる、ということを念頭においておいたほうがいいでしょう。

3.教育的な負担

 スタッフが辞めると、その分の業務が他のスタッフに移行します。そして、業務量が増えたところに、新入職員の指導も加わることになります。
 新入職者がどんな人かはわかりません。スムーズに独り立ちできる人かもしれませんし、なかなか仕事を覚えられなかったり、コミュニケーションに難がある人かもしれません。新入職者の力量や人柄にもよりますが、ある程度の教育に関する負担は必ず負うことになります。

まとめ

 人を雇うためには、お金が必要になることが多く、募集をしても、理想の人、必要な人数が採用できるとは限りません。また、新入職者の教育も大なり小なりスタッフの負担になります。
 
 

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