フウフの現状
「で、結局、今どうなのよ」である。
我々フウフのことだ。
知らない方にかいつまんでお伝えするならば、昨年1月に夫が突然家を出て行って、自分で近所にアパートを借りて別居生活となり、週末だけ会うようになり、話し合いをしだんだん週に何度か泊まるようになり、私の病気がわかり毎日家に泊まるようになり、私の入院中は毎日夫が子供達を見てくれ、今年になって私が仕事復帰し夜早く寝るようになってからは、夫の仕事が忙しく帰りが遅くなる日は、申し訳ないからと、夫は自分のアパートに帰って何か食べて寝る。そんな生活だ。
SEの夫は(たくさんの人が辞めたりクビになったりしたので)昇進し、(会社は2つの国に支社を作ったので)時差なく対応を迫られ、マジで忙しそうである。週末もカタカタとパソコンに向かっている。転職の多い夫だが、今までのどの職場よりも大変そうだ。鬱にならないかな?と心配しているが、今のところブウブウ文句言いながらもマイペースに仕事している(ように見える)。当初はコロナ禍でリモートで働いていたが、今は週に3日ほどは片道2時間ほどかけて通勤している。つまり、週に3日ほどはまるで会わない生活である。
子供達もパパが忙しくて帰ってこれないことは分かっていて「今日パパ来る?」と聞きながら、晩御飯の食器を用意したり、おかずを食べたり(パパが来る場合、全部食べることはできない)している。時々、中2の息子がパパが帰ってこないと知って、寂しそうな雰囲気の時があるが、パパが帰ってきても甘えたり何か話すわけではないから、勘違いかもしれない。いや、息子も私と同じ、ツンデレなのかもしれない。
ーーというのが、我々フウフの現状である。
離婚という文字は遠のいたけど、今夜大喧嘩して、明日離婚するかもしれない。とはいえ、出て行ったばかりのような夫のツンツンした雰囲気は今は全くない。いつもの穏やかな、無口な、優しい夫である。ーー夫が出て行った日まで、そう思っていた私なのだけど。
夫はすごく淋しかったのだなぁと今は思う。私が今、夫に些細なあれこれを頼むと、すごく嬉しそうだ。そして、私が自分の夢として「(今は賃貸だから無理だけど)気軽にテルミーできる部屋が欲しいんだ。お客さんや友人が来て、好き放題、モクモク煙を出して掛け合いや燻蒸ができる部屋」と言ったら、なんと、あんなに私が頼んでいたのに面倒くさいからと動かなかった永住ビザ申請を自分で動き始めた。外国人の夫でもローンを組んで家を買えるように。
夫の家出と私の胃がん闘病は、おそらく私たちフウフの良いスパイスになったのだと思う。私は必要以上に夫を責めていたし、夫も必要以上に卑屈になっていた。
いつか看取る側になっても、看取られる側になっても、隣にいたい、いて欲しいと思う。…まぁ、明日離婚するかもしれないけども。
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