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海に溶けていく夕陽がすき

今までに見た絶景は?

グレートバリアリーフの海は素晴らしかったし
プーケットの鳴き砂の砂浜が広がる透んだ海に、誰一人いない景色は、このまま時が止まって欲しいと思った。

トゥルム遺跡から見下ろした時の海の碧?青?は、言葉では説明できない美しい色で心が奪われた。


早朝の靄がかった森の渓流に、太陽の光が差し込む風景も、九十九里で迎えた朝焼けも、鎌倉の夕陽も、八ヶ岳の星空も、十和田湖の星空も。

ハワイで見た夕陽も、ケアンズの夕陽も美しかった。東北にいた頃よく見ていた広大な公園に差し込む夕陽も。


沖縄でみた夕陽は、それまでに海辺で見たどの太陽よりも大きく輝いて、とても近くて、包み込まれる安心感でいっぱいになった。長い時間をかけて海に溶けていくのを飽きもせずにずっと眺めていた。


・・・・・・

小さな頃から夕方が大嫌いでした。
夕方から夜にうつろう時間帯はもっと嫌い。
夕方に『夕焼け小焼け』が流れると、心底うんざりした気持ちにすらなっていた時期も長く。

きっと夕陽が、山や海に溶けていくのではなくて
ビルやマンション、工場など無機質な空間に消えていく景色と、夜と一緒にやってくる独特な匂いが、自然とはかけ離れた匂いだったから。
多分、匂いではなく空気感を肌で感じていたのだと思う。

・・・・・


あの日、沖縄の海で見た夕陽が忘れられない。

生きてる。ことへの感動と感謝しかなかった。
『なんて幸せなんだろう。生きていて良かった』
それだけで満たされていた。


海辺に住んでいる人には見慣れた風景なのかもしれないけれど。


あの日から、夕方になるとあの夕陽が頭に浮かぶから、都内で迎える夕方も、まぁまぁ大丈夫になりました。


あの、海に溶ける夕陽がすき。

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