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親の入院・介護費用の考え方、そして自分の老後の準備

病院に勤めていると、どうしても、いろんな家庭のお財布事情がみえてくることがあります。

入院費用についての支払い能力を確認するため、ご本人の年金額を確認したりするのですが、時々、無年金の方や、すごく年金が少ない方がいます。預貯金を持っている方はいいのですが、そうではない場合、子どもが支払いの支援をしていると聞くことも珍しくありません。

本来は、入院費用や介護費用は本人が支払うのが基本かなと思います。


ある家庭の話

先日、ある患者さんの息子さんから入院の相談がありました。
その患者さんは、数ヶ月前に入院していた方で、金銭面が大変だからと予定よりも早く自宅に退院したんです。

息子さんは、仕事が続かず、お父さん(患者さん)の年金で生活しているようでした。ですので、入院費用の支払いが大変だったようです。

本来、本人の年金は本人のために使うべきものです。それが、家族のためにも使われることは、決して珍しいことではありません。

今、患者さんは別の病院に入院しているようで、その病院は入院費の支払いがカードで出来るのでなんとかなっているとのこと。
ちなみに、私の勤めている病院はカードが使えず、現金、あるいは振込、振替になります(少し時代遅れのような気がしますが・・・)。

話を戻すと・・・カード払いだからなんとかなっているとはどういうことか? ちょっと、こわいなぁと思わずにはいられません。

入院費の減額がうけられない場合、月の入院費用は、当院の場合14~15万円ほどになります。

年金から、この患者さんのために使えるのは、月に5~6万円ほど、と言っていたので、カードの分割支払いあるいはリボ払いを使っているのであれば、借金がどんどん膨らんでいくのではないか?

入院をずっと継続している場合は、いつまでたっても支払いが終わらない
そんなことを想像してしまいました。

これは、息子さんの金融リテラシーの低さが関係しているのかもしれないなぁ・・・。

親の年金の使い道

今の高齢の方の年金って、人によって様々で、冒頭で紹介したように、年金をかけていなかったという無年金の方がいたり、十分すぎる年金をもらっている方もいます。

ある程度の年金があれば、本人の入院費用や介護費用は本人の年金から支払うのが基本かなと思いますが、足りない場合は、家族が出し合っているというケースも少なくありません。

年金で家族が生活している場合は、入院費用が足りないというケースがありますが、これはある意味、虐待とも言えるのかと思います。

そう言えば、以前、勤めていた病院で、なんとしても、どんな延命治療をしてでも生きていて欲しいという家族がいて、それは、本人の年金で家族が生活しているから、死んでもらったら困るということだった・・・そんなことがあったんです。

なんだか、絶句してしまいました・・・。
どちらの立場にもなりたくないものですね

将来の備え

私は50代ですので、自分の親、夫の親ともに80代です。
介護の問題は現在進行形・・・

金銭的な問題は今のところなさそうですが、義父母の金銭事情はやや不安があります。やっぱり、現状を知っておくことは大切ですし、聞きにくいことですが、親の年金額、資産額はどこかのタイミングで把握しておくことは大切だと思います。

入院、入所となれば金銭的な問題が出てきますから、その時に援助が必要なのか、そして自分自身、親の援助が出来るのか・・・。

そういう準備というか、心構えも必要なのかもしれないですね。
ただ、親の介護費用は、自分自身で払ってもらいたいとは思っています。

親であっても、親の支援を行っていたら、自分の老後の準備が出来ないですからね。自分自身の老後の備えを考えていくことが最優先かなと思います。
子ども達に金銭的な迷惑はかけられない・・・というか、金銭的な負担をかけない親でいたいですからね。

まずは、夫婦の将来の年金額の把握、将来の資産の予測を考え、
そして、積み立てNISAやiDeCoなど、自分年金作りもコツコツと頑張っていこうと思う。

皆さんはどんな準備をしていきますか?


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