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【瞬間1位&最高レート1756】4Cメンチ解説note【DMPP-18弾環境】


はじめに

本記事は18弾環境Tier1と名高い4cメンチの解説記事です。筆者の書きたいことを全て書くつもりなので文量がやや多くなることをご承知おきください。
最低限書きたいことは要旨にまとめましたので、そちらだけでもぜひ読んでいただけたら幸いです。
45000字ありますが全文無料です。まどろみ3万、ポッター1万5000です。

本記事に関わったプレイヤーの戦績
ポッター:ND最高1756,最終13位
まどろみ:ND最高1720,最終67位(48枚同じリストでAD1674, 47位)
宮原:ND最高最終1704,最終32位

https://twitter.com/miyahara_rarara/status/1625874479682564097?s=20

要旨

メンチはNエクスから派生したグッドスタッフデッキで、メンチ完成のコンボが強力なのはもちろん、ミッドレンジのビートダウンやカウンターも行える強力なデッキである。
基盤としてのドンドン吸い込むナウ・ホワイトグリーンホール・リュウセイホールなどが優秀であり、特にマナを利用できるデッキであることからデッキの40枚+超次元8枚をフルに活用しやすい。そこで、環境に合わせたカードを採用し、ランクマッチで柔軟に戦うことができる。
汎用的なカードを中心に採用し、それらを活かすためにフェアリーライフをはじめとするブーストカードを計10枚採用している。ブーストは8枚以下だと少なく、12枚以上は多い。
メンチはブーストからヨーデルやリュウセイホールでリソースを稼ぎ、マナの貯まった終盤に切り札をホワグリで回収して勝ちを目指す。ゆえにリュウセイホールの択やマナ回収の選択肢など、プレイに分岐が発生しやすい。
この選択によりメンチは候補カード1枚、立ち回り1つで大きくパフォーマンスが変わるので、構築やプレイングで千差万別の強さを見せる。それはすなわち使っていて非常に楽しい最高のデッキであることを示している。

そもそも"メンチ"とは

メンチとはコンボデッキではなく所謂グッドスタッフである。これが私の主張である。

4cメンチは18弾環境の中心であり、ある程度この環境でランクマッチに潜った人なら誰もが知っているデッキタイプだ。では、メンチとはどんなデッキか?
この問いは、一般的には”ヨーデルワイスから四ツ牙を出し、9マナためてメンチ斬ルゾウのリンクを狙うデッキ”と回答されるだろう。
実際、その回答は正しい。メンチ覚醒は本デッキにおける基本プランだ。しかし、私はメンチというデッキを次のように説明したい。
“覚醒リンクをフィニッシュ手段の一つに据えた、グッドスタッフデッキ”
グッドスタッフとは、単体で優秀なカード、およびそれらを集めて作られたデッキのことである。メンチは単なるコンボデッキではなく、構成されるカード全てに多様な役割があり、ビートダウンからコントロールまで幅広い勝ち筋を追える、最強のデッキなのである。
具体的に説明していく。まずこのデッキには活躍の場を選ぶ、いわゆるメタカードやコンボパーツは超次元ゾーンのカチコミを除いて入っていない。すなわちメインデッキは汎用的なカードのみで構成される。これは、対面を選ばずにデッキの汎用性だけで戦っていること、ひいては環境に依らない強さを有するデッキであることを示している。これはカード単体で見るとより分かり易い。ホワイトグリーンホールはシールド追加による相手の攻めを受ける防御札として、またマナ回収によって戦況に応じたカードを持ってくるリソース札として、いつ使っても強くどの対面でも使うカードとして採用している。(ちなみに4ターン目にホワグリをプレイするのも弱くない。プリンを出せば相手のガガアルカをケアできるクリーチャーとなってくれるし、カチコミを出せば最速リンクを狙える他、その圧力で相手に処理を強要する。本当に文字通りいつ使っても強い)
ホワグリのメンチ覚醒コンボパーツとしての用途はマナ回収の目的の一つというだけであり、本質的にはその汎用性を評価している。ヨーデルワイスもただ四ツ牙を出し、コンボのために彼を守るだけのカードではない。ヨーデル+四ツ牙は単純に3打点であり、次のターンから殴り始めれば2ターンでリーサルに行くこともできる。また、身代わり効果(ウルトラセイバー効果)により、トリガーケアとして使用することもできる。場のサイキッククリーチャーでリーサルを狙うなら、召喚酔いしていてもトリガーをケアできるので実質的なSA1打点となる。ヨーデルは四ツ牙のオマケではなく単体での強さを評価して採用している。
また、上でも少し触れたが本デッキは多様な勝ち筋を取ることができる。メンチ覚醒はもちろん、ヨーデル+四ツ牙の3打点に加え勝利ガイアールや永遠、鬼丸覇などのSAで攻め切るビートダウン、ホワグリで仕込んだトリガーを保険に特攻するカウンター、吸い込むによる除去やホワイトフレアの除去・タップキルで相手の展開を阻害しながら永遠や悠久を立て、逆転の芽を摘んでしまうコントロール、ババンや四ツ牙+バゴーンパンツァーでリソースを大幅に稼いでから鬼丸覇やメンチをぶつけるビッグマナ的な戦い方、など戦況や対面に応じて柔軟に戦うことができる。メンチ覚醒は分かりやすく強力だが、このデッキの有するポテンシャルはメンチ覚醒を一つの勝ち筋という程度に収めてしまうほど高い。私がNDと全く同じリストでADの最終圏内1676までレートを上げられたのも、このデッキが対面を問わず戦えるデッキであることを示している。

そして、このデッキパワーに着目し、独自の方向性で調整した4cメンチを以下で紹介する。最終1位こそ取れなかったものの、調整に携わった3人が1700達成、うちポッターは最高レート1756を記録した。また、1700こそ達成できなかったものの、自身の最高レートを更新し、1700チャレまでこぎつけた者も複数名いた。
ぜひ、メンチというデッキの新しい考え方を知ってほしい。

構築経緯

まず、メンチというデッキは17弾ですでに完成していた。


まだNエクス

https://note.com/happy_pansy966/n/n18af76f254ee

このデッキは白Nエクスが基本となっていて、そこにヨーデルを加えたデッキである。今となっては定番の動きであるヨーデル+四ツ牙→9マナでホワグリ→リュウセイホールをマナから回収し覚醒、というギミックは本デッキの開発過程で生まれた。また注目すべき点として、Nエクス基盤にババンが採用されている。これも今となっては違和感のない構成だが、17弾当時でババンといえば(ADの)バイオレンスフュージョン程度でしか見かけない程度で、Nエクス基盤に採用されたことは少なかった。メンチ覚醒ギミックとババン採用、この2点が18弾環境でメンチというデッキタイプが研究される礎になっている。
(余談:17弾当時もメンチ覚醒やNエクス+ババンを考察している人はいた。前者にはトリーヴァメンチで私と同じレートまで上げた冷奴氏が、後者には18弾のシータディメンジョンを開発したあるいん氏がそれぞれ代表として挙げられるし、その他にもメンチやババンの可能性を追っている人の姿はTwitter上だけでも確認されている。私が先駆者ではないことを注意しておく。)

私が17弾でメンチに至った経緯の詳細は上の記事に任せるが、大雑把にはヨーデルの強さに気づいたのちにふざけてカチコミと紅蓮を入れてみたら思ったよりコンボが決まった、という感じだ。「オレ、とんでもねえデッキを作っちまったかも……」で本当に強いデッキが出来てしまった稀有な例である。
その後18弾が登場し、鬼丸覇の登場、そしてそれを採用したメンチが瞬間一位を取ったことで一躍注目され、多くの人の手で考察されるに至った。
なお、18弾環境におけるメンチのテンプレは僕ではなくあーくん氏によって築かれている。僕のメンチはあくまでNエクスとして組まれていたがあーくん氏はエクスを全て抜き、メンチという新しいデッキタイプとして構築されている。

https://suiyotao.hatenablog.com/entry/2023/01/30/221425

そしてここから、各チーム・調整グループでメンチの開発が始まった。
アクアインテリジェンスや悠久など新たなカードの採用、Nを1枚減らしてナルトサーファーを入れたりNを抜いてキラーメガネホールを採用したりとテンプレからずらした構築、またババン二枚やミラー意識の神殿など環境に合わせたチューニングが行われたりした。
また、逆にメンチギミックを抜いたヨーデルNエクスも現れ、もともとNエクスとしてメンチを開発した私からしたら原点回帰のようなアツい気持ちになったりした。

さて、以下には私およびチームで研究した過程と成果を記していく。

まず、私たちはメンチの基盤を以下の36+8枚で定義した(ジオブロンズやホワイトフレアなどは、声援やスパークなど互換性のあるカードとして定義)。

初動の最低枚数は9,推奨は10


各カードの採用理由は後のカード解説に記すが、この基盤に何を補完として入れるか、追加の採用カードでどうプレイを変えていくかを考えながら調整した。
また、その過程で、メンチは採用カード1枚で動きが大きく変わるデッキであることを認識した。ババン1枚、鬼丸覇1枚、悠久1枚の採用で大きく世界が変わる。例えばババンを入れるだけで、全手札をマナに注いでババンを出し、そこからN+鬼丸覇やら1ターンでメンチを完成させるやらの離れ業が可能になる。ハンターはマナからも出てくるのでなおさらだ。悠久を1枚入れるだけで天門トリガーを封殺したりする。インテリジェンスは1枚で場の小型を全部バウンスする、さながらちゃぶ台返しの荒業を成し遂げる。
したがって、初動を増やすことによる安定と、切り札の採用による爆発力のトレードオフは後者に重みが付く格好になる。これを原則としてデッキを吟味した。

そして、私たちが採用を検討したカードとその評価を、検討した順に下に挙げていく。
フェアリーホール…単色かつ紅蓮を出せるホール呪文なので7マナ時の四ツ牙ブーストでフェアリーホールが落ちれば8マナになり、手札から単色を埋めてホワグリを唱えてフェアリーホール回収からメンチ覚醒が狙える。単純に5マナ時点の動きとして四ツ牙を出すのも強い。フェアリーホールを入れすぎると他の色マナが足りなくなる、メンチ覚醒以外のプランを取りにくくなるのもあり、1枚が必要十分

アクアインテリジェンス…ファンクが流行った時期にバウンス効果を期待して採用を検討。コスト6以下のバウンスは、エイリアンやトリーヴァt黒のようなファンクを絡めた小型の展開を行うデッキ相手に大きく刺さり、勝率の改善が見込まれた。また、ガチンコジャッジ勝率を高めることで自身の鬼丸覇を太い勝ち筋にできる他、殆ど対策不能とも言える相手の鬼丸覇による強襲に一矢報いている。パワー7000Wブレイカーというそこそこ高いスタッツ(カードの効果以外の基本能力)、青単色マナ、などから活躍しない対面がほぼないが、このカードが直接勝ちにつないでくれる訳ではないので1枚で十分。
逆に1枚は入れたいが必要というほどでもない。

ナルトサーファー…バウンス効果が天門やガガアルカに対して強力であり、永遠2体や永遠+悠久などナルトサーファー以外では返すのが非常に困難な状況を簡単に返せるようになる。しかしスタッツがやたら低く、活躍する場面も少し限定的なことから、スタッツの低さを加味してまで採用する理由のあるカードではなく、インテリが優先されると結論付けた。
後に最終一位擁するチームBlitzさんがナルトサーファーを採用していたので再度考察してみたが、やはり環境によほど刺さっていると判断した場合のみ採用されるメタカードの類で、好みで1枚採用する程度のカードであるという認識は変わらなかった。環境を意識するかデッキとしての強さを意識するかで、私は後者だったというだけの話だと考えている。たとえ私個人の最高レートが60負けていたとしてもだ。実績を出した構築が必ずしも絶対的な正解ではないと思う。

悠久…超次元クリーチャーやシールドトリガーによるクリーチャー召喚のすべてを無に帰すことができ、またエイリアンである点からガガアルカへのカウンターとしても使える。
環境上位デッキに刺さりの良いメタカードの類でありながらスタッツも高く文句のつけようもないように見えるが、2点弱みがある。
1つは永遠と比べたロック性能の弱さ。8コストのこのカードは基本的に出したターンはこれを召喚してターンエンドすることになるが、召喚されるクリーチャーすべてをタップしてトンカチを見込める永遠と違い、悠久は相手の鬼丸覇や悠久、ババンやNによる展開を許してしまう。1ターン消費した上で一切仕事できない可能性があるのだ。
もう1つは多色で濁る点。もちろん色マナとしての活躍もあるので一概に弱点とは言えないが、四ツ牙のブーストをアクションにつなげるためには可能な限り多色は減らしたい。多色の悠久は、強いからという理由だけで入れてはいけないのだ。
入れても2枚までだろう。

神殿…相手のヨーデルやファンクを破壊してヨーデルを出せる、相手のバゴパンや勝利リュウセイを破壊してインテリジェンスを出し、隣の四ツ牙をも一掃する、などミラーや天門をはじめとした環境上位のデッキに刺さるカード。単純な6000破壊としても強い。別になくても勝てるがあると便利なカードのため、環境が煮詰まってくる最終日付近などで、2枚を十分な枚数として考えた。

ここまでの考察をもとにデッキを作った。ランクマッチの結果とデッキリストは以下のようになった。

まどろみ ND1700(2/6) 天門が多かったので悠久採用


まどろみ ND1720
本来はフェアリーホール→ジオブロンズ、悠久→神殿
ポッター ND1756

最高レート更新を目指した日は、高々50戦程度しか潜らないと決め下振れを割り切って初動を9枚にした。初動の1枚をフェアリーホールにしたことで勝った試合もあったが負けた試合もあり、トータルの安定を考えればやや失敗寄りだった。ブーストは後手3ターン目までに使えればよい、というのは最低限の話で、実際は先攻で2回ブーストして最速でNを出したり、ブースト+吸い込むの2アクションを取りたい場面が有ったり、絶対的な枚数として10枚あった方が良いと感じた。

レートから分かるように中盤~終盤前半までそこそこ勝ててはいた。しかしこのあたりからメンチが強デッキであることが知れ渡り、ファンクをはじめとするメタカードやシータディメンジョンを筆頭とする構造上メンチに強いデッキなど、環境からメンチに対する圧力がかかりはじめた。ここで私たちは少し負けてしまい、デッキの再検討を行った。
環境でメンチが勝てなくなった原因を分析した結果、ファンクやスーパーヒーロー、悠久などによるメンチ展開の阻害が既存のメンチを苦しめていると判明した。それと同時に、それらメタカードのためにトリガーを削っており、最低限の枚数しか受け札が積まれていないデッキが多いことも分かった。
そこで、メタを無視して殴り切り、メンチ完成をむしろサブプランに取るミッドレンジのビートダウンを目指した。
ここで、ミッドレンジで殴るなら、とエクス採用に踏み切った。メンチに対する思考を柔軟にし、グッドスタッフの一つのプランとしてメンチ完成を目指すことにした。
早期決着を強固にするため、またトリガーを封殺するためにガガアルカを採用した。従来のNエクスにメンチギミックを取り入れた格好である。
これがうまくハマり、私は1600まで溶かしたレートをほぼ無敗(15-1)で1700まで上げきった。


このミッドレンジの発想とガガアルカ、そして前述の神殿のアイデアは杞憂氏から多大な影響を受けています。下にリンクを貼るのでよかったらこちらもどうぞ。革新的な内容になっています。
https://note.com/kiyuu20041102/n/n48ee2dc98c5c

14連勝で1600→1700まで、一番自信のあるリスト


最終日は速攻が増えることを予測してイレギュラーなリストを使用した。
依然天門の多い環境ではあったがNを1枚減らした。最終日にビートが増える分天門は減るという読みを一貫させた。
私は1712まで、ポッターは1741までこのリストで上げた。

速攻にはあまり当たらなかった

細部を環境に合わせて変えながら潜れるのはメンチ基盤の優秀さに因る。グッドスタッフの本分・本質だ。

採用カード解説

(n枚必要…最低でもn枚は入れたい
n枚で十分…n枚入れてもよいが必ずしもn枚入れる必要はなく、n枚を超えて採用することもない
n枚が必要十分…強い理由のない場合ちょうどn枚入れたい
例えば”1枚必要、3枚は十分”のように書いてあれば、最低1枚は入れたいが2枚、3枚入れるかは自由で、3枚より多く入れることはない。
4枚で必要十分、と書いた場合、特に理由がなければ4枚採用するが、環境に合わせるなど明確な目的があれば減らしうる)

ブーストカード

2コス8枚必要、3コス1枚必要~3枚十分(ADなら2コスのみでいい)

ブーストについては長すぎるので別の記事に書き直しました。
結論としては
「ブーストは9枚~11枚が適切で、2コストのブーストを最大枚数採用すべき。3コストのブーストは単色であることが望ましいが、色マナの確保や性能の高さなど多色にしかない強みもある。迷ったら単色を選ぶべき」

https://note.com/happy_pansy966/n/nfb8f2114f27b

ブースト枠の採用検討カード
ライフ、ジャスミン…別記事に書いた通り、速攻相手に2ターン目のブーストが重要になることや、ライフ+吸い込むなど他のカードと一緒にプレイしてマナを伸ばす役割もある2コスのブーストが最重要で、最大枚数採用したい。
ライフとジャスミン両方を引いたときどちらをプレイするかは難しい判断になる上、勝敗にほぼ変わらないので迷ったらジャスミンでいい。マナに置いたカードを使うことは少ないが墓地に行ったカードはNで再利用できるゆえ、ゲーム後半で打点になるジャスミンのほうがいくばくかマシという理屈だ。ただ、MRC相手ならN後に相手のシューベルトを利用できるのでライフを残すべきだし、そもそもNを出さないなら手札に打点のジャスミンが残っていた方がいい。かなり細かい差なので、ここがわからないなら迷わずジャスミンをプレイしてよい。この2択が重要だと考えられるほどデュエプレをやりこんでいる人なら都度正解を導きだせるだろう。

ジオブロンズマジック…ドロー効果はオマケだが単色であることが強い。7マナ時の四ツ牙→メンチ覚醒や9のババン召喚など、濁ってはいけない場面が多いメンチにおいて単色であることは非常に重要。デッキの赤マナが足りている(最低11枚、可能なら13枚)ならこちらを選べば無難。

声援…トリガーのブーストであること、赤マナになることが偉い。
声援を唱えるためにリュウセイホールを埋めなくてはならなかったり、そもそも初動として不安定だったり、後半で濁ったりするデメリットがあるが、トリガーブーストでアグロに対して間に合わせる、青黒対面を安定させる、追加効果の除去でグレンニャーなどを焼く強いメリットもある。
これらを天秤にかけ、ジオブロンズとどちらを採用するか考えたい。アグロが天門とメンチに淘汰され、湧水シャチホコがほぼいなくなり、グレンニャーがファンクにしばき回されていなくなってしまった現環境ではジオブロンズにやや軍配が上がるが、声援がジオブロンズと同等に有用なカードであることは強く主張しておく。

声援は色マナとして使える…
https://note.com/happy_pansy966/n/n675d04e27b4e

勝負だ!チャージャー…最終日に突然思いついて採用してみた。少ない赤を補充する、単色が偉い、単純に効果がブーストカードの中で最も強い、ブースト効果が確定でアンタップインなので試合後半で濁りを気にせず唱えられるなど非常に大きなメリットがある反面、ライフなどと違い色マナを確保できない、赤マナはそもそも少ないために若干唱えにくいなどデメリットも大きい。
使用感として色マナが落ちないのが想像より遥かに苦しかったため推奨はできないが、諸々が噛み合うなら採用したいカード。ババンや鬼丸覇で悠久や永遠を取れるのは偉い。

ドンドン吸い込むナウ

4枚必要
カードテキストのすべてが強い。手札を減らさずにバウンスするのが強いのはもちろん、その場に応じたカードを持ってきているのが強すぎる。超次元クリーチャーのひしめく環境においてバウンスが除去に近い価値を持つことは同意していただけると思うが、それを4マナで、しかも次の動きを確定させながら行えるのは本当にオーバースペックと言わざるを得ない。
青単色は唱える際にもマナに埋める際にも活きる場面が多く、弱い部分が名前のダサさ以外に無い。なぜこんなに名前がダサい?
除去として使うのはもちろん、5マナに強い動きのある本デッキでは4マナ時点に吸い込むを唱えて次の動きを確定させたりするので最大枚数入れる必要があり、減らせるカードではない。
吸い込むについての留意点:できる限りマナに置かないこと、次の動きが手札にある際はカード回収の目的で唱えないこと。吸い込むをたくさん引いてしまった場合など初手次第ではマナに埋めざるを得ないが、手札を減らさない除去は非常に貴重であり、替えの効かないカードであるため大切に扱う。
(Nを出す前にマナに埋めておいてNの後でホワグリ→吸い込む、みたいな動きもありややこしいところではあるが、基本的にはマナに埋めず大切に扱うべきカードである)

ホワイトグリーンホール

4枚必要
全ての元凶であり、Nエクスに白を入れた最大の理由①(②はヨーデル)。盾を増やしながらクリーチャーを召喚し、そのクリーチャー(プリンプリン)が相手の動きを止める実質的な2面防御という白の側面、マナが増えてきた終盤戦でマナから戦況に応じたカードを回収することのできる緑の側面、どちらもかけがえのない強さを誇る。
そして最も注目するべきはその異常に強い効果をなぜか1枚のカードで、わずか4コストで両方担える汎用性の高さである。このカードの存在で、受けを強めれば後半のトップ対決が弱くなり、後半に強いフィニッシャーを増やせば受けが弱くなるジレンマを1枚で解決してしまった。
すなわち受けを担えるカードなのに試合後半で切り札を呼び出すのに使え、しかも4コストと軽いのでそのどちらの役割も十全に満たす。
文字通りいつ使っても強いカードで、メンチも白Nエクスもこのカードのために存在していると言って過言ではない。
特にメンチにおいてはわずか9マナで、バイオレンスフュージョンを彷彿とさせる必殺コンボを成立させる。旧来の白Nエクスは中盤を受けに回り10ターン稼ぐ必要がある試合も多かったが、メンチは逆に相手に時間制限を強いる。メンチ相手に盤面処理に回ってしまうとマナを貯められて鬼丸覇に走られるし、処理を諦めて殴ればスパークからカウンターが始まる。中途半端な刻みはホワグリから受けきられてしまう。
受けに回る側/トリガーをケアできない側だった白Nエクスが逆に受けに回らせる/トリガーを押し付ける側に回ったのは驚異的なことだ。
使い方のコツは、理由がない限り4ターン目にはプレイせず、8-9マナ以上貯まった後半でマナ回収を強く使う意識をすること、多色だからといって考えなしに2枚以上埋めないことだ。
この2点は共通して、ホワグリがマナのカードを手札に加える唯一無二のカードであることに起因する。
前者:ホワグリを後半に使うプレイについて。9マナでメンチを完成させるのみならず、8マナでホワグリ、永遠回収→次ターンに永遠、などマナ回収で次の動きを確定させることもある(むしろメンチ完成は"次の動き"の一種である)。そのため、後述の例外を除き、マナ回収を使いにくい4-5マナでプレイするよりは8-9マナ以上貯まってからプレイすると選択肢が広がり、よりよい手を選べる可能性が上がる。8マナためてホワグリ+吸い込むは最も多いパターンである。
4マナ時点で使うのは速攻対面と後手でブーストを引けていないときである。速攻相手は4コストで4000のクリーチャーが出てきて、かつアタックを停止させながら盾を増やしているという事象が刺さりすぎるので可能ならプレイする。ブーストを引けていないときや多色による手札濁りが次のターンにないときは、いわゆるテンポプレイでホワグリを唱える。ブーストを引けておらず手札を使えていない場合、何もしないよりは何かしたほうがマシという話だ。
後者:マナ埋めに気をつける、について。ホワグリがなければ四ツ牙などブーストで無作為に落ちたカードを回収することはできないことを考えると、ホワグリを置きすぎるとマナのカードを十全に使うことができず、特にババンを出した後の動きが弱くなる。ババンで必要なカードがほとんど落ちてしまうこともしばしばあるからだ。ホワグリがあればその状況でも保険が効くがこれをその前までに置きすぎていると困ることになる。なので、ホワグリの2枚目以降、特に3枚目以降は他に埋められるカードがないかをよく考えるべきだ。

(余談)
ここまで、吸い込むもマナに置かないほうがいいと言っているし、ホワグリもマナに置きすぎないほうがいいと言っている。後に書くリュウセイホールも極力マナに置かない方がいい。
じゃあ何を埋めるねん、という話になる。このマナ埋めはメンチの難しさの一つだ。手札がホワグリ-吸い込む-リュウセイホールみたいなシーンは頻発するし、ホワグリなどを抱えすぎたせいでNをキープできなかったり多色で濁ったりする試合もある。逆に多色処理でホワグリを置いてしまって後悔することもある。これは経験と練習で正解を考え続けるしかない。場面・対面・そこまでのマナ埋めなどによって正解が変わりすぎるし、包括的な理論がない。あったとして、言語化は不可能と言えるほど難しい。
負けた試合のリプレイを眺めたり、様々なマナ置きをたくさん試すことで正解に近付いていく。そもそも私ですら正解にたどり着けている自信はない。
このデッキは間違いをある程度許容してくれる強さのあるデッキなので、多少間違えながら突き進むべきだ。
一応、この3種の目安としては、

ホワグリ3枚目≧吸い込む2枚目>吸い込む1枚目=リュウセイホール1枚目≧ホワグリ2枚目

くらいの気持ちでいる。緑マナなどの兼ね合いもあり、目安でしかない。緑マナがなければリュウセイホールかホワグリを置くしかなくなるので上の不等式は成立しなくなる。あくまで目安である。

ヨーデルワイス

Nエクスに白を入れた最大の理由②。テキストからは一見想像できない強さが詰まっており、特にリソース札かつコンボパーツである四ツ牙が除去耐性を持つ恐ろしさは対面した人なら誰でも感じただろう。
このカードは少なくとも3枚は必要で、特に理由のない限り4枚入れるべきである。単純に強いから4枚入れるべき、という話ではあるが具体的に4枚入れる強みを説明する。
まず、ヨーデル+四ツ牙の後に出すヨーデルは呆れるほど強い。相手視点、四ツ牙1枚倒すのに除去を3枚使わなくてはならないばかりでなく、ヨーデル+四ツ牙の返しにヨーデルを倒したと思ったらカチコミがヨーデルとともにくっついてくるのだ。まずここでほぼメンチ完成を約束させてしまうし、ヨーデル+カチコミくらいは処理できたとして、四ツ牙にめちゃくちゃブーストを許してしまう。結局次のホワグリからメンチが完成してしまうのだ。
つまり、ヨーデル複数枚を使って四ツ牙を守り続けられるのがあまりに強いということだ。
また、ヨーデルはシンプルな打点にもなる上、除去耐性によって相手のトリガー条件を跳ね上がらせることもできるので、特にターボゼニス相手など中盤に殴り切るプランを取る際に大活躍する。より多く入れておくことで勝ち筋が広がるカードなのである。
アンタップインの白マナであることも含め、ヨーデルはそれ自身がヨーデルと最も相性の良いカードの一種なのである。できることなら4枚採用したい。

リュウセイホール

4枚必要
書いてあること全てが最強。4枚確定。

…このカードの説明はこれで本当に終わっているのでこれ以上書く必要がなく、実際詳しい記事は少ない。
本記事では具体的に解説する。
まず赤青緑の3色であること。デュエプレのマナの仕様上、この一枚を埋めるだけで色マナはあらかた揃う。すなわちリュウセイホールを1枚埋めさえすればリュウセイホールをはじめとした多くのカードが使用可能になる。
次に、カードの効果。
ハンターを主軸に置く本デッキでは全ての超次元クリーチャーから"選んで"出せる。このクリーチャーの中に、ドローとブーストを担うクリーチャーがいるので、"選ぶ"ことに大きな意味が生まれる。
そして本デッキにおいては出せるクリーチャーに制限がないのに3000以下破壊/1ドロー/1ブーストを"選ぶ"ことができる。
この"選ぶ"が本当に強力だ。通常、1枚の超次元呪文から出せるクリーチャーの種類はその呪文の色によって偏る。また、ドロー/ブーストのリソースカードはビートダウンの前に真価を発揮せず、逆に3000以下破壊など火力カードは一般にはコントロール相手に腐る。ところが、リュウセイホールは1枚のカードから全てを"選ぶ"ので、対面・状況で適したカードをプレイすることができる。これにより、場面に応じたカードを引いてくる必要もなくなり、苦手な対面のために特別なカードを積む必要が薄くなる。全てリュウセイホールから"選ぶ"ことで解決する。
例えばフェアリーホールを軸にしたデッキの場合、通常、ハンデスコントロールが辛いならエナジーホールを増やしてバゴパンを出せるようにする。ビートが辛いならボルシャックホールを増やして勝利ガイアールへのアクセス手段を増やす。こうすると、ビートに当たってエナジーホールがやや腐ったり、コントロール対面でボルシャックホールしか撃てないがそれではリソース問題が解決しないなど、採用カードの枚数や特徴により噛み合わなくなることは自然なことだ。
ところがリュウセイホールはそんなことをしなくてもよく、噛み合わなくなる心配もない。全て1枚で揃っている。1枚のカードがコントロール相手にもビート相手にも100%の力を出せる。どの対面にいつ引いても嬉しいカードなのだ。これは対面に依らずデッキ出力が安定すること、トップ解決力が高いことを意味する。
この選択の幅広さと腐りにくさ-究極のグッドスタッフが、リュウセイホールの強さであると私は認識する。
また、バゴパンなどドロー(青)のクリーチャーを出しながらブースト(緑)など、このカードにしか出来ないリソースの伸ばし方もできる。この異常な柔軟性は正に未来のカードと言える。
書くのを忘れていたがこのカードのコストは比較対象に上げたエナジーホールなどと同じ5。なんで?
デメリットと言えば、強いてあげれば多色である点、ハンターしか出せない点、小型をばらまけない点。しかし多色は先に述べた通りメリットのほうが強い。出せるクリーチャーが制限されていてハンターしか出せないといえどハンターは勝利セット、バゴパン、四ツ牙と他のデッキでも採用される汎用カードが揃っているのでほとんど問題ではない。小型をばらまけないのは他のホール呪文からすれば差別化点と言えるが、メンチ斬ルゾウが大型をばらまいて全て破壊し尽くす本デッキにおいては小型を並べられないことがデメリットにならない。
ここまで書いてようやく思い出したが本デッキのリュウセイホールはメンチ完成の重要なコンボパーツである。ただただ強いだけの汎用カードが、必殺のコンボパーツ。メンチというデッキの核といえばそうなのだが、書いていて呆れるくらい強いなあと再認識した。

リュウセイホールの正解についての記述を探しに来ている方向け

かなり大雑把に、とりあえず60点くらいの択を取るには
・勝利リュウセイor四ツ牙orバゴパンを、ブーストorドローで出す
出すクリーチャーに迷ったらとりあえず四ツ牙を出す
ドローorブーストは、手札1枚以下ならドロー、2枚以上ならブースト

でよい。この選択が正しいとは限らないが、迷ったらとりあえずこれを押しておけばゲームになる。先に言ったが60点は保証される。

次善手ではなく、最善の選択肢を取るべく考察する。
リュウセイホールは正解/不正解のうち正解を選ぶ;100点の選択肢を選ぶ、というよりは、より点数の高そうな選択を意識するべきだ。全ての選択肢に裏目があって正解がないことも多々あり、また、正解を選ぼうとすると他の裏目を見失ったりもする。カードゲームはきちんとプレイしようとする人々にとっては勝てば官軍の世界ではない。
リュウセイホールの選択には正解/不正解ではなく90点だったり70点だったり50点だったり、連続的な評価が適している。(整数に連続って言ってごめんなさい)
裏目を引いたときの損が少ない/筋を通したときの得が大きいなど、その場面の有利不利などで何が最も大切かを考え、よりよい選択を取る意識が肝要だ。


雑に状況を仮定するが例えば天門対面。こちらマナ6、手札はリュウセイホールを除いて0。相手の場にはコアクマンのみ、相手は5マナ、手札は3枚で公開情報はない。ここでトップでリュウセイホールを引いたとする。出すべき/プレイすべきは勝利リュウセイか?四ツ牙か?バゴパンか?/破壊か?ドローか?ブーストか?(あくまで例題なので状況の非現実さにはいったん目をつぶってほしい)
…こちらのマナにリュウセイホールがある場合、ブースト+四ツ牙ならいつかトップでホワグリを引けばリンクして勝てるかもしれない。しかしガガアルカが出てきたらどうする?
…バゴパンを出した場合、しばらくリソース確保に回ることになるが、相手にも猶予を与えてしまうことになる。
…勝利リュウセイを出してコアクマンを破壊すれば天門やガガアルカはとりあえず飛んでこないが、次の動きをどうする?

この場面に果たして正解は定義できるだろうか?より勝ち筋の広い選択肢を正解と定義しても良いが、その勝ち筋を厳密に計算することは果たしてできるだろうか?

私はリュウセイホールの選択に正解はないと思っているし、定義することも難しいと思う。ただ、正解はなくとも選択肢同士の間で揺れる優劣がある。経験的により受けの広そうな選択はいくつか取れるし、リュウセイホールの使い方で勝ちに近づけたり遠ざかったりする。
ここはかなり感覚的な部分で、たくさん試して色々なパターンを学ぶ他ない。リプレイを見返したり、そのリプレイでの選択についてTwitterで呟いてみて他の人と意見を交換したりすることは非常に有益だ。
上の例は、私なら四ツ牙+ブーストか、勝利リュウセイ+ブーストを選ぶ。
リソースが乏しいので破壊はしない、陰謀と計略の手で瓦解したくないのでドローはしない。よってブーストを選択するのはほぼ確定。
勝利リュウセイはマナ置きでガガアルカやブロッカーの有無を検討して、ありそう(ガガアルカや天門を撃たれそう)なら勝利リュウセイ、無さそうならバゴパンor四ツ牙。
この場面はかなり苦しいので、全部割り切って四ツ牙orバゴパンを出しそうではあるが、勝利リュウセイで時間を稼ぐのも強いと思う。除去がない⇒手札はハンデスやザビデモナ、ブロッカーばかりと考えるなら勝利リュウセイでしばらく縛り続けるのも強い。
勝利リュウセイを出さない場合、四ツ牙かバゴパンを出すことになるが、私は四ツ牙を出したいと考えた。四ツ牙を出すメリットはマナを貯めることでババンやNから勝ち筋をつかみやすいこと、バゴパンを出すメリットは2ターン生き残ったときに継続的に盤面を強化できること。私は打開策としてのメンチ完成を見据え、ハンデスをケアして四ツ牙を出したい。しかし、共著で調整仲間のポッターに聞いたら彼はバゴパンを出すと答えた。メンチ完成が少なくとも2ターン先なので、バゴパンのドローで手札を増やさないと勝ち得ないとのこと。

おそらく上の問は三者三様の答えがあると思うし、そのどれも大きな優劣はつかないだろう。そもそも、かなり近い思考を共有してメンチを調整した、まどろみ-ポッター間ですら意見が違うのだ。一様な正解はないと言える。
上の問に関しても、例えば勝利リュウセイはリソースが乏しいし、四ツ牙は勝ち筋に繋がるドローの受けが狭いし、バゴパンは勝ちまでに時間がかかる。総じて最も受けが広いのはおそらくバゴパン+ブーストになるが、鬼丸覇の受けやより勝ちに近い盤面を作れるのは四ツ牙だ。バゴパン+ブーストは80点、四ツ牙+ブーストは75点、勝利リュウセイ+ブーストは65点くらいだろうか。
マイナスの例を挙げる。当たり前だがカチコミ+破壊は何も話が進まないのでほぼ0点。プリンは、エイリアンを出してガガアルカをケアできはするが、その後どう勝つかを考えたときに四ツ牙などに劣るので、30点。勝利ガイアール+ドローのような選択は、手札0で出来る芸当ではない。コアクマンを破壊している場合ではない。30点。
※明確な採点基準はなく、目安

このように、やらないほうが良い選択肢はあるが、その先は分岐が細かすぎて優劣が大きくはつかないこともある。
結論として、迷ったときの安牌は「信用しているクリーチャー+ブーストorドロー」になるのではないかと考えている。私は勝利リュウセイで擬似的なエクストラターンを貰いながら次のドローを見てあれこれ組み立てるのが好きなので、迷ったら勝利リュウセイを信じることにしている。最近はチームメンバーの指摘もあり自分の勝利リュウセイ信仰が薄れ、冷静に四ツ牙などでリソースを取るようになってきたが、やはり勝利リュウセイを他の人より多くプレイしている自覚があるし、多少間違えていてもそれでいいと思っている。そこの5点10点の差より、自分の追いやすい勝ち筋を見ているかが大切だと思っている。
ただ、四ツ牙でブーストしないと勝ってない試合は多く、勝利リュウセイの方が強い場面を見極めるのは難しいので、一般的には四ツ牙を優先すべきだとも考えている。

以下、具体的な場面でのリュウセイホールの選択に対する個人的な見解を思いついた順に書き連ねてゆく。
・ババン入りの相手やメンチに対し、相手が7マナのときはババンやメンチ完成の要求を上げるために勝利リュウセイを出す。大地が入っているデッキ相手は6マナも警戒する。
・メンチミラーなどで先に超次元クリーチャーを出せる場合、まず勝利リュウセイを出して吸い込む以外の行動を縛り、その後にヨーデル+四ツ牙を出して生き残る確率を上げる。
リュウセイホールで四ツ牙を吸い込ませると、5マナからフェアリーライフ+吸い込むを許してしまい、先攻後攻が逆転してしまう。勝利リュウセイがダブルアクションを咎めることは覚えておくとよい。
・天門相手は四ツ牙+バゴパン+ヨーデルを理想として展開するが、先攻でブーストできた(=こちらがリュウセイホールを唱えるターンに相手が3マナ)なら勝利リュウセイで擬似エクストラターンを取る。
・ハンターや青黒速攻など溜められうるビート相手はバゴパンでドローすべきか勝利リュウセイで動きを止めに行くべきかを手札の枚数と質で判断する。ホール呪文などが続くならリュウセイ、続かないならバゴパン。
・ベジーズはゴーヤマの返しに4マナになったタイミングで勝利リュウセイを出すと展開を大きく阻害できる。後のオレドラゴンを見据えると、勝利ガイアールより先に立てるべきである。
・メンチミラー後手で除去引けてない場合は一旦すべてを諦めて四ツ牙ブーストする。
・次のターンに、四ツ牙のターン開始時ブーストを絡めて9マナになる場合、そうなるように四ツ牙を出す(マナが次の9に足りないならブースト、足りているならドロー)。相手の勝利リュウセイや多色濁りをケアしてブーストしたりもするのでややこしい。
・エイリアン対面は勝利ガイアール+破壊で盤面を取る→ヨーデル四ツ牙やリュウセイホール+バゴパンでリソースを稼ぐ動きを優先して行いたいが、相手のコアクマンが暴れたドローをした場合は全部諦めて初めから四ツ牙を出す。
・ターボゼニスやADライゾウなど細い手札で強いカードをぶつけてくるデッキ相手は勝利リュウセイが効きやすい。

全てを諦めて四ツ牙を出す、みたいな記述は、相手の動きに対応しきれないので妨害や除去を諦めて最速メンチリンクを目指す、ような意味合いである。
四ツ牙はメンチ完成という勝ち筋を太くしてくれるので、その意味でも優先すべきカードである。

また、メンチにおけるこのカードの最も強いモードは破壊だと私は考えている。本デッキにおいて相手のクリーチャーを除去する手段は少ないうえ、有効トリガー7-8枚はけして多くなく、場に残っている小型の1点は重い。
大地や進化をケアする意味でも、小型の破壊はかなり重く考えるべき選択肢だ。ディメンジョンの青銅を無視してブーストしたら大地ババンで詰まされた経験はないだろうか?ザビミラの種を残してしまったばかりにリーサルを許した経験もあるかもしれない。もちろんリソースを優先すべき場面も多いが、パワーやコストに関わらず打点になるこのゲームでは小型を侮ってはいけない。一寸の青銅にも五分の魂。

他にも無数に事例はあり、上の選択も高得点かは分からないが、参考になれば幸いである。

総括として、
「初めは決められた動きをしていればよい。
この決められた動きが場合によっては最善ではないと感じたら、都度様々な選択肢を検討し、より勝ちに繋がる一手を考えていく」

リュウセイホールの選択肢は本当に難しい。いきなり正解を選ぼうと悩むのではなく、とりあえずいろいろ試してみて、後でリプレイを見ながら分岐を検討していくのが良い。
例えば相手のメンチに覚醒されて負けたとき、早めに勝利リュウセイを出しておけば相手の動きを阻害してこちらが先にメンチや鬼丸覇にたどり着けていたターンがあったかもしれない。
手札が足りないからと言ってバゴパンを出したターン、マナのババンを確認して四ツ牙を出しておけば先にババンを出せていたかもしれない。
リュウセイホールの使い方はメンチの練度に大きく関わる。メンチを練習する上で最も楽しい部分でもある。

サイバーNワールド

3枚必要〜4枚で必要十分
主には手札を蓄えるカード(ドローソース)として採用しているが、様々な役割のあるカードである。
相手にも手札を与えてしまったりする癖のあるカードなので扱いが難しく、評価の分かれるカードである。

まず、そんなNワールドの強みと弱みを整理する。
強み
➀ドローソース:手札を5枚にしてくれるので、手札が少ないときに大きく手札の枚数を増やしてくれる 。
②自分の墓地リセット:超次元呪文やハンデスで落とされたカードを使い回す、デッキ切れによる負け(Library Out, LO)を防ぐ。特にコントロール相手などに有効な効果で、勝ちに繋がるカードをハンデスされてもNで山に戻して使えるようにすることができる。ドロー効果も合わせ、コントロール相手に非常に強い一枚と言える。
③相手の墓地リセット:MRCなど墓地を利用するデッキ相手への妨害となる。
④互いの手札のリセット:相手の手札が10枚あろうと全て山に戻してしまうので擬似的なハンデスになることがある。また、相手の温存したカードを山に戻して引き直させることもできる。
⑤打点:パワー6000Wブレイカーとそこそこ高いスタッツを持つのでドローのために何体も出したとして盤面で腐りにくい。

弱み
❶相手にも5枚引かせてしまう:相手の手札が少ない場合、相手の得になりうる
❷相手にもカードを使い回させてしまう
❸Nを出すとこちらの温存した手札も流れてしまい、Nの後に強い動きをできる保証がない

この弱み、特に弱み❶を痛手と考え、一方的なドローができるキラーメガネホールを代わりのドローソースとして採用する場合もある。
しかし、私はキラーメガネホールがNの代わりになっていないと考える。
理由はいくつかあるが、先にNの弱み❷、❸が大きな問題にならない-この弱みが原因で他のドローソースが優先されることは少ない理由を説明する。
❷:N後の手札弱くない?問題について。N後に引きたいリュウセイホールとヨーデルは、それまでによほどマナに置きすぎていなければ7割弱で手札に来る。これらをマナに置かないように工夫すれば更に確率は上がる。また、これらを引いていない場合、手札はブースト3-4枚+Nやその他クリーチャーかホワグリ、となるが、その場合でも、ブースト+Nまたはブースト連打+ババンor永遠or鬼丸覇、ブースト+ホワグリで次の動き回収、など何もできないわけではない。
本当に困るのは手札5枚がブーストかつ次のドローもブーストなどだが、手札5-6枚全てがブーストになる確率が非常に低いことは、いくら運が悪いと自称する人も流石にうなずけるだろう。
Nの後やたら困ることはそうそうない。
❸:相手にカードを使い回されることは、こちらも同様にカードを使い回せることからさほど問題になりにくい。セラフィナなどに呪文を使い回されるのは辛いが、Nは必ずしも出さなくてはならないカードではないので、❸が響く相手には四ツ牙バゴパンで努力することで解決する。

以上を踏まえた上でNとキラーメガネを比較すると、
・Nは出した瞬間に5ドローするが、キラーメガネホールはドロー枚数が不確定な上にバゴパンを除去されると手札が増えない
・コントロール相手は相手に手札を与える弱み❶よりこちらが手札を増やせる強み➀のほうが強い場合が多い-マナブーストからNを出してヨーデルorリュウセイホールから展開すればかなり勝つ、キラーメガネホールは相手にドローされながらバゴパンを除去されたら負ける
・自分の墓地リセットはゲームを長引かせるが、マナを貯めてホワグリから強い行動に繋げられる本デッキはロングゲームに強く、自分たちの得意な土俵に試合を持ち込むことができる
・墓地リセットなしだとMRCどないやねん
・キラーメガネにドローを任せるとガガアルカなどに呪文を止められたら詰むが、NならN→ババン→N+鬼丸覇などの勝ち筋を追える

確かに18弾環境後半はメンチミラーやシータなどNが腐りやすい対面が増えMRCなどNが輝く対面は減ってきた。それを差し引いても、単純なドローソース以上の意味を勝利リュウセイと手札の不確定ピーピング以外に持たず手札がすぐには増えないキラーメガネホールより、即座に手札を増やせ超次元呪文も使い回せるようになるNに軍配が上がると私は考えている。
強み②〜④はメンチというデッキに大きく噛み合っているのだ。キラーメガネホールは少なくともNの互換にはなっていない。
また、ババンを出すと山札が大きく削られるので、LOをケアする意味でもNは替えの効かないカードである。

ただ、シータ相手に大地で四ツ牙を処理されながらNを大地で引っ張り出されるとランデス+手札補充を同時に行われて苦しくなるし、ルドルフ2体が並んだらNを出すとジェニーループに入られるし、Nを採用するのが絶対的な正解ではないことを注意しておく。基本的にはNが優先されるが、対戦数の少ない大会など環境の読める場合はキラーメガネホールが強い日もある。手札ピーピングも馬鹿にならない効果である。

ホワイトフレア/DNAスパーク

3枚必要、4枚十分
メンチを特徴づけるカードであるところのスパーク枠。18弾ではスパークをケアできるデッキが少なく、特にNエクスやMRCに対してカウンターの役割を持つ。
いくら盤面を並べても返せてしまう受けの硬さとしてメンチがシータと差別化されている点でもあり、ホワグリ+スパークで詰みの盤面を作れたりすることを考えるとスパークは必要なカードである。
スパークの枚数はホワグリで埋められることを考えると少なくても良さそうに見える。
しかし単純に盾に埋まる確率を上げたり、ホワグリで埋めるためにまず手札に引いてこなくてはならなかったり、意外と多めに入れておかなければ威力を発揮しないカードであり、その役割を果たすには少なくとも3枚は入れるべきである。

同じ枠組みのホワイトフレア、DNAスパークを比較する。ガガコロリンについては採用候補カードの項で記す。
ホワイトフレアは赤マナにもなる点、除去トリガーとして腐りにくい点、手打ちが強い点が長所として挙げられる。一方DNAは白単色ゆえに5マナ時点のヨーデル召喚を助ける点、特に速攻相手に盾追加効果が強力な点が魅力である。
どちらを採用するかは完全に好みだが、一般には赤マナであることがリュウセイホールを唱えやすくするとして大きく評価され、ホワイトフレアが採用されるケースが多いように思うし、迷ったらホワイトフレアで良い。
ただ、私はDNAの全タップ+盾追加が永遠と合わせてカウンター性能を高めてくれる点―永遠を出して盤面を一掃すると、盾1枚+永遠を突破してリーサルに行く難易度は盾0枚と比較して跳ね上がる―、白単色としてヨーデルを埋めなくてよくなる点を評価してDNAを推している。色マナとの相談にもなるが、ホワイトフレアとDNAをそれぞれ少し役割の違うカードとして捉えてホワイトフレア2+DNA1としても悪くないだろう。

永遠のリュウセイ・カイザー

2枚が必要十分
純粋なパワーカードでありその強さとメンチとの相性の良さは枚挙に暇がない。効果を順に解説する。
まず、相手のクリーチャーをタップ状態で出させるという強力なロック効果。この効果は相手のスピードアタッカーを封殺するためメンチ完成やババンからの展開につなぐための時間稼ぎとして非常に相性が良い他、シールドトリガーのブロッカーを寝かせられるので詰めのターンにも使える。
また、タップして出るということは、相手はクリーチャーを出すたびにこちらのクリーチャーにトンカチされてしまうことを意味する。これにより、永遠+除去やスパークで盤面を完全に制圧することができるようになる。
またパワー8000は18弾環境において非常に高い。環境の同コスト帯クリーチャーおよそ全てを上回っており、最悪でも相討ちに持っていける。永遠にパワーで勝っているだけで評価できるほど、永遠の8000は強い。このパワーの高さにより、相手クリーチャーをタップで出させる効果は召喚ロック効果に近い強さになる。
タップして出るとはいえ複数展開されれば永遠一匹ではトンカチしきれない。しかし、複数展開は永遠対策にならない。なぜか?永遠は自軍のクリーチャー全てにSAを付与するので、永遠の次に出てきたクリーチャーが突然走り出してトンカチしてくるからだ。例えば永遠の返しにヨーデル+四ツ牙を出しても、永遠の横に出されたジャスミンが突然走り出してヨーデルをトンカチし、永遠が四ツ牙をトンカチするのでどちらも倒されてしまう。
また、このSA付与は攻めにも使える。永遠をだして2点→次ターンにヨーデル+四ツ牙を出すと、これらもSAになるので3打点→永遠でリーサル、というあり得ないブチギレリーサルが可能になる。
メンチがコンボ成立のみに傾倒せず、柔軟に勝ち筋を追えるデッキなのは永遠の存在が非常に大きい。ほぼすべての試合で出せば活躍が約束されていて、中盤の盤面の取り合い、カウンターを防ぐ詰め、打点による捲り、全ての要である。
そんな重要な役割を持つ永遠はなんと種族にハンターを持つのでメンチから出せる。メンチ完成からリーサルに行くターンに永遠を出せるのでカウンターを未然に防げ、さらに永遠をメンチで2体出せば相手はほぼ詰む。ひたすらに強いカードがたまたまハンターだったせいでメンチとの相性が爆発的に良くなっている。
そしてコスト8は少し重いように見えて、四ツ牙がブーストしてくれるので意外と出しやすい。
出しやすさで言えば、なぜか永遠は相手のハンデスに反応して場に出るので、タップされたクリーチャーを処理できるトリガーが少ないコントロールデッキ相手などはハンデスから出てきた永遠が殴っているだけで壊滅することもある。

赤単色マナとして優秀なことも加味し、総じて最強と呼んでいいカードではあるが、8マナ貯まるまで出せないカードであり、簡単な踏み倒し手段のない本デッキでは採用できる8マナ以上のカード枚数が限られてくる。後述のババンや鬼丸覇との兼ね合いも考え、3枚だとやや多く1枚では物足りない(永遠2面のロックを作りたい)ことから2枚が必要十分な枚数だと考える。もちろん3枚でも強い。

ババンバンバン

1枚必要、2枚で十分
それまで貯めたマナを倍にする効果を持ち、ババンを出したターンは何もできないものの次のターンからは増えたマナでやりたい放題できるようになる。
そしてこのマナ爆発は低速デッキの多い18弾環境の鍵である。グッドスタッフとしてのババン採用はメンチというデッキが引き起こしたパラダイムシフトの1つであり、特に対コントロール・同型において一方的にマナを爆発させて対処不可能な盤面を作ることが可能になった。

なぜ低速デッキが多いとババンが強いか?
ババンは召喚するために重いコストを支払うので、ババンを出したターンは何もできない。したがって、速いデッキつまりビートダウン相手にババンを出すと、そこで明け渡した1ターンで殴りきられて負けてしまうのだ。
ゆえにババンは速いデッキばかりの環境では役に立たないが、逆にババンを出した次のターンが返ってくるならば最強のカードだ。16マナから18マナあればカードを複数枚プレイすることができ、9〜10マナしかない相手の2アクションにこちらの3アクションで返せるので毎ターンアドバンテージを稼げる。16マナあればNを出しても10マナ余るからやりたい放題であり、そもそも16マナあればメンチにおいては1ターンでメンチ完成させて殴りきればよい。
ババンを出してターンが返ってくればだいたい勝つことはわかった。しかし問題としてババンを出せるのかということ、どうやって次のターンを保証するかということが挙げられる。
これらの問題は、前者はババンのマナ爆誕によって、後者はホワグリとスパークによって解決される。
ババンはマナ爆誕という所定コストを支払うことでマナから召喚できる特性を持っており、しかもマナから召喚する際のコストは本体とほぼ変わらない9。手札に引けなくとも無作為なマナブーストのうちどこかでマナに落ちてさえくれれば召喚できるので、ババンは想像より遥かに出しやすい。
しかしマナにババンが落ちていれば相手はババン召喚を警戒して、ババンを出される前に勝とうと殴ってくるかもしれない。そこでホワグリが役に立つ。雑なビートダウンはトリガーやホワグリによって返すことができるので、ババン警戒の動きからカウンターして盤面を取り返すことができる。また、劣勢からでも、盾にスパークがあることを祈ってババンを出し、盾のスパークからカウンターを決めることができる。1-2枚のトリガーでは返せていない状況を、ババンを出すことでスパーク1枚から勝ちに繋げられると思えば大したものだ。
すなわち、相手はババン召喚を許容するか、カウンターされないことを祈って殴りにいくかの二択を迫られる。ババンの存在だけで大きく勝ちに近づくことが出来るのだ。ババンを出せばおおよそ8マナ→16マナになり、次にN+鬼丸覇が出来る。これは特にコントロール相手に、マナから出てくる故にハンデスの効かないババンから、ハンデスや盤面コントロールでは不可避のリーサルを叩きつけられることを意味する。

まとめると、出せれば勝ちのクリーチャーがマナから出てくるのでやたら出しやすく、勝率を大きく上げてくれるカードである、と言える。
地味にパワーが9000もあり、永遠をトンカチできるのでスタッツという観点でも優秀である。

鬼丸覇

1枚必要、2枚で十分
Tブレイカーかつスピードアタッカーかつ一定確率で追加ターン獲得、すなわち鬼丸覇と任意の殴れるクリーチャー横1体で無理やりリーサルに行ける、すさまじいパワーカードである。
鬼丸覇でないと解決できない場面が一定数存在するので入れておくのと入れないのでは対応できる範囲が大きく変わる。ババン同様、入っていることに意味があるカードである。
ハンターであることからメンチから出せ、腐る場面も少ない。それも含め、1枚入れる意味のあるカードである。
注意すべきはそのエクストラターン獲得の確率である。ガチンコジャッジ勝率を計算すると、よほど高コストで固められたデッキ以外には6割前後でエクストラターンを取れる。ガチンコジャッジがアタックによって誘発することを考えると、鬼丸覇の単騎突撃は6割で試合に勝ち、4割で試合に負ける(盾をむやみにブレイクして相手に得させてしまう)カードと言える。
これは、鬼丸覇は勝率を6割に固定するカード、と解釈することができる。まともに戦ったときの勝率が6割より低いと思われる場合は勝率を上げているが、だいたい勝っている場面で無策に鬼丸覇が走り出せば逆に勝率を下げてしまいかねない。

以上を踏まえ、鬼丸覇を使う上で気をつけるべき点をいくつか
まず、可能ならエクストラターンを取れずともリーサルに行けるようにすること。こうすれば、たとえジャスキルであっても、負けになるのはジャッジ敗北かつトリガー1枚となり、およそ30%で負け=70%で勝ちになる。打点をもう少し並べれば更に勝率は上がる。
そして、メンチから出す際は鬼丸覇から殴るべきかを吟味すること。永遠を同時に出せた場合、デスゲート以外に永遠を取る手段のないデッキ相手は永遠をまずタップすることが大切になるので、運勝負でエクストラターンを取るよりも永遠を確実に生き残らせることを優先すべき場合がある。また、オレドラゴンで盤面を取り切りさえすればエクストラターンに依らず勝てるのであれば、当然むやみなガチンコジャッジを仕掛ける理由はない。
鬼丸覇でガチンコジャッジを仕掛けて勝つのがデュエプレ最高の瞬間であることは認めるが、冷静に勝ち筋を探し詰めるべきである。

採用候補カード解説

ライフプランチャージャー、クルメルなど4コストのブースト
1枚もいれるべきではない
5マナ時点の動きを重視する本デッキにおいては3ターン目までにブーストできるかが何よりも重要であり、その効果の強さを加味しても採用は控えるべきカードである。

ウルコス、青銅の鎧
互換枠
3のブーストで打点が残るのが優秀で、殴り切るプランを取る時に重宝する。メンチ展開の邪魔になりがちなので入れない方が良いとされているが、ターボゼニスなど早期に殴りきらなければならないデッキが環境に台頭してきたらブースト枠は打点になる彼らに枠を譲ることになるだろう。
大地やエクス、その他ビートダウン系カードとの相性が良く、考えなしに不採用としていいカードではない。
またウルコスに関しては白マナの役割があり、ヨーデルワイスの安定した着地を助ける意味でも採用される場合がある。これは筋が通っていて、白マナの枚数を気にするなら1枚程度ウルコスを採用してもよい。ただ、私はヨーデルワイスのためには白マナの枚数を確保するより白の単色マナを入れたほうが安定すると思っているので、スパーク枠をホワイトフレアからDNAに変え、不足した赤マナを声援で補う(ウルコスの枠を声援にする)ようにすると思う。

エターナルガード
1枚も入れるべきでない
天門のブロッカーや永遠悠久を返せるカード。確かに便利なカードではあるが、別になくとも天門には勝てるし、永遠や悠久をどかせるとはいえ4マナを払って手札も失っていてはどかしたところで勝ちにつながるかは怪しい。総じて、強みを評価して採用するのは構わないが、迷ったら採用しないほうが良いカードである。

ガガコロリン
互換枠
スパークの枠。白単色である点、永遠や悠久を対策できる点、クリーチャーかつエイリアンなためにガガアルカの単機特攻に対する回答となるトリガーである点が強い。18弾中盤では永遠などの対策にエターナルガードを採用するケースがあったが、ガガコロリンは2面止められるトリガーという汎用性を保ったままにガードの役割を半分満たせる。
鬼丸覇の突撃にも耐えることができ、トリガーで永遠を返せるのでカウンター性能も高い。個人的には1-2枚採用したいカードだが、スパークの汎用性に優るかは環境次第。
エイリアンやミラーが多いならガガコロリンが強い。

ガガアルカ
2枚で十分
ゴクドラゴンカップ終盤で刺さっていたカード。メンチやシータはガガアルカさえ出せばトリガーのすべてを封じられるので、ガガコロリンをメンチに採用する変わり者以外には安全にリーサルに突っ込める。
また10マナでホワグリプリン→マナのガガアルカを回収して進化即攻撃することが出来るため、エクスを絡めて予測不可能なリーサルを突きつけることが可能。果てはホワグリでガガアルカ回収しながらカチコミ出し→メンチ完成時にエクス+プリン→起きたマナでガガアルカ乗っけてリーサル、という奇跡のトリガーケアができる。これは意外と決まる上、オレドラゴンで相手のエイリアンを除去しながら突き進めるのでガガアルカが通りやすい。
ただ進化クリーチャーであることと吸い込むで拾ったときバウンスが出来ないのがネックなので、採用確定というほどではない。ミラーが増えたりエイリアン(デッキタイプではなくクリーチャー一般)が環境から減ったときに使用するべきカード。

ボルバルザークエクス
入れるなら2-3枚
メンチ、というデッキタイプの確立とともに抜けたカードだが、Nエクスの気持ちを思い出せば採用候補に入らないわけがない。
エクスを採用する利点のうち最も大きいのは打点の即時形成による突然のリーサル。特にババンが蔓延る環境では相手にババンを出す隙を与えないために早めに殴らなければならない場面がしばしば発生するが、エクスはこれを安定させてくれる。殴らずにコンボを狙うババン系やターボゼニスなど遅い相手に天誅を浴びせることができるため、メンチ完成への包囲網が強まった環境で重宝する。
色マナとしての優秀さもあり、当然10ターン目以降は奇跡を起こしてくれるカードである。しかしメンチから出して強い場面が少なかったり、メンチ完成に一切寄与しなかったりと3枚以上入れるのは怪しいカード。中速ビートダウンが好きな人は3枚、環境を見て殴るプランを取れるようになりたいなら2枚、メンチ完成を重く見る人は0枚の採用とすべき。

悠久
入れるなら2枚
構築経緯でも触れたがこちらでも解説する。
超次元や踏み倒し全般のメタになり、SA2打点も強く種族も優秀なカードだが僕とポッターの評価はあまり高くない。その理由は、悠久は次のターンの行動がある場合のみ強いカードで、単体では完結していない、ということだ。例えば悠久を出したターンに手札が0になってしまえば相手にマナチャージ→鬼丸覇の筋を作られてしまう。永遠は相手の召喚全般に作用し、SAによるリーサルを回避しながら逆に自軍SAによるリーサルを突きつけられる。しかし悠久はヨーデル+四ツ牙を止められないし、ブーストからNを出されてものほほんとしている。悠久が棒立ちしているだけではある程度の盤面を作られてリーサルに来られてしまうのだ。
ただ、悠久の次に引いて良いカードの種類は多いし、出される側としては悠久の棒立ちが普通にしんどいので、僕は採用に消極的だがテンプレにこのカードが2枚入っていることに違和感や意義はない。

ゼニス、特にローゼスとウェディング
出せれば強い、出せなければ色マナを失う分弱い。しかしババン→16マナでホワグリ+ゼニスができるため意外と出せる。
色マナを減らして切り札を増やす。これはすなわち安定性を落としてデッキパワーを上げることであり、どちらを優先するかは環境におけるメンチの立ち位置の良さ次第である。メンチが玉座に座っている―メンチの動きを通せればほぼすべての相手に勝てる勝ち組である―ならば安定を取るべきだが、メンチが環境で警戒され厳しくマークされるならもはや安定を取っている場合ではなくなり、多少の事故を覚悟でデッキパワーを上げるべきである。後者の場合に真っ先に検討されるのがゼニスの採用である。

各対面の相性とプレイング解説

 執筆:pottar
 ここからは、環境にいる主要な対面を挙げつつ、先攻後攻にわけてどのようなプレイングをとるべきか、チームで調整した結論を記すものとする。なお、相性関係については製作者であるまどろみも述べていた通り、有利対面も不利対面もないというのが正直なところであり、プレイングや個々人の練度、使う人の得意不得意、構築によって勝率がかなり左右される。よって、ここで挙げる各対面の相性はあくまでもpottar個人の主観によるものであり、ここで挙げた結果その限りになるものではないことを追記しておく。


天門相手 微有利(50~70%)


 何故この相性関係になるのか
 →天門というデッキの性質上、6マナがたまるまでビッグアクションをとることが出来ず、そのうえで3枚、後続まで含めると4枚のハンドキープが必要になる。つまり、こちらの動きに対して当てられる妨害の枚数が少なく、リソース差をつけることも容易である。
 また、こちらのリソース源であるサイバー・N・ワールドが相手の手札も流す関係上、そのハンドキープも難しく、天門側のプレイ難度が著しく上昇しているのに対し、メンチ側はマナと手札を着実に増やす動きをしていれば自然とメンチ覚醒が狙えるため、構造上微有利以上がつくだろうと判断した。
 基本的なプレイング方針
 ・先攻の場合
  4ターン目までに1ブースト
→リュウセイホールから勝利のリュウセイカイザー着地(ドローを選択)
orヨーデル四つ牙
→5ターン目Nワールド着地
の動きを挟んだあとメンチ覚醒を狙う。Nの次のターンにヨーデルをプレイすることが出来れば、その時点でこちらのマナが7に達しているため次のターンのメンチ覚醒をちらつかせることができ、相手に大きなプレッシャーを与えることができる。天門相手に先攻をとった場合、上記のどれも4ターン目までに引けない場合を除き、プレイを間違えない限りかなりの勝率が期待できる。また、相手の手札に有効な除去札がないと判断できたときにはバゴパンを展開することも視野にいれておく必要がある。
 先攻の場合、よくハンデスをケアして2ターン目のブーストを見送るプレイが散見されるが、このデッキの性質上、脳死で打たない選択をせず、手札状況によってその都度プレイ選択を行う必要がある。例えば、先攻2ターン目にブースト札を2枚、5コストのキーパーツを1枚持っていたとする。この場合は、2ブーストを打った場合次のハンデスでキーカードが抜かれる確率が33%、打たなかった場合にキーパーツが抜かれる確率が25%なので、打たない方がよりゲームを優位に進められる可能性が高まる。しかし、先攻2ターン目にブースト札を1枚しか持っていない場合はその限りではない。このデッキは3ターン目までに1ブーストを行って初めて真価を発揮する。そのため、この場合はブースト札もハンデスのあたり札となり、打った場合のキーパーツが抜かれる確率が33%、打たなかった場合の確率が50%と、打った場合の方がゲームを優位に進められる可能性が高くなる。どのデッキでもこの考え方が通用するとは限らないが、少なくともメンチを回す上では2ターン目のブーストを打つか打たないか、一考の余地があることを覚えておいてほしい。
・後攻の場合
 これと言って決まった動きが存在するわけではないが、勝利のリュウセイカイザーやNワールドでリソース管理と遅延を行いながら、13~17マナに到達させてメンチ覚醒を狙う。悠久採用型なら悠久でビートするのも1つの勝ち筋である。ババン・バン・バンが絡めばイージーウィンが狙えるが、絡まない場合は盤面に四つ牙と勝利のリュウセイカイザーをいかに維持し続けるかが重要になる。天門というデッキの性質上手札以外のリソースを稼ぐ手段に乏しいため、マナを伸ばしつつ、相手の手札補充の後にNワールドを投げることを心がけたい。天門に対して対処できるよう、出来るならドンドン吸い込むナウを2枚キープすることも検討すべきである。ファンクが入っている構築相手の場合は、吸い込むをファンクに当てる場合、すぐに打つのではなく、マナを伸ばしてから吸い込むの後にアクションが取れるようになってから打つことを心がけると勝率が少し改善されることも覚えておくと良い。
 また、先攻後攻問わずではあるが、悠久不採用型の場合、道中で出した勝利のリュウセイカイザーで2枚先に盾を詰めておくと勝率が大きく変化する場合があることを補足する。一見すると天門を踏むことが大きな裏目として存在するためにありえないプレイに思えるが、実際にはこれはこちらにとって分のいい勝負となる。天門が盾に1枚以上埋まっている確率が約43%、更にそこから埋まっている1枚を5枚の中から踏む確率と、手札に有効なブロッカーが存在する確率を総合的に判断すると、天門を踏んで負けるという裏目が起こる確率はかなり低い。むしろ、その2点でデスゲートやザビデモナを先に踏んでおくことで、メンチや覇で詰めるときにリーサルを通せる可能性が格段に上がり、裏目の小ささの割にリターンは大きい。もちろんメンチが覚醒できる手札である場合や、元々有利な状況が作れている場合は無理して盾を詰める必要はないが、現状の手札で勝ち目が薄い場合や覇で詰めることを視野に入れたい場合、不利な状況が続きそうな場合など、状況に応じて盾を少し刻んでおくプランがあるということを知っておくと、苦しい盤面を打開するきっかけを作れるかもしれない。

メンチミラー


 相手のハンドを推測し、適切なタイミングで除去と展開を使い分けることが必要な対面である。ミラーは先攻有利となるケースが多いが、プレイングや手札次第でいくらでも後手捲りを行うチャンスが生まれる対面であり、マナ置きや除去の切り方一つで有利不利が目まぐるしく入れ替わる。そのため、ミラーで勝ち越すためにはかなりの練度が必要であり、またいかにメンチというデッキの性質を本質的に捉えられているかが重要になる対面である。
 基本的には先攻の方がプレイの選択肢が広く、後攻よりも楽に戦えるが油断は禁物である。基本的なプレイは割愛し、ここでは試合の分岐点となりうる場面について議論を行う。
 Q.先攻5マナヨーデル四つ牙の後の動きとして1番強いのは?
 A.ヨーデル生存なら追いヨーデル、ヨーデル死亡かつ相手盤面に四つ牙などのサイキックなら除去からその次のターンのヨーデル展開、ヨーデル死亡かつ相手盤面が弱いならバゴパン展開
これは詳しい状況に触れられているわけではないので等しく正解となる択ではないが、迷ったときにはこれを参考にすると良いだろう。なぜこのプレイが良いと判断したかを次に記す。
ヨーデルが生存している場合、相手がヨーデルから出てきたカチコミを処理することが実質的に不可能な場面が多く、リュウセイホールをキープすることでメンチ覚醒をほぼ確約することができる。よって、追いヨーデルという行動は肯定される。しかし何らかの方法でヨーデルが処理されている場合、ヨーデルから出したカチコミはリュウセイホールの破壊+勝利のガイアールカイザーで処理されてしまう。その後の行動が続くのならそれでも良いが、相手の元々処理を行うために使うためのリュウセイホールと、勝ちに大きく繋げる可能性のあるヨーデルとの交換は基本的に先手側が損だと見ていいだろう。このヨーデルは、相手の盤面に処理したいクリーチャーがいるならそれを処理した後、いなければリソースを伸ばした後、こちらの処理されるであろう四つ牙を再度展開するために使いたい。こうすることで、相手に要求する除去札の枚数を3枚から4枚に増やすことができ、相手の行動を縛る意味でも勝ちを大きく引き寄せるプレイである。
Q.Nワールドはミラーにおいてどのように使うのが強いか?
A.先攻2→4→6の動き、4ターン目ヨーデルの次の動きとして活用するのが良い。
 ミラーにおいてマナ置きを真っ先に検討される青マナはおそらくこのカードだが、このカードが有用な場面はそう少なくはない。このデッキにおいて、7マナある状態で四つ牙を生き残らせることが最重要事項だが、その次に重要なのは手札に必要なパーツを適切なタイミングでキープすることである。その最たる重要パーツはホワイトグリーンホールであるが、このカードは色マナの関係上初手に埋めることも少なくなく、それ以降ホワグリが引けないという事象が起こることもしばしばある。Nワールドは先攻の手札キープの難しさを一気に軽減できるカードであり、ヨーデルへの繋ぎとして重要な役割を担っている。先攻2→4→6Nの動きは本家Nエクスよりもヨーデルの存在によってバリューが高いと考えることもでき、ホール呪文やヨーデルが引けていない場合のビッグアクションとして無類の強さを誇っている。また、ヨーデル展開後にNを出すと、必要なパーツを一気に揃えられる可能性もあり、ブーストの枚数分アドバンテージも稼げている。相手の手札も増やしてしまう恐れがあり、使う場面を選ぶカードではあるが、状況に応じて使用することで、一気に勝ちを引き寄せることも狙える。青マナ確保のさいには、是非Nワールドと吸い込む、どちらの方がその試合においてより有用であるかを精査してみてほしい。
 Q.後攻の場合、どのような方向性でプレイ選択をすればより勝ちやすい?
 A.先攻後攻を入れ替えられる動き、また処理をし続けることで相手のリソースを枯らす動きを意識してプレイする。
 メンチミラーの際に勝ちを手繰り寄せるために重要な点の一つとして、リソース管理が挙げられる。先攻有利に近いことは間違いないが、後攻の方が単純に手札が一枚多いため、適切なプレイを続けることで捲ることはそこまで難しくはない。これは、手札キープをしながら戦わなければいけないにも関わらず、手札を盤面とマナリソースに変換するためにそもそもキープ出来る手札の枚数が少なくなりやすいことで起こる現象である。つまり、勝つためには1枚1枚のカードを「勝つために」使う必要があり、無駄に手札を消費することが負けに直結するのである。となると、相手のカードを「負けないために」使わせることが、ミラーを制するポイントであると言い換えることができるだろう。具体的に言えば、自分がヨーデル展開をしていたにも関わらず、メンチ覚醒に手間取っている間に盤面が処理され、相手に四つ牙を展開されたせいで少ない除去札を使うしかなくなり、手札が枯渇して負ける、といった感じである。メンチを完成させるためのハンドキープを行うと、その後処理に回ったときに対応しきれなくなる恐れがあるのである。これが先攻後攻を入れ替えるという発想であり、相手の手札に腐り札を増やすことを目的としている。また、愚直に処理を当て続け、リソースを枯らすのも有効である。
 具体的にどのようなプレイがあるのか見ていく。
1.      2→4→6でリュウセイホール ブースト四つ牙
 これは、7マナ域で四つ牙が生き残ることが勝ちに大きく繋がるメンチにおいて、相手に除去要求を押し付けることのできる行動である。これをすれば勝つというわけではないが、除去がない場合にはリュウセイホールをメンチ覚醒のためでなく、勝利のリュウセイカイザーを展開し妨害のためにやむなく使うしかない、という状況を作ることもでき、先攻側の要求値をあげることで勝ちを狙う動きとして優秀である。
2.       相手のヨーデルをリュウセイホールで破壊、バゴパン展開
 これは、完全に除去に回り、相手のリソースを枯らそうとする動きである。バゴパンに除去を当てられると苦しいが、丁寧に盤面を処理し続け、カウンターを狙う姿勢を見せることが重要である。後攻である以上、多少リスクのあるプレイでも積極的にとる必要があると考える。バゴパンが残った時に取れるアドバンテージが大きく、後手ながら主導権を握れる可能性があるため、四つ牙、リュウセイとともに第3の選択肢として常に頭の隅に置いておくといいだろう。
 Q.先攻は何回ブースト札を切るべき?
 A.基本的に1枚、3枚打てる場合のみ全て打つことを検討する
 前述したとおり、先攻は後攻よりも手札が一枚少なく、後攻側はそのハンドキープの難しさを上手く突くことで形勢逆転をねらう。逆に言えば、先攻側はなるべく無駄な動きを取らず、最低限の強い動きを通して1枚でも強いハンドを作ることを考えるべきである。その観点で言えば、先攻で2枚ブースト札を切った場合、ビッグアクションのターンのマナは6であり、ヨーデル四つ牙をプレイしても次のターンの勝ちにつながらない。四つ牙で毎ターンマナを増やすことができ、このデッキの到達したいマナが9である以上、2枚目のブーストは過剰であることがわかる。ならば、2枚目のブーストはそのまま埋めるもしくは色を埋めるためにノーチャージで打つことで、一枚多く強いカードをキープすることが望ましいと言える。逆に、3枚ブーストを打てた場合、次にヨーデル四つ牙をプレイすることが相手への実質的な死刑宣告となり、対応を強要させることができるため、3枚打てる時は積極的にブーストして良い。

ディメンジョン 微不利(40〜50%)


何故この相性になるのか
先攻を取られたときの4ターン目リュウセイホールなど、ワンテンポ稼ぐ動きのバリューがメンチよりも高く、7マナ下で盤面のクリーチャーを母なる大地でマナのババン・バン・バンに変換するなど、メンチよりもワンテンポ早くビッグアクションを起こすことが出来る相手である。相手の理想ムーブが決まれば巻き返すのは容易ではない。ババンを挟まなくても、細かく除去を当てられると苦しいゲーム展開になることが多いため、少なくとも有利を取ることはないと判断した。しかし、これはあくまでも相手が順当に動き続けた場合の話であり、ババン側が一度ブーストできないターンがあったり、メンチ側が先攻をとったりした場合には速度勝負でこちらに軍配が上がる。ボルシャック・スーパーヒーローの採用枚数によってはそれでも厳しいが、対面理解と適切なプレイを心がけることで勝率を改善できる対面である。
 ・先攻の場合
 相手側の奇数マナのビッグアクションを牽制しながらメンチ覚醒or永遠の先出しをねらう。相手の5マナ時にはリュウセイホール、7マナ時には大地で盤面をマナに→マナのババン展開、9マナ時にはマナ爆誕でババン展開と、奇数マナになるターンに戦況を大きく変える動きが行われることが多い。6マナ時のNワールド、8マナ時の永遠や手札からのババン着地もそれに準ずるが、これらは吸い込むを抱えていたり、盤面でメンチ覚醒をちらつかせることで牽制できることが多い。先攻であるアドバンテージを活かし、相手を後手後手に回らせることを意識するといい。奇数マナの行動を縛る方法としては、5マナリュウセイホールには吸い込むキープor先ヨーデル展開or先勝利リュウセイ展開がある。7マナ大地は盤面の小型を除去しておくことで対処できる。自分の盤面のサイキックに大地を当てられジャスミンやNワールドに変換されるのも出来れば避けたいので、マナ置きでケアできそうならば意識して大地で引っ張り出されたくないカードはマナに置かないプレイも心がけると良いだろう。9マナババン着地は勝利リュウセイでマナを縛るか、着地する次の自分のターンに勝てるよう盤面を整えておくことで対応に回らせることが大事である。
 また、この対面も早い段階から盾を刻むプレイを検討する必要がある。いくら先攻であったとしても、ボルシャック・スーパーヒーローが採用されている場合や、除去札をたまたま大量に抱えられている場合などに、こちらの動きがもたつき、相手の方が先に動きを通せる盤面になることもある。そういったときには、いち早くマナを伸ばしながら盾を詰め、鬼丸覇や永遠のリュウセイカイザーでメンチに頼らないリーサルを組むことも必要になる。このプランを取る場合は、相手のトリガー大地をケアできるか、また何枚までトリガーを踏んでも良いかを意識しながらプレイ選択を行うと良い。殴るべきだと判断した場面でどこまで詰めるかの判断が難しい場合には、基本的に次のターンにジャスキル+1打点を形成できる盾の枚数まで詰めると上手くいくことが多い。なぜこの場面は殴らなければならないのか、逆になぜ殴ってはいけないのか、常々言語化することを心掛けると、他のデッキを握ることになった際にも殴る感覚が掴みやすいだろう。
 ・後攻の場合
 基本的に相手の理想ムーブが決まればこちらは速度的に追いつけないため、正直、「ブースト引くな!」と祈るしかない。しかし、相手のババンがない、永遠がない、リュウセイホールがないなど、一つでも動きに甘い部分が出ると、こちら側にもつけ入る隙が出来る。基本的には先攻の場合で記載したプレイと同じだが、こちらが後攻の場合は相手の手札が1枚少ない分動きの要求値が上がっている。そのため、ある程度の強い動きやスーパーヒーローは割り切り、メンチ覚醒や盤面に打点を揃え切ってからのリーサルをねらうことの方が多い。後攻の場合の殴るプランは相手の方が先に行動できる都合上裏目が増えていることが多いので、慎重に検討するべきである。

シータNエクス 微不利(40〜50%)


何故この相性になるのか
 メンチがシータ+白の4色で構成されており、色マナが最低限必要な分しか保証されていないのに対し、純粋なシータはプランがエクスを絡めて殴りきることや鬼丸覇を絡めて追加ターンを取って殴りきる、永遠龍で蓋をして展開するなど着地点に必要なカードの枚数がメンチ側より少なく、色の少なさから再現性も少しだけ高い。メンチというデッキの特性上適切なタイミングで盾を詰められた場合の判断が難しく、リソースを抱えて殴るデッキに対して苦しい勝負を強いられることは多いと言えるだろう。これは後述するドングリ対面や青黒リバイバー含むビート対面でも当てはまる。しかし、Nエクスはリソース管理をバゴパンとNに頼っていることが多いため、除去を適切に撃ったり、Nを投げづらい盤面を作ることで、四つ牙を盤面に維持したままリソース勝負を行うことができ、相性関係は微有利まで好転させることができる。それなりの手札要求値だが、他の不利対面よりは勝率を改善しやすい対面だと判断し、微不利だとした。
・先攻の場合
 スーパーヒーローがシータ側に採用されていない場合はメンチ側が一方的にヨーデルやリュウセイホールからの展開を押し付けることができるため、シータ側がリソースを稼ぐターンを作れず、一方的な試合展開を作ることができる。相手の永遠龍と悠久、バゴパンに当てるための除去を残しつつ、自分の展開を押し付けていけば自然と勝ちにつながるだろう。ただし、シータ側のマナが8を超え始めると注意が必要で、覇で一気に詰め切られないように細かな盤面除去を当てておいて打点を減らしておくと良いだろう。メンチ側は、吸い込む+ホワグリ+リュウセイホールで相手のシステムクリーチャーを除去しながらメンチ覚醒までできる13マナを目指せると理想である。
 問題はシータ側にスーパーヒーローが採用されている場合である。この場合は大地でスーパーヒーローの登場時能力を使い回すことで一気にメンチ側の盤面を除去することができるため、苦しい戦いを強いられる。そのため、盤面で圧をかけるのではなく、メンチ側はババンを9マナで着地させ、18マナを生み出すことでマナによる圧をかけることを心がけるといい。先攻の場合なら、マナが伸びる速度がシータとほぼ同じなため先にババンを着地させることができる。またこのプランを取る場合、ヨーデルやリュウセイホールのようなメンチ覚醒に必要なパーツは最低限の使用に留め、相手に除去を打ってもらっている間にマナを伸ばすことを意識すると良いだろう。例えば、手札にヨーデル、ホワグリ、リュウセイホールの全てを抱えており、マナにババンが落ちている状況なら、一旦リュウセイホールから打ち、勝利リュウセイを出すことで相手のマナ加速を阻害したり、四つ牙+ブーストで1枚多くマナを伸ばしたりするなど、相手に除去を当てられると仮定した時に最もアドバンテージが取れる択を取れるようになるといいだろう。ここで言いたいのは、ヨーデルとリュウセイホールではリュウセイホールを優先して打つ場合があるということである。ヨーデルの方が除去耐性があり盤面にサイキックを残しやすい場合が多く、どの場面でも1番アドバンテージが取れる選択に思えるが、リュウセイホールの1ドローや1ブーストの方が盤面圧よりも価値が高い場面があるということを知っておくと、他の対面でも柔軟なプレイができるようになる。
・後攻の場合
 基本的には同速のため先攻の時とは逆に苦しい展開になることが多い。相手のマナが伸びた状態で丁寧に盤面を除去されるだけで相手の大型が間に合ってしまう。そのため、後攻の場合には4マナ時のホワグリのテンポプレイを意識して行う必要があると考える。相手にホワグリから出てきたサイキックを除去させ、先攻後攻を入れ替えることが主な目的である。このプレイを取るときに重要なのは、あくまでもメンチの覚醒を狙うのか、最初からオレドラゴンのリンクを狙うのかの方向性を立てたプレイングをとることである。例えば、ホワグリを打ってカチコミを出した返しのターンに相手にリュウセイホールを除去モードで使われた場合展開が苦しくなると判断できるなら、ここで出すサイキックはカチコミよりもプリンプリンが望ましい。逆に次のターンにNが飛んできそうならカチコミを出しておくとより大きな盤面圧をかけることができる。序盤の動きだけから相手の手札を推察することは難しいが、何をどうプレイされると不利な展開になるか、またどの展開をしてもらえれば戦える盤面を構築できるかを考え、3ターン目くらいから最終的な勝ちのプランを練り切っておけると良いだろう。

アナカラーザビミラ相手 五分〜微有利(50〜60%)


何故この相性になるのか
 世間一般的にはアナカラー側の方が有利だとされていることが多いが、自分たちはそうは言い切れないと思う。世間のこの主張はファンクの存在とババンの多投という構造上の有利判断から来るものだと思われる。しかし、メンチ側の殴るプレイの存在や、黒の枚数が6〜7枚より多く取ることがデッキ構築上難しいためにファンク着地の難易度が高いことから、アナカラー側の要求値が高くなる場面が多く、特に鬼丸覇が絡む試合には複数体のクルメルまで要求されるため、メンチ側が押し切れる展開も少なくない。ただし、メンチ側もメンチ覚醒を阻止されたり、最速ザビミラへの対処法が限られているために、完全に有利と言い切れる対面ではない。トータルで判断すれば五分に近いが、リュウセイホールやヨーデルなどのカードパワーの高さで対応力や展開においてメンチ側が優位に進めることが出来ることが多いと判断し、この相性とした。
・先攻の場合
 メンチ側が基本的な展開を押し付けていくだけで自然と有利になると考えられる。アナカラー側はファンク2体を連続で出すことを要求され、メンチ側はそれに対処すべく除去札を抱えておく。青銅やクルメルなど、大地の種になりそうなクリーチャーを勝利ガイアールで処理しながらブーストすることで、相手の盤面リソースを削りながら自分のリソースを稼ぐことができるので覚えておくと良い。ファンクを除去しながらメンチを覚醒させるために、シータNエクス対面と同様に吸い込む+ホワグリ+リュウセイホールで相手のシステムクリーチャーを除去しながらメンチ覚醒までできる13マナを目指せると理想である。
・後攻の場合
 シータ基盤と同じく、後攻を取るとマナの伸びる速度的にこちらが苦しい戦いを強いられる。アナカラー側のファンクを盤面に出す要求値が下がっているのも見逃せない要素の一つである。逆転のためには、勝利リュウセイやNなど、中盤に自然に盤面に出せるクリーチャーで盾を詰めておくプレイがあることを知ってもらいたい。勝利リュウセイで早いタイミングで2枚盾を割っておくことで、鬼丸覇でのリーサルを通しやすくしたり、相手の手札にあるであろうNを腐らせたりできる。Nで盾を詰める場合も同様の効果が期待できる。殴ることで盤面リーサルを無理やり作り出し、相手のババン着地を遅らせる狙いもある。ただし、相手のファンクが出てきて盤面を取り返されることがわかっている盤面や、相手の盤面にクリーチャーがいる状態かつ相手マナが7マナの場合には殴らないことをおすすめする。ここでの盾刻みはトリガーを踏んでも良く、殴り返されないことを前提としている。最も警戒するべきなのは、トリガーで大地を引かれ、自分のターン中にババンを着地させることであるため、それが起こりうる場面では盤面を並べることで圧をかける方向性にシフトすることをお勧めする。
また、展開のどこかでホワグリを絡め、トリガーでなくてもいいので盾を一枚増やして6枚にしておくことが出来ると、最終盤に得をすることがある。これは、テンプレのアナカラーの構築にシンカイヤヌスが1枚しか採用されておらず、アナカラー側が盤面0から組める最大打点が6であるために成立する。これによって、アナカラー側に盾を殴るか、盤面を5体以上並べておくことを要求できる。

ワイルド・べジーズ(野菜) 五分~微不利(先攻55%-後攻35%)


何故この相性になるのか
 結論から言えば、野菜とエイリアンがメンチに取って最も対戦したくない相手である。エイリアンが厳しい理由は後述する。野菜はバロンゴーヤマでの継続的なリソース確保とカクタスでの確定サーチなど、4から5マナ域でゲームを決めるために必要な要素を有しており、メンチ側のキルターンより早いレンジで勝負されてしまう。ドングリルのパワーが9000と高く、バウンスしてもすぐ出し直されてしまうことから、盤面を捌いて勝つことも難しい。先攻なら相手の5マナまでにリュウセイホールが間に合い、勝利リュウセイを出したり四つ牙を除去モードで出すことでメンチ側が動きを通せるが、後攻だとそれもままならず一方的に轢き殺されてしまう。構造上相性関係を改善することが難しく、トリガーに頼らざるを得ないため辛い相性評価を行うに至った。
・先攻の場合
 リュウセイホールから何を出すかによって最終的な着地点が変わる。
勝利リュウセイを出す場合
 出す前でも後でもいいのでホワグリでプリンプリンを出してスパークを盾に埋めておく。その後勝利ガイアールを出してオレドラゴンを完成させて盤面を取りながら殴り切ることを目指す。
四つ牙を出す場合
 基本的にリュウセイホールから破壊モードで出すことが多い。リュウセイホールが引けておらずヨーデルしかプレイできない場合もこのプランになる。このプランでは四つ牙の次のターンとその次のターンでホワグリをプレイしなければならない場面が多く、要求値は勝利リュウセイを出す場合よりも少し上がる。このプランでは、一度ホワグリでスパークを埋めて野菜側のリーサルを防いだ後、カウンターでメンチを完成させることを目指す。
 どちらにせよ基本的な動きとそこまで手札要求値は変わらない。先攻を取れると取れる択が多い分、やはり後攻の時よりも楽に立ち回れる。
・後攻の場合
 基本的にかなり厳しい。相手が順調に動いた場合にはリュウセイホールが間に合わないという場面も起こりうるため、ホワグリで先に盾を埋めておくパターンが多い。その関係で取れるプランも勝利リュウセイからオレドラゴン完成を狙うプランしか取れないことも多い。ただし、トリガー1枚を踏ませる前提で自分の動きを通すと勝ちを拾える試合はある。吸い込む1枚で耐え切れる場合、ホワグリでトリガーを埋めなくていいから盾を増やしておくことに意味がある場合、スパークお祈りをしないと勝てない場合など、状況は多岐に渡るが、今の自分の盤面がどれに当てはまるかを想定し、負けないプレイよりも期待値的に自分が勝てそうなプレイ選択ができるようになるといいだろう。

エイリアン 不利(30〜35%)


何故この相性になるのか
 この対面は本当にゲロである。ゲロ中のゲロ。大体エイリアンを使っているプレイヤーに下手な人はいないので、細かなプレイングミスも見られない。本当にどうすりゃあいいんだよ。
 冗談はさておき、プレイヤー練度の裏付けこそあれど、構造的にもエイリアンに勝つのは本当に難しい。ファンクとガガアルカというメンチにとって天敵とも言えるカードが計8枚も採用されており、陰謀と計略の手やエターナルガードなど、超次元や大型に対する除去も豊富である。マナ加速しない分を除去とザビクラズで補っているため、下振れも少なく、細い手札はハンデスで枯らされる。デスゲートをサイキックに当てられて折角破壊したファンクを復活させられるのも苦しい。ロングゲームになるほど強いメンチだが、怖いカードが多すぎるせいで捲られることも多い。
 と、ここまで書くとメンチどうやって勝つねん、と思う方も多いだろう。しかし、何故か筆者はエイリアン対面に50%近く、むしろ勝ち越すレベルの勝率を出している。エイリアン対面は先攻後攻の差がそこまで大きくないため先後の区分無しに解説するが、エイリアンに勝つパターンは主に2つしかない。それはババンを着地させるパターンと、鬼丸覇や永遠龍で殴り切るパターンである。エイリアン側にファンクとガガアルカという強力なロック性能を持ったカードが多投されている以上、よっぽどのことがない限りメンチ覚醒を狙うことは不可能である。ババンで伸ばしたマナを使って無理やりメンチ覚醒を狙うか、トリガーは割り切って殴るかのどちらかしか道はない。勝利リュウセイやNでリソースを稼ぎつつ、トリガーが致命傷にならないタイミングで2枚盾を削っておく。まだ殴れると判断した場合にはもう2枚削っておく。相手のドローソースがおつかいとセブコアクマンである関係上、公開情報から相手の手札の内訳を予測する難易度は他のデッキに比べると低い。細かく相手の盤面を捌きながら、相手に敢えて盤面干渉することを強要させていると、ババンの着地が間に合ったり、鬼丸覇を投げたら勝てそうな状況を作り出すことができたりする。ガガコロリンやザビデモナは怖いトリガーではあるし、踏むとそれだけで詰みとなる状況も存在するが、デスゲートのケアさえしっかりして盾を詰めることが出来ればエイリアン側からすると苦しくなることが多い。エイリアン側のトリガー採用枚数的に、この対面は2枚以上のトリガーは割り切ってプレイした方がいい。メンチというデッキは元々Nエクスである。メンチとしてのプレイではなく、Nエクスとしてのプレイを心がけることで、Nエクス対エイリアンくらいの相性関係までは改善し得る。とにかくここで言いたいのは、相手の強いカードをプレイさせないためにいち早く盾を詰めろ、ということである。これが出来ると、他の対面にも応用でき、苦しい場面で盾を詰めるプランが選択肢に入ってくる。局面打開の感覚を身につけることで全体的な勝率も上げられるだろう。

MRC 微有利(先攻70%-後攻55%)


 何故この相性になるのか
この対面はNの存在がとても大きい。が、出すタイミングが勝敗に直結するため、慎重にプレイする必要がある。影のキーカードはヨーデルであり、ヨーデルの打点形成や除去耐性をMRC側が咎めることは案外難しい。ヨーデルの後にNを出すことによって、メンチ覚醒を通すか自分の動きを切って盤面処理に回るかの二択を迫ることができる。上手いMRCはヴォルグサンダーのパワーラインを生かし早期に2枚盾を削ってくることがあるが、そこから組めるリーサルはあくまでもトリガー1枚で止まるものであり、メンチ側の盾の要求値はそこまで高くない。MRC側は一切の下振れを許されないため、この相性とした。
・先攻の場合
 基本的に先攻は順当な動きをしているだけに優位に立てる。MRC側のホール呪文に対してこちら側の勝利リュウセイが間に合い、ヨーデルからの展開だとしてもメンチ覚醒を咎めることが難しい。これはNが絡まなかった時の話をしているが、ここでメンチ側がNを引けている場合を考えると、MRC側はかなり厳しい戦いを強いられる。ハンデスで永遠龍を抜かれた場合、永遠龍で盾を詰めているだけでMRC側に永遠龍を対処する札がほとんどないため、余計なことをしなければ比較的楽に勝てるだろう。
・後攻の場合
 問題は後攻である。後攻の場合はNを投げるタイミングが重要になってくる。基本的には、1枚目のヴォルグの直後にNを投げるパターンは避けたい。相手の墓地の肥え方によってはNを出さざるを得ない場合もあるが、出来ればヨーデルやリュウセイホールをプレイし、一旦四つ牙を出してから、指標としては2枚目のヴォルグの直後にNを出すと状況が好転する場合が多い。この対面は他の対面以上にマナを伸ばすことに価値があるため、迷った時は1番自分のマナが伸びると考えられる択を取るといいだろう。また、相手のMRCが着地した場合も諦めてはならない。メンチ側は盾にスパークが埋まっていれば逆転の目があるため、ババンを出してマナを伸ばしたり、メンチ覚醒の足掛かりを作っておいたりするなど、盾にスパークが埋まっている前提のプレイを取ることで細い勝ち筋を拾うことができる。厳しい場面でシールドトリガーが埋まっていることを前提としたプレイを選択できるようになることは、上級者への第一歩である。

速攻相手 微不利(40〜50%)


何故この相性になるのか
速攻側からは納得がいかない相性だと言われても仕方がない。しかし、実際にメンチ側に課せられている要求値は速攻側が思っている以上に高く、トリガーが埋まっている前提で立ち回らなければ苦しい。3ターン目のホワグリでトリガーを盾に埋められる要求値は高く、さらにそれができたとしても負けるパターンも多い。むしろ、これが必須となる場面は多々存在し、見た目上の盤面よりも速攻側に分のいい勝負が行われている。盾を信じる勇気がかなり必要になって来る対面であるため、トリガー7枚のうち1枚が盾にあるかつ適切なタイミングで踏むことが勝利条件となるため、その確率に準じた相性関係になると考えた。なお、エクス入りの場合は突然の逆リーサルを作る勝ち筋があるため、通常の型のメンチよりは勝率が改善されている。
・先攻の場合
 先攻は少しだけ立ち回りが楽になるが、後攻の場合ととるプレイの方針が基本的に変わらないため、この項では先攻と後攻のプレイに関して一括で扱うことにする。上でも述べたが、メンチ側は基本的にトリガーが埋まっていることを前提にプレイしなければいけない。そのため、リュウセイホールを破壊ガイアールでプレイし、目先の盤面を処理する択だけでなく、四つ牙を出して次の強い動きにつなげたり、勝利リュウセイを出して相手の次の強い動きを阻止することも考慮に入れる必要がある。刃を出して相手の盾殴りを牽制する動きがあることも忘れてはならない。この択を取る上で、どのタイミングでホワグリを打つのが最も自分の勝ちにつながるのかを逆算した上で何を出すか決められるとなお良いだろう。勝利リュウセイを出す場合にはオレドラゴン、四つ牙や刃を出す場合にはメンチ覚醒を狙うことになる。苦しいことに変わりはないが、細かなプレイの差が出る部分でもあるだろう。また、ホワグリで埋めるトリガーに関して、この場合はスパーク、この場合は吸い込むなど決め打って仕込むのではなく、相手のマナ置きやプレイしたカードから次の動きをある程度予測し、それに合ったトリガーを状況に応じて仕込むことが必要である。時にはフェアリーライフを仕込むことがあるのも覚えておくと良い。
 ここからは、速攻と区分した中でもプレイが分かれる部分について簡潔にまとめておく。
赤白速攻、黒白速攻の場合
…ソルハバキを牽制するために勝利リュウセイを出すプレイがあることを知っておくと良い。
青黒リバイバーの場合
…相手の墓地の黒の枚数を見ながら、出され得る墓地進化の枚数を考慮に入れる。ゴーゴンシャックを警戒し、ヨーデルを抱えておくべき状況があることは覚えておくと良い。
 赤緑ハンターの場合
…ギャラクシーファルコンを早期に貼られ、こちらが2枚以上のブースト札を持っている場合に限り、ジャスミンを自壊せずに出すことが肯定される。このジャスミンはファルコンを剥がすだけでなく、最終的な打点としての役割も持つ。青黒リバイバーにも通じる考えだが、赤緑ハンターは打点を貯めてから一気に殴るプレイが存在する。このプレイをケアして四つ牙やバゴパンを優先して出し、貯めることを許さない状況を作ることもある。カモンピッピーやリバイバーなどのビッグアクションが行われることが想定される前のターンに勝利リュウセイを出すプレイがあることを忘れてはならない。

ターボゼニス 五分(45%~65%)

(本項はまどろみ執筆)
・なぜこの相性になるのか
ターボゼニスvsメンチの互いの勝ち筋を考えると、

ターボゼニス側…メンチ側が盤面を作る前(=ゼニス着地の返しに負けない)タイミングでゼニスを着地させ、盤面や手札を奪い去る
メンチ側…ゼニスを出される前に勝つか、出された返しに殴り切るorメンチ完成で勝負を決める

となり、これらがお互いの引きや先後に左右されるので、明確な有利不利がつかないからだ。おそらくお互いにきついと言いながら戦っているマッチアップである。
メンチ側はヨーデルを犠牲にすることでウェディングの被害を最小限にしたり、永遠を抱えておくことでローゼスのハンデス後に攻めにいけるようになったり、意外とゼニスを出されてもなんとかなる盤面を作りやすい。また、ターボゼニスが中盤のリソースをNとエレガンスに依存し、細い手札で戦うデッキであることから勝利リュウセイの足止めを食らわせやすく、そこもメンチ側が優位に試合を運べるポイントである。
逆にターボゼニス側は、最速エレガンス→Nなど、メンチのキルターンの遅さにつけいったプレイが有効となる。もたついた瞬間にエレガンスからマナ差をつけ、ゼニスを通せばあっさり勝ててしまうこともある。
繰り返しになるが総じて自分の動きを通した側の勝ちである。まどろみの主観的な見解としては、ヨーデル+四ツ牙の3打点を作って雑に殴ればゼニス側は瓦解する印象なので有利。しかしポッターはターボゼニスに有利なビジョンがないとのことで、ネクラゼニスなど妨害の厚いデッキの存在も考慮して客観的に分析すれば確かに五分だな、という結論に至った。

・先攻の場合
相手のエレガンスより先にヨーデル+四ツ牙が着地するので、この3打点+勝利ガイアールや永遠で殴り切るのを目指す。手札がそろっていればメンチ完成を目指してもよいが、吸い込むと永遠をホワグリより優先してキープしたいこと、先攻で手札が少ないことからメンチ完成できる手札が残らないことも多く、基本的には殴りきるのを意識するべき。
なぜ吸い込むと永遠をキープするのかというと、吸い込むはエレガンスを退かし続けるため、永遠は打点かつローゼスケアになるためである。ゼニスデッキはエレガンスが場にいるだけで大きく出力が跳ね上がる。マナが伸び続けるだけでなく、マナからゼニスを召喚できるようになるゆえに勝つための手札の要求値が大幅に下がる。
したがって、ゼニスを相手にする場合、とにかくエレガンスを場から退かし続けるべきだ。こうすれば相手は手札をマナに置き続けなければならないし、召喚するためのゼニスも手札にキープしなくてはならない。ゼニスが手札にない場合はエレガンスを召喚せざるを得ず、このエレガンスを出しなおすターンが猶予になり、メンチ側が殴り切れるという算段だ。
メンチ完成を目指し過ぎると吸い込む×2で四ツ牙が退かされた後、こちらが四ツ牙を出しなおすターンに相手のゼニス着地が間にあってしまいかねない。
以上が殴る必要性の話だったが、次に十分性、つまり殴ればおおよそ勝てる、という話をする。ターボゼニスは、ゼニスのサポートカードを多く入れなくてはならない。そのサポートがエレガンスであればアンノウンを多く入れなくてはならないし、ヨサコイなど軽減クリーチャーの場合は軽減クリーチャーを1体破壊されても大丈夫なように6-8枚投入しなくてはならない。そのうえで、ゼニスを出せるタイミングを逃さないよう、ゼニス自体も多めに入れなくてはならない。ゼニスたちは母なる大地で踏み倒せないのでこの枠を大地で圧縮することは難しい。したがって受けトリガーは多くとも8枚程度しか取れない。そしてトリガー8枚のデッキはおおよそ1枚はトリガーする期待値となる。
一方、ヨーデル+四ツ牙は、ヨーデルの身代わり効果により1枚トリガーをケアしやすい。また、トリガーで返されたとしても、ゼニスを出したターンは勝たないという性質上、次のSAで詰められることもある。そしてメンチは9マナあればホワグリor吸い込む+リュウセイホールで勝利ガイアールを繰り出せるので、トリガー1枚程度に対する押し込みは通しやすい。
以上から、ターボゼニス対面はビートダウンを狙うべきである。
特に先攻は、相手の準備ができる前に殴り切れる場合が多い。ヨーデルの先着地が強い。

・後攻の場合
まずエレガンス+Nはこちらの展開より相手のゼニスが早いので負け。よってそれ以外を考える。
ターボゼニス側はNを出さなければ細い手札で戦うことになるので、勝利リュウセイによる足止めが大きく刺さる。ゼニスを手札に抱えながらではマナブーストできる枚数に限りがあるのと、高コストクリーチャーゆえにリュウセイで止められたままでは出せるターンが遅れてしまいがちなことに由来する。エレガンスをバウンスしながらマナを伸ばし、オレドラゴンやメンチ完成を目指す。後手は先にブーストされたりエレガンスを出されたりするので殴ることで与えた手札が致命傷に繋がりやすく、殴るプレイは慎重に取らなければならない。
Nを出された場合、こちらの手札も回復するので盤面展開しやすく、メンチ完成まで狙える。
相手が理想の動きをした場合は負けなので、何かしらを割り切りながら戦う。エレガンスを返して殴りにいくことで手札にウェディングさえなければ勝ち、までもっていったり、ノートリお祈りをいとわなかったり、なんらかの割り切りが必要。

細かい分類でいえば、青緑は大地イージスさえケアできればおおよそ勝ちなのでやや有利、シータゼニスはゾルゲと大地がきつい分で五分、ネクラはファンクとアガチャーによる妨害がビートダウンを止めてくるのでやや不利。
ターボゼニス全体でみるとおよそ五分になる。


終わりに

メンチは現環境に珍しく、ブーストを引けずとも十分に捲る余地のある奥深いデッキです。また、初心者や、紙のデュエマしかやっていなかった方々にもすぐに使っていただけるデッキであることは複数名の方が、特にばんちき氏が証明しているので、このデッキからデュエプレを始めるのもオススメです。

リュウセイホールの択についても私と異なる意見で書かれており、非常に参考になりました。また、自分の理解の浅さを痛感させられもしました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

参考文献

https://note.com/happy_pansy966/n/n675d04e27b4e

https://suiyotao.hatenablog.com/entry/2023/01/30/221425

https://note.com/kiyuu20041102/n/n48ee2dc98c5c

https://note.com/akaban_vault/n/n9bd4f62b8b85


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