建築士ジュン

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木造住宅の耐震化が必要な理由 2024/2/11

 2024年元日の能登半島地震では、石川県の珠洲市内で4割超が全壊となるなど被害は深刻です。また、倒壊した建物の中で、建築基準法で震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないと定められた新耐震基準で建てられた建物も倒壊しているようです。  今後、首都直下地震、南海トラフ地震その他さまざまな大地震が想定される中、建物の倒壊から命を守るための早急な建物の耐震化が必要とされているので、今回は、木造住宅の耐震化が必要な理由について解説していきます。 ※筆者は、建築に関する業務を25年ほど行っ

    • 能登地震から見る液状化の被害

       1月1日の能登半島地震で、震源から約100km離れた内灘町が液状化の影響で道路がめくれ上がったり電柱が傾いたり酷い状況です。  どうやら、液状化に伴い、液状化で地盤が緩んだ低い土地に向かって土が流れ込む現象が起きていたようです。  地震後に内灘町で行われた建物の応急危険度判定では、1679棟中1/4に当たる430棟余りが危険(赤)ということです。建物が一度傾いてしまうと、直すのに数100万円、下手すれば1000万円超えることもあり、建物を直すことが金銭的に難しくなってしまい

      • 能登半島地震から考える日本の耐震基準②  2024/1/27

         能登半島地震で、木造住宅が大きな被害を受けています。このような被害を防ぐためには建物の耐震化がとても大切ですが、能登半島では高齢化が影響してか、築年数の古い旧耐震の建物が多く、耐震化率が50%程度の地域もあると言われています。  今回は、どのような木造建築物が被害を受けやすいのか、熊本地震の調査報告を基に、耐震性を確保するための重要ポイントについて解説します。 ※筆者は、建築に関する業務を25年ほど行っている構造設計一級建築士です。 (1)旧耐震基準の木造建築物は高い倒壊

        • 能登半島地震から考える日本の耐震基準①   2024/1/20

           今回の能登半島地震で、多くの建物が倒壊していますが、旧耐震基準で建てられた建物のみならず、それ以降の新耐震基準で建てられた建物も倒壊していることが報道されています。  そこで、この耐震基準とは、どの程度のレベルまで耐えられるものなのか、旧耐震とか新耐震とは何なのかについて解説させていただきます。地震大国日本において、どの程度の耐震性能を求めるのかを、建築や改修をする際に考えるきっかけにしていただければと思います。  筆者は、建築に関する業務を25年ほど行っている一級建築士、

        木造住宅の耐震化が必要な理由 2024/2/11