お金持ちのリアルな日常
【プロローグ】
♢私の紹介
私は、お金持ちとご縁があります。
私の曽祖父もお金持ちといえるような人でした。しかし、私はある程度大きくなるまで、曽祖父がお金持ちであるということを全く知りませんでした。
なぜなら、お年玉やお小遣いというものを1度ももらったことがなかったからです。また、我が家の食卓はいつも野菜中心のヘルシーなもので、魚や肉などはめったに食卓に上ることはありませんでした。
しかし、曾祖父は自分の趣味である植木や盆栽などには、とてつもないお金を継ぎ込み、家の庭を庭園のような状態にしていました。
反対に、家族には豊かな生活を提供するということはありませんでした。
外から見ればお金持ち、実際のところはまったく違う、アンバランスな家となっていました。
曾祖父の死後、親族間の凄まじい遺産相続争いで、結果、私はお金持ちとは全く無縁の人生を歩むことになりました。
しかしながら、人生とは面白いものです。いつの頃からか、なぜかお金持ちの方々とご縁があるということに気づきました。
社会人になり、入社してみると社長がとんでもないお金持ち、またカナダに留学してみたら、ホームステイ先がとんでもないお金持ち。また日本に帰ってきて就職してみたら、社長はとんでもないお金持ちの外国人などなど。他にもたくさんのお金持ちの方々と出会うことなりました。
行く先々でもお金持ちの方ばかりに出会うので、なんだか怖くなったことすらありました。
その後、結婚し、普通に生活していましたが、子供の頃の醜く壮絶な遺産争いの影響なのか、お金についてや人の幸せとは?といった内容への興味を私は、捨て去ることができませんでした。
そして、自己啓発や心理学など様々なセミナー、書籍等に多額のお金をつぎ込みました。かつて曽祖父が植木や盆栽に多額のお金を投じたように。血は争えないものです。
始めはまったく理解できないことばかりでした。あちこちに散らばっていた点が、少しずつ線となり、形となっていきました。すべての経験がやっと
一つになり、私という人間になりました。
♢この作品を書いた理由
私がお金持ちの日常について書こうと思ったのは、2024年現在、円安、物価高の中で、日本中が疲弊しているなぁ〜と、つくづく感じたからです。
バブル崩壊後、失われた30年などと言われてきた時代を経て、コロナ禍をやっと乗り越えたのに、いまだにみんながお金の悩みに苦しんでいる。
本来なら、日本がたくましく成長していても良いはずなのに・・・なぜかおかしい。
お金がすべてとは決して思いませんが、まずはお金、お金で解決できることを解決してから、その他の問題に取り掛かっても良いのではないかと思うようにもなりました。
そこで、お金に縁がある人、そうお金持ちの皆さんのことを思い出したのです。私自身、たまたまお金持ちの皆さんとご縁があり、たまたま日常を垣間見る機会が他の人より多かっただけなのかもしれません。
だからこそ、この経験が一人でも多くの方の輝かしい未来のために、役立つことができるならば大変嬉しいと思い、この作品を書こうと決意したのです。
ちなみに、作中に登場するお金持ちの皆さんは、代々お金持ちの家に生まれた方はおりません。皆さん、自分で事業をし、成功し、お金持ちになった方々です。
大学を出ている方もほとんどいませんでしたし、幼少期はどん底の貧乏だったという方も数多くいました。若くして成功した方もいれば、まるでケンタッキー・フライドチキンの創業者カーネル・サンダースのように晩年になり成功した方もいます。
いつからでもお金持ちになれる、そんなヒントをこの作品から見つけてもらえたら大変嬉しいことです。
【第1章~生活編~】
♢お金持ちは100%早起き!
お金持ちの皆さんは、本当に朝が早い。年齢を問わず、本当に早起きです。朝早く起きるためには、もちろん夜更かしをすることはありません。とにかく毎日が規則正しく回っているように見えました。
「規則正しく生活することで、物事がスムーズに運ぶ」とある一人のお金持ちの方が教えてくれました。
日常的に夜更かしをしたり、週末は寝だめ。日本にいるのに年中時差ぼけのような生活をしていた私は、彼らの生活習慣を別次元のことのように思っていました。
現在、私も規則正しい生活を心掛けるようになり、「物事がスムーズに運ぶ」という経験を味わうことができています。
♢お金持ちは絶対に健康的!
お金持ちの皆さんは、健康に大変気をつかっているように見受けられました。暴飲暴食をしたところを見たことはありませんし、適度に運動もしています。ジムに行くというよりは、よく歩いてるなぁ~というのが印象的です。
とにかくよく歩くので、仕事で同行した際も車を使ってくれないので、ついて行くだけでヘトヘトでした。明らかに年齢的に私の方が若いはずなのに。
また、驚くことに、太っている方は私が知っている限り誰一人としていませんでした。皆さん本当にスタイルが良いのです。お金持ちの皆さんの年齢は様々ですが、同世代の方よりもはるかに若く見えました。
♢お金持ちは姿勢が良い!
お金持ちの皆さんは、とにかく自信に満ち溢れてるように見えるから不思議です。それは、なぜなのだろうか?とずっと疑問を持っていたのですが、ある時、ひとつの答えが見つかりました。
皆さん、姿勢が良い。猫背でうつむき加減でいる人など一人もいませんでした。姿勢が良いから自信に満ち溢れて見えるのか、それとも自信が彼らの姿勢の良さを引き出しているのか。いずれにしても、本当に皆さん姿勢が良くて、シャキッとしていました。
♢お金持ちは腹八分目!
先程、お金持ちは絶対に健康的!というところでも少し触れてみましたが、お金持ちの皆さんは、食べるという行為をとても大切にしているように見受けられました。
暴飲暴食は決してしませんし、収穫した場所はどこなのか?これはどんな成分が含まれているのか?など、自分の口に入れるものにとても気を配っていました。
そして明らかに一般的な食事量よりも少ない量、いわゆる腹八分目とでも言うのでしょうか、そんな量で食事を終えていました。
ある一人のお金持ちの方は、「食べすぎると頭の回転が悪くなり、仕事にならないんだ」とよく言っていました。「すべてのことに100%の力を発揮するためには、満腹ではいけない!」そう言い切ってもいました。
いつも腹十二分目の私としては、耳が痛かったです。
♢お金持ちはお酒を飲まない?
お金持ちの皆さんは健康的だから、普段、そんなにお酒は飲まないのかな?と考えていたのですが、いえいえ、普通に飲んでいました。
ところが、誰一人として泥酔しているところを私は見たことはありません。お酒が入れば、多少なりとも羽目を外してしまうのが人間の性なのかなと思っていましたが・・・
お金持ちの皆さんは、羽目を外すということが自分の人生にとってマイナスであるということを行動で私に示してくれているかのようでした。
ある時、一人のお金持ちの方が泥酔することのデメリットを語ってくれたことがありました。お酒の失敗が命取りになることもあると。お酒の失敗で、すべてを一瞬で失ってしまった人をたくさん見てきたとも。
肝に銘じます・・・
♢お金持ちの笑顔は素敵だ!
お金持ちの皆さんは、いつも本当に笑顔が素敵なんです。人生誰でも、嫌なこともあります。それは、お金持ちの方でも一緒です。
長時間生活を共にしていると、時より、不機嫌な顔をしている方も当然いました。しかし、切り替えが早いのです。どんなに嫌なことがあったとしても、いつも次の日には笑顔で登場する。それがお金持ちたらしめる所以なのかと、敬服するばかりでした。
私は、いつまでも嫌なことを引きずる人間だったのですが、彼らを参考にして笑顔を心がける大切さを知りました。
【第2章~持ち物・好み編~】
♢お金持ちはやはりベンツ?
私が出会ってきたお金持ちの皆さんの多くが、やはりベンツに乗っている方が圧倒的に多かったのです。あるお金持ちの方はとても古いベンツを大切に乗っていました。お世辞にも綺麗とはいえないベンツでしたが・・・
後になって聞いた話では、実はあのベンツはとても価値あるものだったとのこと。私は車にあまり興味がなかったので、当時そのお金持ちの方が「この車あげるよ」と言ってくれたことにも関心を示しませんでした(冗談だったかもしれませんが)。
あの時、もらっておけば・・・後悔ばかりが残っています。
余談になりますが、私がカナダを一人旅している時、ある一人の香港系カナダ人の女の子に出会いました。飛行機で隣り合った縁で、意気投合。車でしか行けない観光地に連れて行ってもらうことになりました。
待ち合わせ場所で彼女を待っていると、恐らくその道の法定速度を明らかに超えているであろうスピードで走ってくる車が見えました。そしてその車は、私の目の前で急ブレーキをかけ、けたたましくクラクションを鳴らしました。車内を見てみると、あの女の子がニコリと笑顔向けて、私のほうに手を振っているではありませんか。
その車はベンツではありませんでしたが、高級車BMW。明らかにお金持ちであることが分かるような雰囲気が漂っていました。彼女もそう・・・お金持ちだったのです。
♢お金持ちはシンプルなものを好む?
お金持ちの皆さんが好んでいるのは、一見、見た目はシンプルというか、あっさりしているもの。でも実はすごく良い素材でできていたり、とても貴重なものを使っているというものが多かったのではないかと思います。
見た目はシンプルなので、そんなに大したものではないよね?と思っていたものが、実は高価だったことも多く驚くこともしばしば。
そして、気に入ったものは、大切に、長く使っているのです。物を乱暴に扱っているという場面に、私は遭遇したことはありませんでした。
物を大切に扱うことをしていなかった私ですが、今となってはいい教訓となり、自分の身の回りの物を大切に扱うことができるようになりました。
♢お金持ちは旅行が好きなんだ!
お金持ちの皆さんが、旅行に頻繁に行けるのは当然のこと。だって、お金が十分にあるのだから。と私は単純にそう思っていました。
しかし、実際のところは、違うのです。皆さん、お金持ちになる前から、そうお金があまりない時から旅行が好きだった、という方が多かったのです。
あるお金持ちの方に伺った話が、とても興味深かったのを覚えています。
「旅行に行くことによって、自分のビジネスがより良い方向に進むようになっている」
何か大きな契約をした後やどう考えても解決できないような問題が起きた後、その方は決まって旅行に行くと言っていました。
そこで、目一杯楽しみ、ストレスを発散する。そうすると、なぜかその後のビジネスがスムーズに進むとのこと。不思議と難題も解決してしまうとも。
旅って、不思議な力を持っているのかなぁ~と思うようになりました。
♢お金持ちは噂話が好き?
お金持ちってきっと、人格も素晴らしい方々なのだろうから、人の噂話なんて絶対に言わない!そう思われる方も多いと思います。しかし彼らも人間です。皆さん噂話が本当に好きですね。しかし、噂話の取り扱い方がちょっと違うような気がするのです。
私のような普通の人間が噂話をすると、その後、その噂話によって何か自分にとって恩恵となるようなものが得られるとは思いもしません。
ところが、お金持ちの皆さんは、「何が自分にとって有益になるであろうか」「何かお金を得るためのヒントはないだろうか」と噂話をしながらも、どこか物思いに考え込んでいることが良くありました。
一見無駄であろうかと思われる噂話ですら、無駄で終わらせない。そういう物事の捉え方こそが、お金持ちという立場を引き寄せたのではないでしょうか。
【第3章~マインド編~】
♢お金持ちは変人?
お金持ちの皆さんは、確かに変わっている方が多いように思います。(世の中にいらっしゃるすべてのお金持ちの皆さんがそうではないはずですが・・・)
ある会社に勤務している時、社長であるそのお金持ちの方は何度も車がレッカーされてしまっても、自分の自家用車(もちろん、ベンツです)で会社近くに路上駐車するということを繰り返していました。
私は、何度も「近くの月極駐車場を借りますか?」と尋ねたことがあるのですが、かたくなに「駐車場は借りなくていい」と何度も断るのです。
会社が入っているビルの窓から路上駐車してあるベンツが、何度もレッカーされるのを見ることは、とても辛いものがありました。
何度レッカーされても、何度罰金を取られても自家用車で来て、路上駐車するのか、私はいまだに理解ができません。何かしらの考えがあったのかどうかは分かりませんが、不思議としか言いようがありませんでした。
また、別の会社に勤めている時には、社長であるお金持ちの方は、新幹線に乗って出張する際、いつもびっくりするような行動をとっていました。
駅の自動改札を切符も買わず無理矢理突破し、「車内で切符を買うから!」宣言し、駅員さんの制止を振り切るということを、何度も繰り返す始末だったのです。同僚と共に社長の出張に同行した時は、駅員さんに謝るのが大変だったものです。
「新幹線で行く場合は、事前に予約しておきますが・・・」と何度も尋ねてはみたものの、「予定が変わることもあるから、予約はしなくていいよ」と全く気にも留めてくれませんでした。
お金持ちの皆さんが変人というのは、少し語弊があるかもしれませんが、それぞれのこだわりというものがあるように見受けられました。
他の人には分からない、何かしらのこだわりがお金持ちを生み出す要素の一つであるのかもしれませんね。
♢お金持ちはケチなのか?
お金持ちの皆さんをケチ!と表現するのは大変失礼かと思いましたが、実際に無駄なお金は一円たりとも使わないように心がけているようでした。
自動販売機でジュースすら買いませんし、私がホームステイしていたお金持ちの家ではレフトオーバー(前日の食事の残り物)を何日も食べ続けていました。明らかに賞味期限が切れているであろうに。(私には残り物でない食事をちゃんと準備してくれていましたが・・・)
しかし、お金をいざ使おうとなると、実に粋な使い方をしているなと思ったものです。
多くの人が集まるパーティーでは、招待された人たちが喜ぶような演出をしたり、素晴らしい料理の数々、シェフを呼んでの豪華な演出、大量のプレゼントを用意したりなど、お金の使い方がびっくりするほど普段と違うのです。
お金の使い方にメリハリがある。これが正しい表現なのかもしれません。
♢お金持ちは決断が早い、早すぎる!
お金持ちの皆さんは、何か物事を決めるとき1秒たりとも、悩んでるようには見えませんでした。私のような人間は、些細なことでさえ、うじうじ悩んでしまうのに、彼らは悩む時間をもったいないことだと捉えていたかのようでした。
例えば、会社の資金をどの銀行に動かすべきかとか、この契約をする?しない?とか、本当に早すぎて周りの人たちが肝を冷やすことが何度もありました。その決断は的確で、そして素晴らしい成功にいつも繋がっていたのです。
あるお金持ちの方は、バブル崩壊の数週間前に所有のビルを高値で売ることに成功しています。もし、バブルが弾けた後だったら大変なことになっていたでしょう。その方に話を伺って分かったことは、決断が早いということもそうですが、危機を察知する能力にも長けているようでした。
♢お金持ちは100%自分の好きなことをやっている
私が出会ってきたお金持ちの皆さんは、何かしらの事業をしている方ばかりでした。加えて、その事業というものが、それぞれの方にとって大好きなものであるということが共通していました。仕事を嫌々やっている、そんな人は一人もいなかったのです。
ある一人のお金持ちの方は、「仕事とは、楽しく、多くの人を幸せにするものだ」と言っていました。仕事とは辛く、大変なものという認識を持っていた私はこの言葉を聞き、心がズキっと痛んだのを覚えています。
♢お金持ちは好奇心が半端ない!
お金持ちの皆さんの好奇心は本当に半端ないのです。好奇心が服を着て歩いている、私は彼らを見続けて、常にそう思っていました。
かつて私が友人と温泉旅行に行くために有給休暇を取ったことがありました。その旅行から帰ってきて、お土産を同僚たちに渡していたところ、社長であるお金持ちの方が「どこに行ったのか」「誰と行ったのか」とか、「どんなところに泊まったの?」などなど本当に細かく質問してきたのを覚えています。
暇さえあれば、とにかくずっとそんなこと聞いてきて、私はその日一日、全く仕事になりませんでした。
彼らが好奇心旺盛なのは、ただ楽しいことが好きなだけなのかもしれませんし、はたまた、いろな人の話からビジネスへのヒントや投資への足がかりみたいなものを探しているだけのかもしれせん。
いずれにしても、好奇心があるからこそ、様々なものにアンテナを張っていて、それらがお金・豊かさへと繋がっているのかなあと感じています。
♢お金持ちはとにかく運が良い!
あるお金持ちの方は、一度傷害事件に巻き込まれたことがありました。「昨夜、夜道で人に刺された」と言っていたのですが、なぜか次の日、通常通り会社に出勤してきているのです。
刺されはしたものの、かすり傷で済んだということで、その時着ていた血まみれのコートを自慢気に見せてくれました。そんなことがあれば、普通は、会社を休むと思うのですが、何事もなかったかのように、ニコニコ仕事をしていました。
事の詳細は、省きますが、他の人をかばって刺されたとのこと。「周りには大勢の人がいたのに、誰も助けてあげないんだよね~」って愚痴を言っていました。
命に関わっていたかもしれない出来事なのに、それにも動じない、そんな心の強さが運を引き寄せているのかもかもしれません。
ここまでのことは私にはできませんが、自分だけでなく人のことをも考え、行動することができる人間だからこそ、運も味方してくれるのでしょう。
【エピローグ】
2023年、ワールドベースボールクラシックの決勝戦前に大谷翔平選手がある言葉をチームメイトに語りました。
「憧れるのをやめましょう」
私もそれと同じようなことを皆さんにお伝えしたいです。
「お金持ちに憧れるのをやめましょう」
彼らも同じ人間です。素晴らしい人々であるかもしれませんが、全くもって完璧な人は誰一人としていませんでした。学歴がないとか、家がお金持ちじゃなかったとか、そんな事はお金持ちになれない理由にはならないのです。
ただ大好きなことをやって、豊かさが流れ込んでくるのを待つだけで良いのではないかと思います。
まだまだ、お金持ちの皆さんの話はたくさんありますが、あまりに長くなりそうなので、今回はこのような内容でまとめさせていただきました。
この作品を読んでくださった方々が、笑顔で楽しい人生を歩んでいけますよう、祈っております!
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