特殊な業界〜お茶引きから始まった生活〜

*センシティブな内容を含みますので苦手な方はGOバック✩.*˚











  さて、またまた前回の続きから。
ざっくりと・・・・・・借金を返済する為に始めた副業でしたが、ほぼほぼお茶引き(指名が無い状態)で毎回通っていた新宿某所。


  前回、バーのマネージャーさんに
「指名するお客さんだから頑張って」
と、言われて見事にテキーラ1杯でぶっ潰れた後の話から。

もちろん、その後は指名に出られる訳もなくトイレに閉じこもって意識が朦朧としてた中、事務所の方のマネージャーさんがトイレの鍵を開けて担いで寮に送って行ってくれました。(あの時は死ぬかと思ったくらいでした。)
人生初のお酒。もう絶対飲むものかとこの時は思いました。


  うっすらとした意識の中で残っている記憶は優しく介抱してくれたマネージャーさんの暖かさでした。
涙とゲロまみれで酷かっただろうに、割と離れた寮まで担いでいってくれて・・・・・・。
今でも感謝してます。



 翌日起きた時には既に夕方の5時でした。(土曜の夜に出勤していたので日曜日)
頭はガンガンするし、吐き気は止まらないしでそれはもう最悪でした。
 起きたら事務所の店長に呼び出されました。
めちゃくちゃ怒られると思って内心凄く身構えてたんですが・・・・・・

店長「昨日バーはどやった?結構飲んだん?(笑)」

自分「お客さんからテキーラ1杯頂いた後、もう記憶が曖昧で・・・・・・。ご迷惑おかけして本当にすみませんでした。あの、今日で辞めようかと思います。。。」

店長「かまへんかまへん(笑)仕事で酔いつぶれたんやろ?頑張った証拠よ(笑)で、まだ始まってもないのにもう辞めるん?」

  凄く意外な展開だった。いつも冷たい感じのトーンで話す人が嬉しそうに話しかけて来てくれて。めちゃくちゃ怒られると思ってたのに逆に「頑張った証拠」だなんて言ってくれて。

その後すぐに店長はケータイをいじりだして誰かにメールを送ってた。

しばらくするとRがやってきて

R「ポンちゃん、あんたーーー!!」って。

続けて店長

店長「R、ポン太今日で辞めるみたいよ〜?(笑)」

R「あたしは許しません!!さっ、ポンちゃん、バー行くわよ!バー!!今夜もパーリナイなんだからっ!!」

自分「今凄く気持ち悪くて・・・・・・それにまた皆に迷惑かけちゃうし・・・・・・」

R「そんなの関係ありませんっ!!ゲロまみれになったってね、誰かが介抱してくれんのよっ!!皆大体通ってる道なんだからお互い様よっ!!そんな事気にしないっ!それに迎え酒すれば逆に元気になるんだからっ!!さっ!バーに行きやるよっ!!」

 強引にもRに腕を引っ張られセットして気持ち悪さを抱えながらその日もバーへ向かった。


バーに出勤するなり、

バー店長「挨拶も出来ないんですか?何度同じ事言ったらわかるの?ここは学校じゃないんだからそれくらい1回言われたらしっかりなさい。」
またも挨拶しようと思った矢先に言われてしまった。
R「おはようございま〜す」
自分「おはようございます!昨日は多大なご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」

バー店長「R、いつになったら語尾伸ばすの辞めるのかしら。ポン太、あの後ゲロまみれでトイレ掃除大変だったんだから。Tさん(バーのマネージャーさん)にも後でしっかりお礼言っときなさい。2人とも、席に着きなさい。」

そんな流れでまた待機席に。
お客さんが来るまでの間、バーの店長から

・お客様がいらしたら待機席から立ち上がり元気良く笑顔で「いらっしゃいませ!」を言う事。

・お酒が苦手だったらお客様からドリンクを頂く際に「お茶割り」を頼むこと(薄ーく作ってくれるみたい。)
等々読み合わせの紙に書いて無かった事やら色々教わった。


しばらくするとTさんが出勤して来た。

自分「Tさん、昨日は席につけてくれたのに本当にすみませんでした。後片付けも全てやって頂いたみたいで、本当にありがとうございます。」

T「ポン太、昨日大丈夫だった?まさかテキーラ1杯で潰れちゃうと思わなかったわ。本当にお酒飲めないんだね〜(苦笑)。片付けとか仕事だから気にしないで。お酒ダメそうだから薄めに作るから大丈夫よ〜。」

自分「お酒初めてだったので本当にすみませんでした。。。。。。でも、頑張ります。(何故かこの時周囲の優しさにあてられて辞めようと思ってたのを一掃)」

T「飲むのが仕事って訳じゃないから別に飲まなくてもいいんだけど、全く飲めないのはちょっと雰囲気壊しちゃうかもだから飲み方覚えてこうか。」

自分「はい。」

  結局その日もずっと席につけることはなく、深夜2時を回った。
日曜の夜という事もあり、お客さんが居ない状態だった。(ノーゲス)

すると、珍しく残っていたRがバー店長に

R「店長〜、今日は飲んでもいいですか〜?」

仏頂面の店長が珍しく笑顔で

バー店長「あらぁ、Rさん、飲むのかしら?」

R「やっちゃおうかしらっ!」
って謎のやり取り。


バー店長「Rさんご来店でーす!(笑)」

自分はきょとんとしていたみたいでTさんが説明してくれた。

T「事務所2時に閉まるからそれ以降はバーは自由出勤なの。もし、指名が無かったらボーイ料金(割引料金)で飲むことも出来るから。」

自分「あ、そうなんですね(納得)」

R「ポンちゃーーーん!!あんた来なさいっ!!鏡月ボトルで!!あんた飲み方覚えなさいっ!」
自分「えっ(挙動不審)」
バー店長「ポン子さん、あーたいらっしゃい。VIPなお客様からのお誘いよ〜」

こんな感じの流れだったと思う。

とりあえず、Rの席に着いてRは色々教えてくれた。

R「ショットとボトルキープがあって、ボトルのお客さんはマネージャーがチャーム(乾きもののお通し)、アイスペールとボトルとゲスタン(お客さん用グラス)といたグラ(頂き用グラス)持ってきてくれるからボーイはマネージャーが離れてる時にはお酒作れるようにね❤」

 Rは元々ゲイバーの店子さんだったらしく、お酒には詳しかった。

バー店長「今お客さんいないからいいけど、お客さんの前でホゲ(オネェ口調)ちゃダメよ。ここはゲイバーじゃないから。お客さんは男の子を買いに来てるの。」

  初めての出来事だらけで本当に色々と学びがあった。
接客1つとっても表情や仕草、Hの内容なんかもバー店長やRが本当に色々と教えてくれた。
不思議とRの席で貰った人生2度目のお酒はすんなり体内に入っていってくれて気持ち悪くもならず、逆に飲めば飲むほど元気になっていく感覚だった。気づけば朝5時(閉店時刻)を回っていた。



 結構その日もお茶を引いてしまって、新宿駅に向かい電車で帰宅。
お酒の匂いを漂わせながら高校時代から続けているバイト先へ。






つづく。

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