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成り上がり

*センシティブな内容を含みますので苦手な方はGOバック!







  さて、寮生になり売り専人生も2年目に突入しようというところでまたもや転機が訪れます。
  売り専1本になってからというもの、コンスタントに稼がせてもらってましたが物足りなさを感じてた頃。

  いつものように仲の良いRとK(Kはこの頃学生で週末出勤だけでした。)とバーに出勤した時の事。
その日は約1週間ぶりのバー待機でした。(1週間くらいショートからの泊まりが続いていたので)

 出勤するなり

バー店長「あら、ポンちゃん珍しい。最近お稼ぎになってるから全然いらっしゃらなくて寂しかったわ(にんまり)」

T(バーのマネージャーさん)「ポンじゃん、久しぶり(*^^*)今じゃ売れっ子だからこっちにあんまり来なくなって自分寂しい〜(笑)」

自分「ここ1週間珍しく途切れなかったので(汗)ここに来ると安心します♡お茶引き続けた時から本当に色々教えてもらったので(*ˊ˘ˋ*)」

R「最近ポンちゃん出突っ張だったからあたしももの足んなかったわ(笑)」
K「ポン〜、今日は飲み明かそうよ〜(笑)」

なんてやり取りをした矢先、
仏頂面の見た事のないお客さんが入って来ました。


待機ボーイ一同立ち上がって
「いらっしゃいませ!」

それからバー店長の手の合図で座ります。

その後、お客さんに聞こえないくらいの小声でTさんが
「あのお客さん、昨日初めて来てJ(新人の子)指名してったんだよね。今日もワンチャンあるかもだからしっかり待機しといて!」
って。


Tさんがお客さんを接客しに行くと程なく

T「ポン、J(前述の新人の子)、H(開店から待機してた子)、I (開店から待機してた子)おいで!」

一同「はい!」

お客さんは相変わらず仏頂面でTさんに

お客さん「ヘネシー、ボトルで。」
って。

T「昨日のキープボトルでいいですか?」

お客さん「まだ残ってるの?あればそれで。なければ入れて。」

割と飲むお客さんでもほとんどがキープボトルは鏡月だったので茶色系のお酒をキープしてる方は珍しかった。

 この時はもう既に結構飲めるようになっていたので、一緒にお酒を頂いて着いたボーイ達は当たり障りのない会話をしていたと思う。


 しばらくすると、Tさんを呼んでお客さんがお会計。何やらゴソゴソやっていた。


Tさんに4人とも呼ばれ、
「ポン、J、H、I、今から外出3時間前倒しのロング。(泊まりコース。3時間前延長の事。)あんたたち、頑張って来なさい。」
って。
一同驚きながら顔を見合わせた。
3Pコースとかスワップは出たことはあったのですが、まさかの5Pは皆初めて(苦笑)。

驚きつつも、1番歴が長かったので動じない振りをしていた。


バー店長とTさんと他のバーのマネージャーさんに見送られるとお客さんは別のお店に飲みに行くと言い出したので、そのまま皆でついて行った。

  自分はだいぶこなれて来ていたので、プライベートとは全く違い余計な会話はせず相槌程度でお客さんに共感を示すような対応をずっとしていました。
  他の子はと言うと、会話の間が気になるのかずっと当たり障りのないワードを選んでは喋ってました。
(喋り過ぎると魅力が減ってしまうと教えられてたので下手に口は出しませんでした。)


 その後、何軒かハシゴして朝方6時頃に5人でホテルへ。
どうしたもんかわからず、とりあえずお客さんがトイレに入ってる間に4人で聞こえないように超小声で謎の作戦会議(笑)。
1番歴が長かったのでまとめなきゃとか謎の使命感があり、

自分「とりあえず、シャワーは皆で入れないから自分とお客さんで最初入るわ。その後個々に浴びて。」

J・H・I 「わかりました。」

自分「その後、多分なるようにしかならないからHは各自に任せるけどくれぐれもお客さん主体だからボーイ同士のカラミは無いようにしてね。ヤることはしっかりヤろう。」


お客さんがトイレから出てきて、手筈通り自分とお客さんでシャワーを浴びて→あとは1人ずつ浴びてって→とりあえず5人でお客さんをイかせてしばらくまったりして皆で就寝。
って流れでした。

  思ったよりもスムーズに事は運び安堵していたのかいつもはケータイで指名終わる1時間前にアラームセットしておくのですが、この日は結構酔っていた事もありかけ忘れてました。


  翌日、皆目覚めたのが12時・・・・・・。(泊まりコースの終了時刻は10時でした。)ケータイもマナーモードにしっぱなし(アラームセットした際にいつもはマナーを解除しとくのですがこの日はせず。)
事務所から鬼電。他の子にも鬼電がかかってきており、急いでお客さんを起こして

自分「ごめんなさい💦寝過ごしてしまって💦もう事務所に戻らないといけなくて。。。。。。」

お客さん「あ〜、もうこんな時間かぁ。延長料金いくら?」

自分「ちょっと事務所に確認してみます。」(延長料金は把握してましたが、ボーイが即答するのは綺麗じゃないので1度ワンクッション挟んで形式上料金確認します。また、次の予約が入ってる場合があるのでこれの確認も含みます。)

  お客さんに聞こえないところで事務所に電話を速攻しました。(お客さんと居る時は開始・終了連絡、事務所への延長確認連絡、アラームの時以外ケータイをいじらないのが鉄則です。)


事務所に連絡するなり
店長「あんた達、今どこいるの?!連絡誰も着かんし!!」
自分「すみませんでした💦皆寝過ごしてしまって。それで、延長料金ていくらですか?」

店長「2時間延長で1人○○円ね。お客さん見送ったらはよ帰ってきなさいね。」

プツっ。


 その後、4人でお客さん見送って重い足取りで事務所へ向かいました。

  案の定、事務所はうちら4人以外は出禁にされて店長と5人・・・・・・。
過去に何度かこの光景を見た事があって(当時者では無いが事務所出禁になった時は大体店長の雷が落ちる時)、とうとうこの日が来てしまったかと覚悟しました。

  しばらくして、静かに語り出しました。
店長「あんた達、何で呼ばれたかわかってるよね?」
一同「はい。」
自分「時間を守らなかったからです。自分らの商品は時間なので。。。。。。自分がアラームをかけ忘れたのが原因です。」

店長「そうだよね。でもな、今回怒ってんのはそこじゃない。4人も指名に出ててだっれも連絡着かんかった事よ。新規の全く情報がない知らんお客さんでしかも4人とも連絡着かんくて・・・・・・!!どんだけ心配したと思ってるん?!何かあったらすぐに動けるようにうちらもバー側にも店長がおるんよ!!10時になってもだっれからも終了連絡来んくてバー店長も動いて情報集めて回って!!何かに巻き込まれたんじゃないかって気が気じゃなかったわ。」

一同「心配おかけして本当にすみませんでした。」

しばらくの沈黙。

店長「まぁ、ポンはそこら辺とこわかってると思うから話し終わるわ。J、H、Iもよーく肝に銘じとき。」

ここで声色変わって

店長「さ、精算しよか。前倒し3時間ロングはバーの精算やから、こっちは2時間分の延長。入金○○円。」

自分がお客さんからまとめて預かったお金を渡して店長が入金分を引いてそれぞれに渡す。

店長「はい、お疲れさん。皆疲れたやろ。バー開くまで皆指名取らんから寮で休んどき。」


その日は事務所に着くまで気が気じゃなかったけど、皆心配してくれてた事を聞いた瞬間張っていた何かが切れてバーが開くまでぐっっすりと眠りに落ちました。(4人ともその日は予約が入って無かったのが不幸中の幸いでした。)






つづく。


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