[詩]2023.2.9

僕は落ちる
静かに海へ
髪が水に浸かり
耳が水に浸かり
水は頭骨の中へと
頭骨でそれは鉛になり
あるいは金に
もしくは錆びた鉄になり
僕は沈む
海へ
全身がしなり
弓なりにしなり
いるかのようにつま先が伸び
僕は沈む
目はきつく閉じられ
しかしそれは塩水のためでなく
閉じた瞼に意志が漂い
手は組まれ
あるいは無造作に投げ出され
やはり指先は弓なりに伸びていて
僕は沈む
やがてくらげとともに

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