エホバの証人の経済観

アメリカのとある統計に、宗教とその信者の年収を比較したものがありました。

こちらのリンクのサイトです。

これを見ると、エホバの証人(以降はJWと記す)は経済的な豊かさの面では最下位に位置しています。

多くの成員が、JWとして立派に「王国のための業」に専念していると言う証拠に思えます。

自己犠牲をすることができる人が多く集まっている宗教とも言えますし、どこかお花畑で、現実的な事はあまり考えない宗教とも取れます。

そして私は、あまり将来の経済的な面を、「王国の業」を第一にしていたらエホバがどうにかしてくれると言う事には信仰を置けませんでした。

このため大学に行く選択をしてます。

また、JWの経済的な物の見方にモヤモヤすることがかなり多かったです。そのため、非正規フリーター無資格じゃ将来危ないんじゃない?と危機感を抱きました。

経済的な面でモヤモヤしたことを挙げて行きます。

「月10万」生活?

一つは、ある60間近の長老夫婦の姉妹が「月10万もあれば充分でしょ。○○姉妹達もそのくらい稼いでるようね。それで正規開拓者をやってるのよ」と言う発言。

土地によっては最低限、これくらいあれば十分な額ではあります。「年収90万で生活」なんて言う本が出てるくらいなので、上手くやりくりすれば、確かに生活はできるでしょう。

ただ「生活する」だけです。

この額で、どのくらい貯金ができ、不慮の事故や病気、または何らかの急な出費に対応できるか不明です。

そして、この「月10万」と言った姉妹は、若い頃はバブル時代を生きてきた上、物価は現代よりはやや低く(バブルとは言え)消費税は多いわけでは無く、取られる税金も少なかったですよね。しかも、兄弟は仕事をしていて姉妹は専業主婦をしているので、基本的には扶養控除(昔はもっと手厚い)に入っている状態だと思うんですよ。

なので、産まれた時代背景、社会的な立場等を考えると安易に「この程度の額があればいいでしょ」などと、外野が言ってきたのは、かえって不安要素となりました。

月10万の収入のメリットは住民税がかからない事でしょうか?

経済圏はJWの兄弟姉妹

個人事業主として働ける職種につきました。

とある長老の「JWの兄弟姉妹を相手に仕事をすればいいんじゃない?そうすれば世の人を相手にせずに済むから、安全」みたいな発言。

兄弟姉妹達を客にして収入を得る・・・正直、楽そうで全然楽じゃない感じがヤバかったです。

非正規雇用の兄弟姉妹達をメインターゲットとして商売をするとして、一体どの程度収入を得られるのか不安になります。

なので兄弟姉妹をメインに仕事をしたりはしませんでした。

しかも兄弟姉妹だからと、どこか値引きして欲しそうな雰囲気が駄々洩れだったのも辛いですね。最初の頃は、まだまだペーペーだからとか、せっかく仕事依頼してくれてるからとかで、めちゃくちゃ安売りしましたよ。ええ、とにかく安売り!

疲弊しました。

時間だけは食う割に、収入は乏しいなんて非効率です。

聖書に「タダで受けたのです。タダで与えなさい」なんて言葉があります。何となくこれを都合よく使っている感じはあります。

きちんと相応の対価を払おうとしてくれる兄弟姉妹もいましたが、どうあってもJW経済圏とか、やりずらくてしょうがなかったです。JWの兄弟姉妹とお金のしがらみが出来るのはやっぱり嫌でしたね。なので、最終的には値上げ(と言っても正規の値段)を提示しました。

「世の人」を客にするなんて、悪い交わりに繋がると主張する人もいます。しかし、これに関しては、「世」でも客と必要以上に関係性を持つ経営者は、プライベートと商売を区別できてない人です。このタイプはJWであろうが無かろうが、トラブルに巻き込まれやすいです。

「王国を第一に」した人たちの経済的問題

兄弟姉妹の中にも病気や事故で、経済的な援助が必要になる人が何年かに一回は出ました。

時には病気の姉妹のために、会衆内で寄付を募った事もあります。

ある時には、事故で費用を払えなかった姉妹のために、費用を立て替えたお金持ちのJWご夫婦もいました。

確かにこの様な状態になった姉妹達は、同じ信仰を持つ仲間から助けを得ています。

仲間同士、助け助けられて生きて行くと言う感じでいいのでしょうが、本当に美談になりますか?

こういうのって、一方的な負担が経済的に豊かな人にのしかかる事が多い可能性は無いでしょうか?

また、経済的な問題においての最終手段は生活保護があります。生活保護と言うシステムに頼らざるを得ない状況に陥ってしまう事もあるでしょう。それはそれでいいんです。頼ってください。

でも、JWの場合は、「王国を第一にした」結果が、生活保護と言うのはどうにもモヤモヤする部分が出てきます。

経済的な見通しが無い

経済的な事をJWと話をする時、大抵は「何があってもエホバが何とかしてくれる」と言う信仰だか、ポジティブだか、ただの無思考だかわからない結論が出がちなJWです。

でも、ある程度は将来的にどうなるかを考え、その備えをしておいてもいいのでは無いかと思いました。JWの信者が全く備えをしてないと言うわけでは無いでしょうけれど、せいぜい備えをするとしたら貯金では無いでしょうか?

少なくとも啓示の書に貧困に関する予言があります。また、予言には必ず備えていなさいと言う言葉もあります。

霊的な意味で備えなさいと言う風に書かれているのかもしれませんが、本当にそれだけなのでしょうか? 世の中の流れを見つつ、動くことも大事なのでは無いかと思いました。

JWの信者たちは、楽園を目指して生きている人たち故に、「世から離れ」「世を利用しすぎない」様に生きるようにしているとはいえ、あまりに強い経済不安を持つ状態を作り出すのは、危うい事です。

ただ貧困であると言うだけで、安全や健康の確保が難しくなりがちです。また、貧困であることによって心の余裕が奪われ、日々の食事をどうするかなどに思考が奪われるなら、もっと重要な事に思考を使う事は難しくなります。

もっともJW組織にとっては、成員が思考を放棄し、ただただ組織の指示に従ってくれる存在になればいいと思っているのなら、他宗教と比較しても年収が最も低い状態である事は望ましいのかもしれません。





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