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エホバの証人の閉塞感から抜け出す:必要の大きな所から出てはいけないと言う圧

JWとして生活していると、自分の好きな場所に住み、自分の好きな仕事をすると言う事も簡単にはいきません。

「大都会のど真ん中に住んでみたい」なんて言えば、おおむね帰ってくる言葉は、「大都会は生活費も高いし、誘惑も多いから、霊的に危なくなるよ」でしょう。

「医者になりたい」と言えば、「将来楽園ではすべての人が健康になるし、医者の様な生活をしていると、霊的な活動にあてる時間が無くなるよ」と言うような答えが返ってくるでしょう。

そんなこんなで人生の色んな面で、多くの事をやんわりと否定されながら、若者の可能性が狭められているJWです。

必要の大きな地で地元に閉じ込められるー自由な選択は無い

住む場所について考える際には、エホバの証人の集会所はあるか?その地域の必要などはどうか?を考えなければなりません。

私自身エホバの証人として歩み始めた時は、非常に実りの悪い、必要の大きな地域に住んでいました。そのため、奉仕者の数の確保が大事だったのでしょう。

その地域でエホバの証人となった人は、どことなく、その土地から移動することがためらわれる雰囲気がありました。地元でエホバの証人となった私より年上の独身の数人の姉妹達は、その土地から長い間、出る事はありませんでした。

決して仕事の多い場所ではありません。多くの地元の人たちは家業を継ぐことが無ければ、進学や就職のためにその土地を離れる人が多いです。

私自身は高校卒業後は専門学校に入るため、生まれ育った土地を離れましたが、比較的近くの町に越したぐらいでした。そのためか、定期的に生まれ育った土地の会衆に交わる様に誘われました。

誘われること自体は嬉しいと感じる事もありますが、あまりにもそれが頻繁であると、どこかうっとうしさを感じるものです。

私自身は自分の育った土地に対する愛着が薄かった事や、両親と多く関りを持ちたいとは思わなかったこともあり、あまり、私の地元に帰りたくは無かったのです。

地元に残った他の姉妹たちがどう感じながら、その土地に居続けているのかは分かりません。それでも、どことなく閉鎖的な雰囲気が漂い続けるJWの必要の大きいとされる会衆です。

必要の大きな土地にわざわざやってきた兄弟姉妹達から、言葉の端々から「地元でJWとなった人たちは、その土地に居ついて、JWを盛り上げていかねばならない」と言うような雰囲気を感じました。

必要の大きな所での奉仕のために越してきた兄弟姉妹達は、ある一定の年数が経つと、その土地を離れて行くのに・・・

自由に見せかけた不自由の閉塞感

JWは、「私たちは自由です!」と言うのが、好きです。そう思い込ませたいのでしょう。

しかし、本当に自由であるかと言うと、そうとは言えません。

彼らが言うように、事実、JWの多くの兄弟姉妹達は、道徳的に清く、ドラッグ、アルコール、煙草などには溺れたりしません。そのような依存性の高い物からは離れているでしょう。

しかし、思考や行動に自由があるかと言うと、再度言いますが、自由ではありません。

JW組織にとって都合の良い方向に思考し、行動してくれることを彼らは基本的に願っています。

だから、必要の大きな土地に引っ越す人は誉められ、称えられます。

しかし、自分の私情から他の地に引っ越すと言うときは、引き留めようとしてきます。

「他の地に引っ越して、霊的な面では安全と言えるのかしら?きちんとその土地について理解してる?」
「この地は必要がとても大きいのだから、もう少しここで奉仕する方が、エホバの役に立つよ」
「引っ越してから、霊的に弱った人は多くいるものよ。他の会衆の人たちの霊性にも影響されますから、慎重にどこに行くかを選んでね」

おおよそこのような事を言われます。

いやはや、うるさい!!うるさいです!!

紛争地帯に行くわけでも、大阪の西成や新宿の歌舞伎町に引っ越すわけでも無いんです。

なのに、やたらとこちらの気持ちや意図に対する配慮は無いです。これは本当の意味で思考の自由を許してはいません。

いや、ハッキリと気持ちや意図を伝えるならば、
「今の様な閉塞感から抜け出したいです」とか、「JWの世界しか知らないので、せめて住む土地を変えて、もう少し世間を知りたいです」と言うような答えになりますが。

閉塞的なところから抜け出してから

20代の半ばになり、見知った土地を離れました。

見知らぬ土地での生活は、結構大変ではありました。JWの会衆とも交わりはしたものの、色々とあり、「霊的に弱った」ため、JWの集会や奉仕への参加は不活発になりました。

そして、めでたく(?)JWから離れてしまいました。

はい、JWだったら、きっとこんな言い方をするでしょうね。

「街に出たから、誘惑がいっぱいあって、そのせいで霊的に弱ってしまったのよ。だから離れる事になってしまったね」。

本当に街に出たから弱ったなんてことは無いでしょう。上手くやっていく人もいるでしょう。

私自身は地元を離れる前から「霊的に弱って」いましたので、なるべくしてなったと思われてるかもしれませんが。

ただ、私としては、閉塞的な感覚のある土地や人々から離れる事ができ、その上、JWからも離れ、今では随分と心が軽くなりました。


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