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推しに初めて会ったオタクによる"板垣瑞生カレンダーイベント"参加レポ


はじめに


 はじめまして、みきをです。先日"板垣瑞生カレンダーイベント"に参加して参りましたので、参加レポをここに書き記していきたいと思います。
 俳優を推す、ということを始めて9年が経った23年2月、満を持して"人生初の推しとの対面"を果たすことに成功しました。"推しを見る"という括りでいくと、22年末にTHE RAMPAGEのライブに参戦し、彼らのステージを生で拝むことには成功したのですが、今回のような1対1のタイマン方式のイベントは人生初。参加したのは、2月12日、渋谷にて開催されたカレンダーイベント。そこで起こった諸々を以下に書き連ねていきます。

外階段とカレー


 何を隠そう当方遠方オタクなので、当日はAM5時20分に起床。バカ早い。そもそもいつも寝るのが遅いというのと、寝坊することへの恐怖心により、1時間くらいしか眠れなかった気がします。。。
 無事起床に成功し、電車に飛び乗って渋谷にイン。会場の指定フロアに辿り着くと、なんということでしょう。そこはシャレオツ女たちで溢れかえっていました。なんか、アレなの…?板垣瑞生は美容に良いコンテンツか何かなの……?めちゃくちゃ美人が多いんですけど……????
 都会のオンナ達の可愛さにビビり散らかしつつ辺りにある本などに意識を集中させていると、遂に集合時間がやって来ました。(しかし、前の回が押していたらしく、実際の案内はそこから約1時間後になされることとなる……。)
 そうして遂に、私を含めたオタクたちは建物の外に案内され、非常階段に整列。まぁまぁ風があったせいで、おそらくそれまでの間必死に宥めつけていた私のアホ毛が復活したこと間違いなし。いや、もうこの局面において、アホ毛の一本や二本なんて最早どうでもいい。
 待ち時間、雑魚携帯の電池残量が底をつき時間を持て余した私は列に並ぶ板垣瑞生のオタクたちをジロジロ見ていた(キモい)んですが、子供から大人まで、男性から女性まで、カジュアル系から綺麗系まで、とにかくいろんな人たちが同じ列に並んでいて。この、日常では混じり合うことの無い人々が、板垣瑞生という一人の人間に惹かれ、励まされ、今日この場所で一堂に会しているのか、凄……。と勝手に感動するなどしていました。本当に、本当に凄い。
 そしてこの時、非常階段付近では、近くにあるカレー屋さんの美味しそうなカレーの良い香りがプンプンしてたんですよね。めちゃくちゃ腹が減ると同時に、どう考えても気取って付けた香水の匂いがカレーの匂いに上書きされている予感。板垣瑞生のファン達が、一人残らずカレーの匂いに包まれる。いや、これはこれでよかったのかもしれない。この匂いの記憶が、いつかこの日を思い出すきっかけになるかもしれない。まだ冬の面影を残す涼しい風に運ばれてきたカレーの匂いに緊張をほぐされながら、しばらくの間その場で列が動くのを待つのでした……。

天国と地獄


 とうとう上階からの呼び出しがあり、今まで居た場所から一気に階段を2フロア分駆け上がる。それによって物理的に止まらなくなる動悸。完全に運動不足のツケが回ってきている。しかし初めて会う人間の目の前でハァハァ息を切らしているのはどう考えてもキモすぎるので、必死に呼吸を整えて、いざ中へ。

 中、薄暗ぇ…。暗くて静か……。

 我が推し・板垣瑞生が居ると思われるドデカい板の先だけが暖色のスポットライトで照らされているのが見える。なぜか漠然と、トムとジェリーのトムが天国に行くあの回を思い出した。いや、あながち間違っていないかも。推しと会えるなんて現実味がないし、天国にいくようなものかもしれない。

トムとジェリー『天国と地獄』

 会場のライン構成は簡単で、入る、消毒する、荷物を預ける、部屋の奥へ進みパネルの向こうでカレンダーを受け取る、荷物を受け取る、入口と同じ扉から退散する、という流れ。
 ということで、晴れていちオタクとしてオタク回転寿司のレールに乗ることに成功。耳を澄ますと奥からなんだか薄らと聞き覚えのある声が聞こえてくる。もしかして、もしかしなくてもこの声は………。
 推しの姿が見えたのは、私の一個前の方のターンが回って来た時。そう、私の一個前の方、男性だったんですよ。背高いな~、いいな~、などと思いながらその後ろをついていくと、遂に彼のターンが回って来た。その彼が歩いていって、その先に居たのがそう、板垣瑞生。

 ………………ッえ??????
 なんでそんなにキラキラしてんの………????
 眩いが………………?????????????

 なんかもう、SNOWか何かのフィルターでもかかってんのかってくらいキラキラだったんすよ。我々がせっせと五百円払って刹那的に手に入れるプリクラの盛れ具合が、生まれながらに標準装備されている。芸能人、とんでもねぇ………。まだどこか他人事のようにそう思いながら、ファンの彼を見上げる板垣瑞生、を見上げる私という構図に。そしてとうとう私のターンがやってくるのでありました………。

想定外の事態


 すぐ目の前に立つ有り得ないほどキラキラした推しに恐る恐る歩み寄る。手元には私に手渡されるであろうカレンダー。そして何故か、そのカレンダーを見つめながら静止した推し・板垣瑞生。

 ……アレ?これどうなってからがスタート?もう始まってんの?てかカレンダーってどのタイミングで受け取るもんなんだ???

 混乱の中、恐る恐る「あの……、」と声を掛ける。すると、パッと顔を上げた板垣瑞生と目が合う。

 目が、合う。
 ………あれ、ちょっと待て、もしかして今…………

 板垣瑞生が私を見てる~~~~~~~ッ!?!?!?

 いや、カレンダーイベント、"私が板垣瑞生を見る"ことまでは理解出来てたんですよ。そりゃ私が板垣瑞生を見に行くイベントなんで。だがしかし。いや、これは単純に私が馬鹿なだけなのかもしれないが、何故か私は"板垣瑞生が私を見る"ことを想定できていなかった。想定外の事態に一瞬にして脳がフリーズし、一気にIQ値が爆下がり。両手を前に出し「ァ…、ァ……、」と鳴くカオナシモードに突入。目の前に居る板垣瑞生は弾けんばかりのにこにこスマイルでこちらを見てくれているが、その目線は若干泳いでいたような。それもそのはず、目の前に立つ私はザ・挙動不審といった様子で、恐らく目の前でブレにブレる私の残像をあのキラキラな目で追ってくれていたに違いない。そう思い込ませていただく。もうなんか、何も思いつかなかったです。ダメ。言葉ってなに、おいしいの?状態。完全なるタイムロス。そこからようやっと口から出たのは「エット…ハジメマシテ……」という謎挨拶でした。

 ……はァ???はじめまして?????テメェが初めてかそうでないかなんて今マジでどうでもいいが????

 脳内で自分で自分をドビーばりに叱り付けた後、ここでなんとか正気を手繰り寄せ、会話をスタートさせることに成功。

「あの、演技大好きです」
「ありがとうございます」
「昨日公開された”いつまで”、今日見ました」
「ありがとうございます、どうでした?」
「なんか……私も頑張らなきゃなって思いました」

  …………いや、感想薄すぎん???もっとあったやろ????

 いつまで、とても励まされて考えさせられた作品なので、伝えたいことがたくさんあったのに……、、簡単なものでも、喫煙シーンありましたね、とか、今日ここに来る途中2回目見て来ました、とか、もっと言えることあっただろ。馬鹿なのか??????しかも、初見は今日じゃなく昨日だぞ?????何一つコレクトアンサーを叩き出せていないが??????

 アワ、、アワ、、、、となっていたところ、ここでとうとう、後ろからトントンと肩を叩かれる。これが"剥がし"ってやつみたいです。初めてすぎてそれについても想定できていなかった私は、突然背後を取られたことにビビり散らかし、またもやカオナシモードに突入。「ァ…、ァ……、」と言いながら文字通り後ろ髪引かたような中途半端に後ろを振り返った謎体勢で去りゆく私の背中に「足下お気をつけください」と伝えてくれたのはマネさんでしょうか。スタッフさんでしょうか。とにかくありがとうございました。お陰様で推しの目の前で大転倒などという失態を犯さずに済みました。

オタクの視野


 そこからは平静を装いながら荷物を受け取り、一目散に階段を駆け下がって元いたフロアに戻りました。別に平静なんざ装わなくても良いわけですが、プライドくんが「そうは問屋が卸さない」と煩いので……。
 そう、今更ですが、私は当日、かれこれ7年くらいの付き合いになる別沼のオタク友達に付き添いに来て貰っておりました。優しいよね、ありがてぇ。彼女もつい先日推しとの対面を果たし骸となった経験者だったので、非常に心強い味方。というわけで私は彼女の元にダッシュで帰還しました。私が帰還した際、彼女は丁度、その場に居ないもう1人のオタク友達と私の安否を案じながら電話をしていてくれたので、電話先の冷静な友に感想を話すことになりました。といっても、いつまで経っても私の口からは「ヤバい」「キラキラ」しか出てこないので、まだ海馬が正常に起動しているうちになんとか記憶を整理すべく、オタク友達は私にいくつかの質問を投げ掛けてくれました。非常に優しい。その際の私の陳述内容は以下の通り。

Q:どうだった?
A:想像の倍以上キラキラしてた。なんか目がとんでもなくうるうるでキラキラだった。
Q:髪型はどんな感じ?
A:なんか多分巻いてたと思う。なんか、フワフワだった。
Q:服は?
A:なんかとにかく青かった。とにかく青いコートを着ていた。


 さて、ここでカレンダーイベント当日の板垣瑞生氏の写真を振り返ってみましょう。


イベント当日の板垣瑞生


 ………お分かりいただけますでしょうか。そうです、当日の板垣瑞生は髪を巻いていなかったし、服装だって、"なんかとにかく青い"というほど真っ青でもありませんでした。つまり、です。私の供述を元にまとめますと、これが初めて推しに会ったオタクの視野ということになります。


オタクの視野

  

 ……………せ、狭ェ~~~~~~~!!!!!!!!!

 なんてことだ。大部分見逃してるじゃねェか。正気か???二度とねぇチャンスだろ????端から端まで照準合わせろよ??????板垣瑞生脳裏に即焼き付けろよ?????????
 ……しかしながら、コレが推しを目の前にしたオタクの限界です。驚きの視野の狭さ。残念無念。全容を把握したければ十何周かする必要がありそう。ディアゴスティーニ方式で各パーツごと分割して目に焼き付けていかなければ。だからみんな何周もするんだな……。やっと意味が分かったぞ……。

おわりに


 というわけで、以上が私のタイマンイベント初参加で起きたあれこれの感想になります。いやぁ、主に語彙力・視野の面で後悔が残りましたが、とりあえず会話が出来たこと、カレンダーを受け取れたこと、そして何より推し・板垣瑞生氏に会えたことによりオールオッケー!いや、もう百点満点ですよ。推しに会うって凄いっすね。今でも突然フラッシュバックに襲われて仕事中ニヤニヤしてしまいます(キモい)。何を言われても「まあ私はこの間の土日に板垣瑞生とタイマン張って来たんだけどね?」と思えば乗り越えられる。板垣瑞生、ありがとう。わざわざ土日をオタクたちに費やしてくれてありがとう。いつも色んな作品でオタクたちの度肝を抜いてくれてありがとう。こういったイベントを通して素の姿を見せてくれてありがとう。とりあえず、ありがとう。本当に、やさしさに包まれて幸せに生きてくれ。私も幸せに生きるから。
 そう、個人的な話になるけれど、ちょうど4月から海外赴任で国外に引っ越すことが決まっていて。なので、海外に引っ越した後は心機一転、このカレンダーを見ながら日々頑張ろうと思います。遠くからにはなりますが、これからも応援を続けていけたらいいな。私が次に参加できるのは25年カレンダーイベントになるかと思います。参加が叶えば是非とも今回の経験を活かしたい所存。待ってろよ、推し。待ってろよ、板垣瑞生………!!!必ずあの場所に舞い戻ってやるからな…………!!!!!

以上、お読みいただきありがとうございました。
ハッピーターン・みきを