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みっきーのリアル登山者の端書き#777『山での幸運』

スリーセブンというラッキーな投稿回ですので、今回は山で運がよかったお話をしたいと思います。

私は以前に双六岳という山に妻と登りました。
槍ヶ岳と薬師岳方面を繋ぐような場所にある山で、そこにテント泊登山をしに行きました。
その夏はアルプス登山を6座挑戦しており、お金をかなり使ってしまっていたので双六岳登山はできるだけローコストにしよう、という試みになっていました。
ですので名古屋から登山口になる新穂高ロープウェイまでは下道を使い、山小屋を利用せずテント泊で滞在することになりました。

水平距離10km、標高差1500mを20kg近いテント泊装備で登るというのは、私自身でも初めてのチャレンジとなり、道中のペースはかなりゆっくり目となりました。

そんな当日の道中の天候は空には青空の切れ間があるものの、本来なら見えるはずのアルプスの稜線は雲の中という残念なことになっていました。

双六小屋にたどり着き、本来はその日のうちに双六岳山頂まで登ってくる予定は諦め、翌日が晴れることを願いました。

ところが、翌朝起きてみると逆に雨がぽつぽつと降り出しているくらい。
出発の準備をしているうちに雨はやんでくれましたが、曇り空は変わりません。

私は前日の行程でくたびれていたうえに、曇りの山頂はあまり関心がなかったのですが、曇りでも一応山頂にはたどり着きたいという希望が妻にはあったので、とりあえずはと挑戦することになりました。

山小屋から少し登ると、そこは深い雲の中。時には視界が10mも利かないほどの白さに包まれながらも山頂にたどり着きました。

山頂の標識以外、山頂らしさが何もない真っ白な背景の記念写真を撮った後、ゆっくりと下山を始めた時でした。

急に風向きが変わり、周りの雲がどんどんと流されていきました。
やがて周りには、鷲羽・水晶などの北の山々、南東には槍ヶ岳を始めとする穂高連峰という、絶景の大パノラマが広がったのでした。

これは本当に「運」としか言いようがないことですが、妻がチャレンジを言い出さなかったら、決して出会うことはなかったでしょう。

とりあえずやってみる、という姿勢があればこそ、運はやってきてくれるものだと思います。

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