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舞台『OVER SMILE2024』感想

先日観に行ってきました。
まだ配信で観られるのかな?
DVD、Blu-rayも発売するようなので興味のある方はどうぞ。


なんせ2時間30分の舞台なのであらすじを説明するのが難しいのですが、異能力バトルやタイムリープなどの少年漫画要素を盛り込んだ華やかな衣装の三国志(若干の語弊あり)の中、平和を願う少女と主人公のプラトニックラブストーリーが主軸となっており、男女ともに楽しめる作品になっていると思います。

平和を願う少女というのが、耳が聞こえないものですから手話を使うのですが、会話中モニター(?)に台詞が表示されるのが、これも漫画的な演出で面白かったです。

私の推しは赤の国の総督で偉い人シュフの役なのですが、
無為な争いを好まず、自分から戦を仕掛けるようなことはせず、その妻ミヤビは早く戦を終わらせる為に仕掛けていくべきだと意見するのですが、相手にしません。
そんな推しの妻に赤の国の軍師リュウソウは「私ならそうはしません」と甘言を囁くのです…
ね、寝取られ…←

これね、推しの役は悪い事はしていないんです。
客観的に見て寝取られた妻が悪いとは思います。
でもね、劇中の台詞で
「同じ国でも意見の違う者もいる」みたいなことを言っていたり、おそらく妻が軍師とデキてることに気づいていそうなシーンがあった上で妻から目を逸らすシーンがあるんですね。

この物語の中でメインヒロインの少女は、耳が聞こえないから唇を読んだり手話を使わないと対話ができず、目を逸らされない為に笑顔を作っている、と説明されているんです。見てもらえなければ対話ができないから。

推しの役って、見えているし聞こえているのに対話をしようとしていないキャラクターなんですね。
彼が妻や軍師を制御できていたら…と考えると、総督として、夫として、出来ることがあったように思えてなりませんでした。
中華風の衣装は好きなのでビジュアルは悪くなかったのですが、その不器用さがもどかしいキャラクターではありました。
優しい人が他人を傷つけないとは限らないんですよね。
青の国の女騎士ジーナと精神的に通じるものがある、みたいな描写があって、妻と軍師に裏切られ殺されそうになる場面で彼女が助けに来てくれるのですが、浮気してないのに危険を顧みず助けに来てくれる女性がいる状況にもモヤッとしてしまいました。
青の国と友好的な関係になりたいのなら、青の国を訪れた際に会いに行くべきなのはジーナではなくレオナだし、ジーナとの関係性はそんな下世話なものではないと頭では理解していても、言葉を交わさなくても通じ合える女性が妻以外にいるというのは…
もう少し段階を踏んだ説明が必要かなと感じました。
妻やジーナとの過去シーン求む(推しの出番増やしてほしいだけでは??)

説明が必要と感じたのは緑の国のメアリーとミズーリに関してもそうです。
オープニングのモニター(?)で役名が一瞬入れ替わる演出があり、お??と思ったのですが、彼女達が育つ環境を入れ替えられたというのは本編初見でも気づける演出があると良かったと思いました。
きっと複数回観れば役者さんのアイコンタクトや表情の演技などで気づきがあったのでしょうが、複数回観ることが前提になってはエンタメとして不完全だと思います。

メアリーやミヤビ、ジーナはビジュアルもキャラクターもとても魅力的だったので、メインヒロインではありませんがもっと説明が欲しかったですね。

全体的によくまとまった脚本だとは思いますが、助からなかった人間がご都合主義(主人公とヒロインを除き、改心しなさそうなキャラクターだけが死んだ)、クズ男や悪女キャラの改心が早かった(これは一度死ぬ思いをした状況を異能力により再現されニ度経験したことにもよるとは思いますが)のもちょっぴり不満でした。
十人十色、それぞれ違う考え方の人間を受け入れる、というテーマを掲げている以上、リュウソウのような人間も救うべきだと思うんですよね。
物語をいい感じに終わらせる為に殺した感は否めなかったです。リュウソウ、いいクズでしたよ。
個人的にはシュフとリュウソウの演者入れ替えても面白いと思います(推しのセクシー寝取りキャラが見たいだけです)。

この演目過去にも上演されてるんですけど、平野良さんがレイ(主役)だったと聞いてリュウソウじゃないの?!とびっくりしました。
私がキャスティングするなら平野良さんは絶対にリュウソウ。
今回の沖野さんのレイとても素敵でした。
ああいう無骨そうな大きい男性が可憐な女性と織り成すプラトニックラブストーリー、良きですね。
推しにもそういうの演ってほしいけど、推しはレイではないんですよねー…あんなに素直じゃない笑
不器用で言葉足らずでなかなかデレなくて、だけど一途で誠実で言語より背中で語る、みたいなのが似合っちゃうんですよ、推し。まあ今回だとシュフかなぁ…

友人も言っていたのですが、レオナの年齢イジリやなんかの所謂笑わせたいシーンの温度感は合わなかったです。
ストーリーの本筋は悪くないだけに勿体なかったかな。
あそこで一旦拒絶する必要性は分からなくもないのですが、観劇に来る層を考えると…ピチピチのJK(死語)ばっかりじゃないので…

恵太がウエイトレスに鼻の下を伸ばして弥生にキレられるくだりは面白かったです。

推しが最後に生きていたのは嬉しかったけれど、物語としては死んだままの方が生々しくて良かったかもねーなんて同担と話していました。
DVDにはバクステ映像なども収録されるようですが、果たして推しは映り込んでいるのでしょうか。

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