見出し画像

3つの「こ」が重なったうつからの脱出

私、昨年1年間は「うつ」だった。

実は「うつ」の時期は、自分が「うつ」になっていると気づかないもの。

私の場合は、さらに「ロナ禍」・「更年期(うねんき)」・「ども(校生)の問題」という3つの「こ」が重なって、「うつ」に気づくのが遅かった。

「うつ」から浮上したと思えることがいくつかあって初めて、「ああ、あれはうつだったんだ」と気づいた。

コロナ禍では誰でも精神状態が悪くなる

コロナ禍で行動制限があり、自由に外出できない。行きたいところにいつでも行けるわけではない。会いたい人にも会いにいけない。様々なイベントが中止になる。もともと出不精だった私でも、さすがにこれだけ長期になると宿泊を伴う旅行に出かけたり、気軽に外食したりというような気分転換がずっとできていない。

さらに、私の場合は、1年に一度は必ず風邪をひくほど、健康には自信がなかった。風邪をひくとしばらく咳が長引き体力を消耗するのだが、熱が出たときには体がリセットされたような爽快感を味わい、これでしばらくは風邪をひかずに済むと安心したものだ。ところが、コロナ禍では風邪でもひこうものなら、咳や熱が出たら、ますます行動制限がかかる。仕事が立て込んでいるときには、急に休むことがないよう体調を整える習慣があったので、その延長がずっと続いているようなものだ。そのためにも、絶対に無理しないという制限を自ら課していた。

更年期はある程度進まないとわからない

更年期とは、日本産科婦人科学会によると、定義は次のようである。

月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。

つまり、「更年期」は閉経の時期がわからないと確定せず、「閉経」が確定するには最終月経から1年たたないとわからない、しかも個人差が大きいのである。

私はアラフィフと言うにはおこがましい年齢になっているのにまだ閉経が確定していないので、更年期には入っているけれど、これがいつまで続くのかがわからない状態だ。そして、更年期の症状として特有のホットフラッシュは有名だけれど、それ以外の症状は更年期でなくても起こる可能性のある症状で、年齢的に「老化」に当たる時期でもあるので、あまり情報が少ないというのが現実だ。

私より上の世代は今よりも出産年齢が若かったので、子どもが成人して子育てが一段落する時期と更年期が重なることも多く、精神的な症状に至っては「空の巣症候群」と一緒にされていたのではないかと推測する。

思春期の子どもの問題

出産年齢が上がってきた現代では、親の更年期と子どもの思春期が重なる人も増えているだろう。思春期=反抗期ととらえる人も多いが、思春期も更年期もホルモンバランスが乱れて心身に不調が現れるという点では同じである。しかし、親子が同時にこの状態になっているとどういう問題が起きるのか、そういう情報も少ない。親が健康であっても思春期の子どもの問題に向き合うのは大変なこともあるのに、不調だったらなおさら辛い思いもするだろう。

私の場合

我が家の場合は、これに加えて夫の定年間近問題が加わる。今まで同じ1つの会社でずっと働き続けた夫は、定年後の生活をかなか思い描けないようだ。定年後、今より低い待遇で雇用を継続してもらうよりは、別の道を考えた方がいいというところまではたどりついたものの、それ以上先のことは考えたくないようだ。そのストレスが家の中にも影響を及ぼしている。

夫の転勤で引越しや子どもの転校のサポートのため専業主婦を2年間経験した後、子どもが高校生になって「義務」教育から解放された私は、少し身軽になって出産前のようにいろいろやりたかったことをやるつもりだった。ところが、「やる気」が出ないのだ。好きなことはあるし、時間ができたらやりたいと思っていたこともある。なのに、今やりたいと思えなかったのだ。

どうしてだろう? なぜ、過去にできていたことができなくなってしまったのだろう? その気持ちが、「老化」のせいだと思ってしまったのだ。

若い人に励まされても、「若いからできるんだよね」と思ってしまう。できなくなってしまった状態がこれから人生の終わりまでずっと続くことを想像して、絶望してしまう。

折しも、ストレスで耳が不調になり、更年期対策として何年も前からずっと飲んでいた漢方薬をやめ、西洋医学の薬をしばらく飲むことになった。薬嫌いの私にはそれが苦痛で、食欲も失せ、瘦せてしまった。髪を洗うたびに髪が多量に抜けるようになった。月経前に苦痛を感じていた胸の張りがなくなって脂肪も減った。記憶力がさらに落ちてきた。老眼が進んできた。アレルギーの症状がひどくなった。寝ているときにも体に力が入って休まらなくなった…。これでは、「老化」のせいだと思っても仕方がないことだった。

で、どうしたか?

くよくよしていても仕方がないので、やれることをやってみた。ただ、やる気がないときには、何をするにも「やらなければならない」ことになってしまうのだ。

運よく声をかけていただいてもらえた仕事だけは、年齢を重ねると回ってこないかもという不安もあり、淡々とこなすことで対処した。

時間薬が効いたようだ。

近年は自分が本当にやりたい仕事を模索していたのもあり、短期間に仕事が変わることが多かったのだが、今の仕事は半年以上続いている。専業主婦だった間に、自分のためだけにお金を使うことに遠慮がちになっていたことにも気がついた。少しでも稼げるようになった分、もっと自分に投資してもいいのではないか? そう思えるようになった。

やりたいことがまた出てくるようになった。趣味の一つである楽器演奏。これについては、別の記事で書きたいと思う。

所属しているオンラインコミュニティでも、やる気が出ないのでアーカイブを見るだけで精一杯、Zoom参加しても聞くだけになってしまうことが多かったが、また話をすることができるようになってきた。

少しずつだが、ワクワク感が復活してきている。記憶力も少しだが戻ってきた。このまま衰えて人生を終えるのではという不安がなくなった。

まとめ

うつは急にはならない。でも、うつになった時には自分ではなかなか気づけない。うつになる前の状態をよく知っている人でないと、身近な人でも気づかないのではないか? コロナ禍でいろんなことが変わってしまったのもあり、決定的な判断は難しい。ただ、うつになっても復活することは可能だ。時間はかかるかもしれないが、元の状態にいつかは戻れるという気持ちが大切なのではないかと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?