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未来なんて設計しても仕方ない



「最終面接での出来事」


私が面接官として、20代の女性の最終面接をしたときのことです。彼女のキャリアプランを聞いてみました。すると、子育てや収入について、とても綿密に計画を立てていました。自己分析の資料は50枚以上にも及び、自分のプランと最も合致する会社に行こうと考えていました。
彼女は人や社会に対する愛に溢れ、真面目に物事を考える努力家でした。そんな素晴らしさを感じて、面接中にもかかわらず、アドバイスをしました。

「あなたの努力や思いやりはとても素晴らしい。一方で、計画を立てすぎると、自分の思い込みが強化されて、あなたのその素晴らしさを発揮する可能性が狭まってしまうよ。これからやったことのない世界に飛び込もうとしているのだから考えすぎずに気楽にいる、というのも大切だよ。」

「初めての転職の難しさ」


これまで13年間転職支援をしてきて、特に初めての転職を考えている人が次の会社のことをイメージする難しさをたくさん見てきました
今の業界、今の会社しか知らない人にとって、違う会社をイメージすると言うのはとても難しいことなんです
大学生が最初の仕事を選ぶ場合は尚更難しいです。

以下のタイプの方には同じ傾向があります。

  • 内省するのが好き

  • 分析することが好き

  • 計画を立てるのが好き

  • 真面目

  • 不安があれば先に手を打ちたい

  • 心配性

 

「計画的偶発性理論」


私が好きなキャリアの考え方に「計画的偶発性理論」というものがあります。これはアメリカの教育心理学者グランボルツ教授が発表した理論で、

「キャリアの8割は偶然によって決まる」

という考えです。

どんなに計画しても、キャリアはほとんどその通りになりません。
例えば

  • 異動の辞令が下る

  • 社内で突然やりたい仕事の公募が開始される

  • 突然社長から大きな仕事を任される

  • 親友から自分の会社に来ないかと誘われる

  • 一緒に働いていたメンバーがいなくなる

  • 自分や周りの人の体調が悪くなる

  • パートナーが海外転勤になる

皆さんにも、想定していなかったチャンスやアクシデントがたくさんあったのではないでしょうか?
5年前、10年前のあなたは今の自分を想像できましたか?
どんなに計画しても、その通りにならないのがキャリアであり人生です。
 
クランボルツ教授は自分のキャリアを良くするためのカギは、計画ではなく態度であるとして、以下の5つの状態でいることが重要だと説明しています。

  1. 好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること

  2. 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること

  3. 楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること

  4. 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること

  5. 冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと


重要なのは態度、心構えをどうしているくかであり、大事なのは、今をどれだけ自分らしく生きるかということだと思います。

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