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日本保守党~不協和音

百田尚樹氏の動画での発言が波紋を呼んでいる。東京15区衆院補選で立候補した飯山あかり氏との距離を感じさせる内容を発信。他にも日本保守党周辺で諸々の指摘がXでなされ、界隈をざわめかせている。もちろん、当人は火消しに躍起だ。

私見ではこれをもって日本保守党が飯山氏を見切った、とは思えない。だが、それまでのもちあげぶり、例えば衆院補選最終日の“飯山あかりは総理大臣になる!”という百田氏の街頭演説とかを考えると、あまりにも落差を感じる。いったいどういうことだろう?

それを理解するには、この党がどのような党であるか、をまず考えなければいけない。この党がどうやってできたか、どのように運営されているか。単純明快である。百田尚樹氏と有本香氏の考え一つ。このふたりの考えひとつで党ができ、ふたりの動画で宣伝をして“支持者”を獲得し、党勢を広げた。組織があるとすれば、この“ふたり”。

もちろん、党には役職もあるし職掌分担もある。しかし、そんなものはこのふたりの裁量次第。日本保守党の党員規約第8条には品位を汚す行為を行ってはならないとされ、第9条に処罰規定が定められているが、品位を言うのなら本来であれば真っ先に処分されるべきは百田尚樹自身ではないのか。しかし、この党にそんな理屈は通用しない。

そもそもLGBT理解法に反対することがきっかけで党を立ち上げながらLGBT推進の河村たかし名古屋市長と連携した時点で矛盾の塊でしかない。合意したからOK、ということだが、はたから見たら単なる数合わせの政治をやっているとしか思えない。

そうして考えると、飯山氏に対して掌返し、ということは可能性として考えりことはできる。東京15区補選で飯山候補はかなり健闘した。全くのゼロからここまでやったことに飯山あかり氏は自信も持ったことだろう。しかし、飯山氏の地位が上がり党内の発言が高まれば“ふたり”の組織にとっては目障りな存在にもなりうる。組織にとってはマイナスだろう。

日本保守党は今後もこの“ふたり”で運営されていくと思われる。飯山氏と日本保守党がどうなるかはわからないが、党がこのような個人商店である限り、少しでも目障りな“外部人材”は排除されよう。逆にもし放置すれば分裂の火種になる。どちらにしても時間とともに衰退していく運命だろう。

同じような団体に日本第一党というのがあり、こちらは桜井誠なる人物が組織そのものだった。やはり側近などが次々と排除され党勢は衰えた。日本保守党もこのままだと同じ道をたどることになる。歴史は繰り返す。


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