ギアーツに聞きたい

最近、自分がもつ人間観(=人間とは何かについての価値観)の変化を感じるので、記録しておく。
私はここ10年くらい、クリフォード・ギアーツの『文化の解釈学ⅠⅡ』と出会ってから、人間は意味の網目に囚われている生き物だと素朴におもっていて、その意味の網目は当然、生まれてから生きていく間に経験を通して作られていくとおもっていた。
それが最近、「人間は生まれながらにして個性的な生き物」という価値観が入ってきた。
この価値観は、生まれてから経験を通して意味の網目を作っていく人間の理解を少し複雑にする。
生きていく中での経験と、生まれながらの個性のどちらが、意味の網目の作成により大きな影響を与えるのか。
生きていく中での経験だと思っていた。
だから、ライフヒストリーの聞き取りをして、経験の意味や価値を分析することを研究の手法としてきた。でも、生まれながらの個性かもしれない、と思えてきた。生まれながらの個性が重要だとしても、研究としてやることは、生まれてからの経験を聞き取って、その意味や価値を分析することに変わらないのかもしれないけど・・。

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