いつか嬉し涙に変わる日まで
兄が結婚して、寂しいワタシの話
ワタシの4つ上の兄はとってもいい人なんだ。
高校入試の面接では、「憧れの人は誰ですか」と聞かれた時「兄です」と答えたくらいに。
当時兄は、歌手を目指していた。
歌手で成功させることは難しいと分かっていながら、夢に向かって上京して、歌に夢中な兄が輝いて見えた。
それに寛容で妹思い。
兄とは色んな思い出があるんだ。
ワタシがガキンチョだった時、亭主関白な父はよく母と喧嘩をしていた。
いつもよりハードモードな日は、兄から「家出しよ!」と言われ、ワタシ「いいよ!」とお年玉をかき集めて、パジャマにサンダルを履いて、ダッシュで家を飛び出した。
すぐ見つかってしまったのは今でも悔しいけど、アクションを起こしたおかげで鎮火したからまあいいか。
ワタシが反抗期+不登校だった時は、両親の言葉1つひとつがムカついてたまらなかったけど、兄の言う事だけはきいた。
ワタシと両親の仲介者だった。
ワタシが初めてライブに行ったのは、兄が誘ってくれたSuchmos。
その時Suchmosのサの字も知らなかったけど、誘われたことが嬉しくて沢山聴いて2人で参戦した。
あいみょんのライブにも行った。
「おっぱい」が流れた時、隣にいた兄を見ることは出来なかったが「tower of the sun」が流れた時、兄が泣いていたことは知ってる。
ワタシも上京してからは、誕生日ディナーでサプライズケーキを用意してくれたり、雨の日の新大久保では相合傘をした。
傍から見たら兄妹とは思われないだろうな。
そんな兄は夢だった歌手を諦めて、結婚の準備のために実家に戻り、父親の自営業を手伝うことになった。
兄が東京で花を咲かせることが出来なかった分、ワタシは花を咲かせるまで実家に帰らないと心に決めてる。
昨年の夏頃、兄が結婚した。
表向きでは祝福したけど、内心遠くへ行ってしまうようでとても寂しかった。
もう、2人でライブにもカラオケにもご飯にも行けない。
兄妻はとってもとってもいい人なんだけど、3人じゃなくて、2人でどこかに行きたいンだ。
実家でギターを弾きながら歌を歌いたいんだ。
兄が実家にいた期間に帰省するのがとっても楽しみだったんだ。
※兄妻のことはとっても大好き
この間、家族行事になっているカラオケ大会をした。兄妹2人でデュエットをした時に練習をしなくてもチラッと目を合わせて息ぴったりに歌えちゃうあたり血の繋がりを感じる。
とってもシアワセだった。
中学生の頃、血が繋がってなかったら好きになってたと考えたことがあるくらい酷くブラコンなワタシ。
お兄ちゃんみたいな男の人明日降って来ないかな。
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