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普通ってなんですか? 小説「二木先生」が心に刺さりまくった話

久しぶりにこんなに心に刺さる小説と出会ってしまいました。
本屋さんで、「一生本棚に置いておきます」と書かれたポップを見て購入したのですが、ポプラ社小説新人賞は伊達じゃあなかった…
私もずっと手元に置きたいと思った作品です。
今回は主観マシマシで感想を

ネタバレなし感想

まだ読んでいない方もいると思うので、先にネタバレなしの感想を書こうと思います。

率直にこの本の感想をいうと、
すごく共感できる人と、そうでない人で感じ方が180度変わりそう
です。

ストーリー自体はとてもドキドキするような展開で、すごく面白いのですが
登場人物に共感できない人も出てくる作品だと思います。
もちろん共感できなくても、違った見方ができて楽しめるので心配しなくて大丈夫ですよ!!
ただどうしても無理という人もいらっしゃるかもしれません

人によって感じ方が変わる作品というのはとても面白いと思います!

共感してしまった私は、過去の出来事や自分自身と重ね合わせてしまってとてもグサグサ心を刺されました。
途中でもうやめてあげて…(痛い表現はないので安心して下さい!)と言いたくなる場面もありましたが、最後は解釈がそれぞれできるようなラストで良かったです。

高校生の時って色々あるじゃないですか
楽しいことも、思い出したくないようなことも。
自分とは違う生活を送っている登場人物ですが、高校生活を思い出してしまいました。
青春の形は人それぞれですよね
懐かしいな…笑





ネタバレあり感想

もうやめてくれ…
人によったら傷を抉られるような感覚になったのではないのでしょうか。
私は二木先生にとても感情移入してしまいました。
この作品自体、二木先生は小児性愛者であり、あまり触れられてこなかったことを取り上げていていますが、普通といった枠組みに入れない人はどう生きて行けばいいのか、どう生きているのか、そういった内容がすごくヘビーだなと感じました
しかしそういったことを通して、自分の生き方を見つめなおすような作品でもあるなと思います。

というのも私自身、普通という枠組みに入れないことが多かったんです。
学校などで集団生活をしていくときに、輪を乱す人は排除されてしまいます。
孤立したりいじめられるのが怖かったので、私も二木先生のように擬態して生活していました。
そのような生活を何年も続けているのはやはり辛いんですよね…

努力しても変えられない部分はあるし、
どうしようもなく自分は自分だと突き詰められてしまう

どれだけ変わろうとしても自分は自分なんですよ

もう二木先生の足掻きが見ていて心が苦しくなる
自分の恋愛対象を認めているけど、受け入れられなくて自分に罰を与えているような感覚かなと感じました。
一歩間違えれば犯罪ですからね…

普通ではない人は普通に生きれないのでしょうか
普通ってなんでしょうか
と考えてしまいます

最終的には広一が自分の生き方を見つけ出し始めたようなラストで、個人的にはとても好きなのですが、物語が終わった後も人生は続いていくと考えると
生きるのって疲れることも多いよね
と思ってしまいます

でもまた読みたくなるような中毒性のある作品です





さいごに

学生の方もそうでない方もぜひ手に取って読んでいただきたい作品です。
初めて書いた本の感想で、書きたいことを書いただけの感想文になってしまいましたが、気になった方はぜひ!



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