家計・投資の相談、「中立性」確認 保険・投信、業者の収益源(備える&生かす)

・家計や資産運用の相談ニーズが高まり、FPやIFAの選択が重要となっている

・相談先が商品の販売利益を優先する場合もあり、信頼性と中立性を見極める必要がある

・中立的な助言を得るには有料相談を選び、報酬の仕組みや費用の内訳の確認が推奨される

 家計や資産運用の相談先は、FPや投資助言・代理業者、金融商品仲介業者(通称IFA)などがあり、それぞれ保有資格や助言の範囲が異なるほか、相談者が払う料金体系も違う
 注意したいのは金融機関に属さず「中立性」などを掲げても、実際はそうでない場合がある点
 例えばFPは保険募集人の資格も持ち、保険会社と提携する場合があり、相談料を無料にする一方、保険などの販売で手数料を得ていて、手数料の高い商品を売れば報酬が多額になる
 金融商品の販売仲介により手数料を得る仲介業者も同様の構造があり、「無料ではなく有料相談を選ぶのが一案だ」と話す千葉商科大学の伊藤教授によると、相場は1時間5000~2万円程度という

【所感】

金融商品を販売しないFPである岩城みずほ氏の「信託報酬が2%などと高く、顧客に見合わない高リスクの投信を仲介業者が販売するケースがある」との話や、投資助言業のRIA JAPANおカネ学社長の安東隆司氏の「信託報酬だけ見せる事業者もいるが、販売手数料や為替など実質コストも聞くべきだ」との指摘が掲載されているが、金融知識のない人が“信託報酬”だの“実質コスト”だのを最初から理解できるとは到底思えない。

中には有償での中立的相談をうたいながら、生命保険等の販売も行う事業者も存在しており、『有料=安心』ではないところも厄介である。

おおよそホームページを見れば、金融商品の販売を行なっている事業者なのか、そうでないかは判別がつくので、「無料相談が良い」と思っているのに、「貯蓄型の保険をすすめられただけ」だと文句を言うのは筋違いということになる。

今後は8月から、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が、金融機関から報酬を受け取らないFPなどを対象に『認定アドバイザー』制度を開始する予定だ。

相談の質や相談料の目安が分かる、「顧客からの評価」も公表が検討されているという。

これまで保険会社や証券会社などが、自社商品を販売するためだけに行なってきた『金融教育』を切り離し、認定アドバイザーが担って、個人が自身にとって必要な金融商品の判別がつくようにしたうえで、取引先の金融機関へは商品を選びにいくだけーーという流れをつくりたいらしい。

いずれにせよ、「販売しないFP」である可能性は、認定アドバイザーなら高いことになる。

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