投信、成功報酬型を投入 成績に応じた手数料 三井住友系など、初期費用抑制 「アクティブ型復権」狙う

・成功報酬型の投資信託の設定が拡大、アクティブ投信の人気回復を目指す

・三井住友TAMの「SMT iPlus」は、基本報酬を0.05%に設定

・成績を上げるために運用者が過度なリスクを取る恐れもあり、浸透には賛否

 27日から販売を開始する三井住友トラスト・アセットの「SMT iPlus」の基本報酬は0.05%で、楽天投信投資顧問が運用する業界最安のインデックス型投信よりも低い
 代わりに運用成績がインデックスを上回る場合、超過分の30%を成功報酬として徴収するのが特徴で、運用成績がインデックスを下回る場合は成功報酬は発生しない
 ETFを除く公募株式投信に占めるアクティブ型の割合は、13年の91%から23年9月には72%まで低下、コストの高いアクティブ投信は投資家から選ばれにくくなっている
 新NISA導入前に激化する手数料の引き下げ競争での収益確保と、銘柄選定をしないインデックス型投信では育たない優秀なファンドマネジャーや投資家の人材育成の2点が重要になりそう

【所感】

アクティブファンドに対しては、「コストが高い」だとか「10年で見た時にインデックスファンドに勝てるのは1〜3割程度」だとかいった理由から否定的な意見を持つ人が多い。

正確には、10年間の運用成績がベンチマークの株価指数を上回ったアクティブ型の大型株投資信託の割合は、アメリカが13.4%、ヨーロッパが21.3%、最多は日本で33.3%なのだそう。

裏を返すと、日本のアクティブファンドに関して言えば3分の1はインデックスファンドに上回る可能性があることになる。

事実、『DIAM新興市場日本株ファンド』という新興市場に上場された中小型株に投資するアクティブファンドは、信託報酬が1.52%というインデックス信者からすれば明らかに高い水準にありながらも、10年騰落率が424.18%と、商品分類平均の138.16%を大きく上回っている。

10年前にこのファンドに100万円を投資していたら512.9万円(年換算収益率41.26%)に、15年前から月1万円を積立投資していたら180万円が1,150万円(同35.91%)になっていたというから驚きだ。

残念なことに当ファンドは現在、買い付けの申し込みが停止されており購入することができないが、ぼくはこれまで、こういった事例もあることからアクティブファンドを探す面白さを肯定してきた。

ところが、どうやらアクティブファンドは直近の10年に限らず、これまでの20年や30年というスパンの中で10年を切り取って見た時に、“勝ち続けた”アクティブファンドはないというレポートを目にした記憶がある。
(探しても見つけられなかったので、見つけられた読者はぜひ教えて欲しい。読み間違いであったら大変申し訳ない…)

新NISAにおいて20〜30年程度の積立投資を考えていこうとする中で、これが事実なら看過し難い問題だろう。

少なくとも直近の運用成績だけを基にしたアクティブファンド選びだけはすべきでなさそうだ。

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