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無限の感動、400mという距離

400メートルという距離は、数値にすれば何も特別なものではない。しかし、その400メートルを娘と一緒に走った時、僕はまるで長い旅の終わりにたどり着いたかのような感動を覚えた。娘の小さな足が一歩一歩と地面を踏みしめ、僕と同じリズムで呼吸を合わせながら走る姿を見た時、時間がゆっくりと解けていくのを感じた。ほんの少し前、彼女は僕の手を借りなければ一歩も進めない小さな赤ちゃんだったはずだ。それが今では、自分の力で風を感じながら走り抜けている。

この小さな瞬間が、僕の心に深い響きを残したのは、彼女がいつの間にか成長し、僕と同じ道を、同じ歩幅で進んでいることに気づいたからだ。娘が持つ無垢なエネルギー、限りない可能性。それらがひとつの小さな体に詰まっていて、そしてそれが確かに花開き始めた瞬間だった。

僕は彼女の成長にただ驚くばかりでなく、その瞬間がもたらす喜びに、胸が締め付けられるような思いさえした。これから、彼女とどれだけの時間を、どれだけの距離を共に過ごしていけるのだろうか。想像するだけで、僕の心は温かい期待感で満たされる。

そして、僕たちはこれからも共に走るだろう。時には風を切り、時には静かな夕暮れの中を歩むように。娘と僕は、これからの未来を一緒に築いていく。400メートルは、僕たち親子の物語の、ほんの序章に過ぎないのだと、そう思わずにはいられない。

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