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灼熱の中のランニング:10km走で蘇るフルマラソンの記憶



ランニングは、時に過酷な挑戦をもたらす。特に真夏の炎天下でのランニングは、まるで灼熱の地獄を駆け抜けるかのような試練だ。そんな中、私は10kmのランに挑んだ。空は青く澄み渡り、太陽は容赦なく照りつける。この気候が、かつてのフルマラソンの記憶を呼び覚ました。

走り始めは軽快だった。足取りも心地よく、風が頬を撫でる。体は走ることに慣れていて、ペースは順調だ。しかし、徐々に太陽が体力を奪っていく。5kmを過ぎる頃には、汗が滴り落ち、呼吸が重くなってきた。それでも、足を止めるわけにはいかない。

残り2kmに差し掛かった時、ふとフルマラソンのフィニッシュラインが頭をよぎった。あの時も、体は限界を迎えていた。脚が鉛のように重くなり、頭の中で「やめろ」という声が響いていた。それでも、何故か一歩一歩を前に進めたのだ。

「限界とは、心が作り出す幻想に過ぎない。」

その言葉が脳裏をよぎる。フルマラソンで限界を超えたあの経験が、今の自分を支えていることに気づく。あの時は、周りの応援や仲間の存在が力になった。孤独に思えるランニングでも、実は一人ではないということを思い出す。

その瞬間、疲労に負けそうだった心が少しずつ復活する。足取りが軽くなり、呼吸が整ってくる。走ることの喜びが蘇り、ゴールへ向けてラストスパートをかける。

ゴール地点に辿り着くと、10kmという距離が持つ達成感が全身を包み込んだ。フルマラソンほどの距離ではないが、同じように心が試され、そして鍛えられたのだ。この灼熱の中での経験が、次のフルマラソンへの準備となるだろう。

私たちは、限界を超える度に成長する。そして、その過程こそがランニングの本当の魅力なのかもしれない。次はどんな挑戦が待っているのか、そんな期待を胸に秘めて、私はまた新たな道を走り出す。

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