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第一に、日本には原子力の安全運用を監視する機関はあるが、経産省の管轄下に置かれている。しかも、力のある産業を管理するだけの能力も予算も備わっていない。

ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所所長 
John Hamre 50年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大博士。クリントン政権で国防次官、国防副長官。00年より現職

第一に、日本には原子力の安全運用を監視する機関はあるが、経産省の管轄下に置かれている。
しかも、力のある産業を管理するだけの能力も予算も備わっていない。
この機関を経産省から分離し、国会直属の独立機関とすべきである。
新機関には、電力会社に必要書類を提出させ、検査官の前で証言させるだけの法的権限を与えることが必要だ。
米原子力規制委員会(NRC)がモデルとなろう。
 
福島の原発事故以降、米国の原子力規制当局と原発事業者はそれぞれ詳しい調査を実施し、米国の原発が学ぶべき教訓を探った。
NRCは調査結果を発表し、米国の原発は安全であるとしながらも、検査手続きを強化する新たな規則や措置の導入を勧告している。
興味深いのは、原子力発電業界も独自に同様の結論に達し、NRCの報告書が公表される前に自主的な取り組みを始めたことだ。
これはまさに、業界と規制当局との間に望まれる建設的な関係といえよう。
業界の動きがすばやかったのは、公の場でNRCから批判される事態を避けたかったからである。
…以下続く。

2024/3/10 in Tokyo

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