見出し画像

読書日記(1)

こんにちは、村崎沙貴です。読書日記第一回。今回紹介する本は、深海ゆずはさんの「こちらパーティー編集部っ!」です。「こちパっ!」の略称で親しまれているこの作品は、全16巻ある、角川つばさ文庫の人気シリーズです。雑誌の編集者になりたい中学1年の女の子・白石ゆのが廃刊になった超人気雑誌を転校してきた三ツ星学園で復活させようとするのですが、集まった仲間は問題児ばかり。怒られたりヤキを入れられたりととにかく修羅場続きでハチャメチャな物語です。

「こちパっ!」の魅力といえば、やはりキャラ。明るくてパワフルな白石ゆの、クールな「黒の王子」こと黒崎旺司、占いと呪いが得意で魔女(!?)貞子(!?)の異名がある銀野しおり、みんなのヒミツを握る不良の赤松エンマ、ナルシストで女好きなマンガ家の青木トウマとその双子の姉であるミヤなど。ちなみに私は、2巻で初登場する毒舌神父様(!?)な西園寺しのぶ生徒会長が好きです。

ただ、私が「こちパっ!」の最大の魅力だと思うのは、「深み」です。ギャグシーンが多いこのお話ですが、それだけではない。ゆの達が復活させようとする雑誌「パーティー」は物語の中で「光が強い分、闇が深い」と書かれていますが、これはまさに「こちパっ!」の物語の特徴を表す言葉だと私は思います。明るいシーンが多い分、登場人物たちの悩みも深い。事件の闇も深い。これに気付かずに読んでも面白いけど、こういう面があるから大人でも楽しめる。そんな児童書です。最近読み直してこの奥深さに気付き、感動しました。何度読んでも面白い。いくつになって読んでも新しい発見ができる。「こちパっ!」はそんな小説だと思います。