だいちゃんのこと⑥後記
だいちゃんが亡くなった日の翌日の夕方…空がものすごく綺麗な紫色に焼けていました。不思議なことに、今年の命日の夕方も同じ色の空を見る事ができました。だいちゃん、帰ってきてくれたのかな…
都合よく思いを馳せていました。
一年経っても悲しさ、寂しさは消えません。
だいちゃんが最期に検便してもらったうんちからは大量の虫が居たとの報告がありました。不調のまま過ごさせてしまい、苦しい思いをさせてしまった後悔は忘れる事はないでしょう。
だいちゃんの死後、他の4匹を自分たちで買い取ることを決意してレンタル会社の方に相談しましたが、レンタル会社の業態の問題で買い取りは叶いませんでした。レンタル会社の当社の担当者の方は良い方で、いつもヤギさんの事は真剣に一緒に考えて下さっていたと思います。
それでも、会社の方針や、ヤギファーストになりきれていなかっただろう部分があり、ヤギのレンタルという制度について思う事は大きく、どうしても問題定義として文章に残しておきたくてこの章を書く事に致しました。
前回の投稿にヤギさんを飼うにあたってのお願いのような事を書きました。
それに続く内容となります。
先ずは飼いやすい、丈夫な動物などいない
という事。
これは、環境を整えてやり、飼い主が愛情持って毎日接していればこそ作れる「状況から派生した事」でしかありません。
飼いやすい…ヤギはあまり鳴いたり怒ったりしません。だからといって、感情はあります。人間にとって「鳴き声が聞こえない」事が「穏やかで飼いやすい」という認識になっているだけです。
お世話が簡単…これも日常的に清潔を心掛けていればこその事。
お水替えは数日置き、小屋掃除も糞が溜まったら…そんな事ではダメです。確かに、気温が低い時ならお水はすぐには腐ったりしません。
うんちの状況が良ければ、小屋がどろどろに汚れる事もありません。
私は当初、レンタル会社の方がお水替えと小屋掃除をすると聞いていたので受け入れていましたが、毎日は来られていませんでした。
見かねて私がやるようになりました。
人間だってそうですよね?綺麗なお水が飲みたいですよ。
綺麗なお部屋に居たいですよね。
「お世話が楽ですよ」というセールストークではなく「最低限これだけはお世話して飼ってください」ときちんと仰る業者さんの方が優良だと思うし、ヤギを大切にされていると思います。
そして、ヤギはとっても仲間意識が強いという事。
コロコロ環境を変えてあちらこちらと行くのはきっとストレスだと思います。決まった環境、メンバー、お世話係…それが揃っていればきっとヤギ達は幸せって感じてくれると思うのです。
だいちゃんと水君が行った出張先は、六甲山で開催されていたアートイベントでした。だいちゃんと水君の姿が新聞にも紹介されていました。
だいちゃんの最後のお仕事となってしまいましたが、だいちゃんが生きていた証になるのかなと思い、これも思い出だとこの写真は残しておこうと思っています。
だいちゃんを失ってから、レンタルヤギさんの会社では色々な事を改善して下さいました。定期的な注射や削蹄。
それらは本来ならば最初からされていなくてはならなかった事だと思います。会社としても大きな教訓として頂ければと願うばかりです。
私も毎日少しずつ4匹の脚の爪を切るようにしています。
命を預かっているという想い。
いつもヤギ達からは教えられることばかりだという思い。
4匹を健康に長生きさせることが、私の使命だと思っています。
最後に、去年の10月の半ば…だいちゃんが亡くなって1か月目位の時…畑作業をしているときにチョウちゃん、海、凪、水君が畑まで来てくれました。その時、いつもヤギ達が畑に上がってくる坂道で風が「ザ―――ッ」と吹いて竹を揺らしました。
4匹は一斉にそこで立ち止まり、坂の下を微動だにせず見つめていました。
不思議なほど、約10分位動きもせず…
脚の悪かっただいちゃんは、いつも坂を上がってくるのが一番最後でした。
その時、その風がだいちゃんを連れてきてくれたのかな、って私は思いました。4匹はだいちゃんの姿をきっと見たんだと…。
私の勝手な想像です(笑)
4匹のヤギ達とこれからも一緒に暮らしていく。
いつか来る別れに思いを馳せる瞬間もあるけれど…
それはやっぱり幸せでしかない、と心から思っています。