身勝手な私を許してね。
恋人との決め事。
「異性とサシで飲むのはダメね」
付き合って盛り上がり最骨頂の3ヶ月。
お互い大好き大好きが盛り上がり過ぎて決めてしまった。
4年経った今。
「友達だからいいかな?」
と許しを請う私。
職人の父、兄2人。
男の中で育った私は男性といた方が気が楽で、かと言って女友達がいない訳でもなく。
両親の都合で久しぶりの故郷へと連泊が決まり
「どうせなら昔の知人と会いたいな」
当たり前のように考える。
だが、おや?相手は男性だ。お世話になった先輩。
頭に浮かぶ彼の顔「別に?いってくれば」と冷たく突き放す言葉。容易に想像がつく。
上がりに上がりまくった3ヶ月目の自分に言ってやりたい。
「そんな約束していいのか?おん?」
だが隠し事は嫌いだ。
(ホントに言えない事は置いといて。)
正直に話して許しを請うよ。
案の定「行きたいなら、いいよ」と。冷たい返事。
そりゃそうだ。彼女が自分じゃない男性と理性が緩む酒を交わすのだ。気が気じゃないだろう。
逆の立場なら…首は縦に振らない。
(ホントに何んもないし、浮気なんてする訳ないよ)
だが心の広い彼は許してくれる。
そう、私は甘えているのだ。
バツ2、子持ち、年上。
この三重苦を背負い、4年半も付き合ってくれている。
あぁ、なんて私は幸せ者なんだろう。
彼との結婚?そんなの、今の現状で幸せを与えてくれている彼に更に重い責任を課す事など、罰当たりもいいとこだ。
あぁ、自分勝手な私をどうかお許し下さい。
なにかあれば貴方の望み通りにいたします。
だから、まだ暫くはそばにいさせてください。
身勝手な私を許してね。
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