随筆 高齢者は、マニュアル車を運転したら!
1 高齢者による悲惨な交通事故
近年、高齢者の無謀な運転による交通事故やそれに伴う悲惨な事故が度々報じられてきた。そのため、高齢者には運転免許証を自主的に返納したり、運転を続ける場合には、自動ブレーキ等の装置がついている自動車の運転が推奨されている。
確かに、そのようなことによって、交通事故が減少することを私も願っている。しかし、それとは少し矛盾するように聞こえるかもしれないが、運転を続けたい高齢者に、私は敢えてマニュアル車を勧めたらどうかと思う。
2 マニュアル車にしたら、どうなるか
オートマ車を日ごろ運転している人には、マニュアル車は不便でならないだろう。まずクラッチをしっかり踏み込まないとエンジンがかからない。次にクラッチを急に緩めるとエンジンストップする。車が動き始めて、速度が次第に速くなるにつれ、ギアをローギアからセカンド、サードと段々と上げていく。そして、ギアを切り換える時、その都度クラッチを踏み込んだり、離したりする。また坂道になると、またクラッチを踏んではサード、セカンドと、ひとつずつギアを下に落としていく。そうしないと登りの坂道ではエンジンが止まってしまう。
3 面倒な運転を勧める理由
どうして、こんな面倒な運転をすることを高齢者に勧めるのか。第一にアクセルを急に踏み込んでも、先にクラッチを踏まないとエンジンがかからない。急にクラッチを緩めれば、マニュアル車ではエンジンストップして急発進しないので、突進事故が減る。第二に状況に合わせその都度クラッチ、ギアチェンジ、アクセルと操作が必要であり、アクセルとブレーキを踏み間違えることはまずあり得ない。そのため踏み間違えによる事故が減る。第三に、このような操作をその都度していると体の運動になり、ボケも防止できそうである。
以上の理由から、高齢者に敢えてマニュアル車をお勧めしたい。
4 お断り
私は若い時からずっとマニュアル車を運転している。上に述べたような理屈を深く考えた訳ではない。たまたま初めに乗った車がマニュアル車だっただけのことである。