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ベイビーステップの感想

ベイビーステップを見たことはあるだろうか。
高校生からテニスを始めてプロ選手を目指すという話だ。
一見、現実的ではないかも知れないが、主人公の丸尾栄一郎は理論派で頭がよく、成績はオールAでエーちゃんと呼ばれる普通の秀才である。
しかし、運動経験はないので体験した際に、全身筋肉痛で倒れてしまうほど体力がない状態からテニスを始める。

地上波でも放送されていたから存在を知っている人も多いと思う。
この話が面白いのは、主人公が理論派で分析し、とことん考えてプレーをしているところだ。印象的なのはテニスの試合中でもノートをとっており、真面目に積み重ねているところがわかる。周囲の人にはノートの丸尾と呼ばれるほどノートを取りまくっている。
このツッコミどころ満載の主人公だが、その分析思考やテニスへの向き合い方が真摯で真面目で本気だからこそみていて面白い。

それに、個人的に好きなところとしては、テニスは肉体的な面もそうだが、それ以上に戦略や心理的な部分についての描写が本当に多い。
心理的な面についての描写が多いのは、丸尾が理論派でロジック的に物事を処理できる人だから、内面でかなり明晰かつ冷静な分析をしていることが普通に描けるのだろう。
心理的な描写として印象的なことは、プレッシャーとの向き合い方や、戦闘モードと恋愛モードの対比、内面の状態として、無気力-> 怒り-> 重圧-> 挑戦という風に良い状態への流れが書かれていることだ。
それに、そうした緊張要因をノートへと書き出す丸尾君が一生懸命ですごく好感を持てる。壁にぶち当たりは、試行錯誤し、乗り越えて、また大きな壁を経ては、さらに大きな壁にぶち当たり、それを乗り越える。その繰り返しでより強くなっていく。
フロリダ留学へ行って、世界レベルのテニスを知ることや、所属クラブでプロになるレベルのたくまさんに食らいついていく丸尾の図太さも素敵だと思う。それにSTC所属で女子の中では神奈川No.1で美人のなつが丸尾と切磋琢磨しながらお互いがプロになっていくということも自然な流れでいい。

丸尾の戦略的な思考と地道な努力、生まれつきもった目の良さとメンタルの強さ、それをSTCに入り、周りの人間関係に揉まれながら乗り越えていく逞しさ。みていて心が揺さぶられる。
初心者だからとか、初めてだからとかそんなことは関係なく、人は本気になればなんでもできるということを教えてくれるようなそんな物語になっている。実は、アニメ版を終えて、漫画も全て読破してしまうほどハマっていた。笑

見直して新たな気づきがあるし、神奈川での戦い、全国での戦い、フロリダでの戦い、プロへの挑戦となる大会などがかなり具体的に描かれており、作者の人のリサーチとこの物語にかける魂の叫びが聞こえてくるようだ。

何かハマるものがないと思っている人がいればぜひ見たり、読んだりしてみてほしい。ぜひコメントで感想をどうぞ!

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