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少年野球⑥:叱咤のみで激励なしの指導って。。

市大会優勝など、輝かしい実績を残した先輩たちも、3月に卒団。
いよいよ我が息子たち8人が最高学年となり、チームを引っ張る年になった。
待望の一桁の背番号もいただき、期待とプレッシャーを背負いつつ、新たなシーズンが始まったのであります。

春になると、数々の公式戦が組まれる。
毎週毎週土日祝日、それなりに長い時間練習はしているから、決して弱小チームと言われたくない気概は全員あるし、昨年の先輩たちが結果を残してくれたことで、指導してくれる監督・コーチたちの求める結果のレベルも高い。

そうはいっても常に相手のあるスポーツだし、人間、しかも子どもがやることである以上、そうそううまくいくとは限らない。

なのに、監督さんが、実に厳しいのである。
とにかく説教オンリー。褒める、励ますという言動が無い。まじで無い。とことん無い。

試合に負ければ、やる気があるのか、野球に対する姿勢がなってない、四六時中野球のこと考えてないとダメ、等々。
こうすれば良くなる、上手くなる、勝てる、という前向きな、背中を押すアドバイスが伴えばまだしも、そんなものは一つもなくて、ひたすら精神論である。

このお説教は、試合に勝っても同じ。
どんな点差で勝とうが決して笑顔はなく、必ず「うーん」と怪訝な顔で子供たちに輪の中に入り、こんな試合で満足するのか?この程度では強いチームには到底勝てないぞ、気構えも練習量も全然足りない、等々。
想像するに、仮に野手は全員ホームラン打って、投手は完全試合やっても、たぶん言うことは同じだろう。
褒めること、励ますことは、まず無いのである。

先日の試合では、相手チームのピッチャーが制球に苦しみ押し出しの四球連発、3回表終了時点で10対0のコールド勝ちを収めたが、こんな試合に何の意味も無いとムスッとした顔で一刀両断された。
コールド勝ちで怒られるのは不本意であるが、放ったヒットはチームで2本だけ、うちの息子含めた2つの見逃し三振が、よっぽど腹に据えかねたらしい。
積極性が無い、打てなさすぎと言うけど、ストライクが殆ど入らない投手相手で攻撃は2イニングしかなかったんだけど。。。

今日の試合も、楽勝ムードが一転して接戦になったことで、おかんむり。
ひとしきりお馴染みの説教をぶって、怒って勝手に先に帰ってしまった。いい歳して、大人げない。

かわいそうなのは、子供たち。
まず試合前にキャプテンは「今日はどんな試合をするの?」と聞かれ、何とか勝つよう頑張るなんて半端な言葉は許されない空気の中で、10対0でコールド勝ちします、とか言わされる。
そして実際にそうならなければ、イニング交代時の円陣で「おい、話が違うじゃないか、何やってるんだよ」と詰められる。
そして試合後のミーティングで、「こんな奴ら相手になんだこの試合は?勝ち方ってものがあるだろう?お前ら本当に勝つ気があるのか?」と詰問されるのだ。

こんなの、会社だったら間違いなくパワハラである。しかも相手は、小学生なのだ。
勝った試合の後に素直に喜べず、おどおどした目をして年寄りの説教を聞かされる姿は、何とも心苦しいものがある。

子どもたちが頑張った結果、勝ったのだから、いいプレーもあっただろう。
あの打球よく捕ったね、あそこで良く打ったね、声もよく出てたね。。
そんな言葉が一切出てこない人が、果たして指導者と言えるのか?
確信犯的に悪役、うるさ方に徹して、選手の発奮と自覚を促したい、決して慢心するなと戒めたいという意図はわからないでもないけど、子供たちの親も見ている前で、ちょっとやり過ぎでは?

どんなに厳しく接しても、後でそっとフォローがあったり、具体的で熱心な技術指導があれば愛情も感じられてまだいいけれど、この辺の役割は専らコーチたちに押し付けられる。
決して監督に逆らわず、個人的な感情を散々ぶつけられ、どん底に落とされた子供たちを鼓舞してくれるコーチたちには、本当に頭が下がります。。

救いなのは、当事者たる子供たちは根性あるのか、決して音を上げないこと。いい意味で右から左に聞き流せているのかもしれない。立派である。
うちの息子も、毎度のことと気にしていない模様。
でも見逃し三振を責められることは悔しく思って、次こそ必ず好球必打で名誉挽回してほしいな。。

百歩、いや千歩譲ってポジティブに考えれば、子どもの時分に身内以外のお年寄りにガミガミ言われることなんて、昔と違ってなかなかないことである。
パパみたいに打たれ弱い性格にならないよう逞しく育つには、あながち悪い経験でもないのかも、と思うようにしているのであります。

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