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町内会⑥:防犯パトロールやってます

町内会の仕事の一つに、防犯パトロールというのがある。
月に1度、まさにこのイラストのようないでたちで、夕暮れ時に小一時間、数人で担当地域を一回りする。

パトロールと言っても回るのは住宅地なので、繁華街の交番のお巡りさんのような、ちょっと怖そうなお兄さんとか酔っ払いの相手をするような面倒なことは、全くない。

因みに、これは町内パトロールではないが、振り込め詐欺に遭うお年寄りがいないか、銀行のATMを見張るなんて活動もしているらしい。頭が下がる。

夜道を照らす街灯が切れていないか、防犯カメラは作動しているか、暗がりに怪しいものが放置されてないか等を、チェックして回る。
言い方は悪いが「夜の散歩」という方が近い、気楽なものである。

それでも町内会の「最年少の新入り」としては、ご年配の役員の先輩方々と共に歩くというのは、正直言って気が重いし、少年野球から帰ってくる息子を駅まで迎えに行く時間帯とかぶることもあり、申し訳ないことに何度かはサボってしまっている。

それでも、長年住んでいらっしゃる方のお話を聞きながら住み慣れた町を歩くのは、新鮮な発見もある。

「あそこに大きな空き地あるでしょ、ここのお宅が地主なんですよ」
「いまは家が立ち並んでるけど、昔は畑しかなくて、むこう側を走る電車が見えましたよ」
「何十年か前に川が溢れて、膝まで水が浸かったんですよ」
「この裏山に、狸の親子が住んでるよ」
「この神社、せがれが継がなかったから、今は神主不在でね」

今まで知らなかった地元情報を聞きながら歩くのは、まんざら退屈でもないのである。

そんな感じで、へぇ~と思いながら和気あいあいで歩いていると、後ろから急ぎ足で近づいてきた若い男性が
「広がって歩いてんじゃねーよ、邪魔なんだよ」
ときつい一言放って、我々を追い抜いていった。。。

まぁ、町内会の活動とは、そんなものである。
ある意味で、町内会の一員になったと実感した瞬間でもありました。

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