全ては自己満足

《自分は善い人間であるべきだ》
《真面目にやっていれば良い事がある》
自分が今まで信条にしてきた価値観だ。
悪い行いをしている人間が、いい思いをしているとモヤモヤしていた。

「なんで俺は真面目に正しく生きてるのに報われないんだ。損ばかりじゃないか」

憂鬱になることもあったが、今考えればそんなものはバイアスであり、全て自分だけの自己満足だったと思う。

SNSの関係にもよく見られる。
「いいねをしたのに返してくれない」
「自分だけフォロワーが少ない」
「ブロックする!」

色々なユーザーが色々なユーザーに対して色々な行動をする。
しかし根元を辿ると、これら全ては自己満足に帰結する。

そう。人間の行動は全て自己満足だ。

どんな行動理由でも当てはまる。
一見自己満足が絡まなさそうな忖度や媚びといった人似合わせてその要望に応える行為も、結局自分が目の敵にされるストレスから逃れたいという自己満足という理屈になる。
上司が部下の成長のために怒る行為も、部下が成長して嬉しくなる上司の自己満足だ。野良猫が増えたからといって殺処分するのはもちろん人間の自己満足だが、保護するのも人間の自己満足。
動物が可哀想という感情で、肉を食べないのも自己満足。美味しいから、屠殺者達の仕事が無くなるからという理由で屠殺し、肉を食べ続けるのも自己満足。
結婚するのも自己満足。不倫するのも自己満足。離婚するのも自己満足。許すのも自己満足。許さないのも自己満足。
働くのも自己満足。社会貢献したいとか、お金が欲しいとか、世間から後ろ指さされたくないなどの理由で安心したい自己満足からくる行動原理だ。そして働かないのも自己満足だ。面倒くさい、怒られるのが嫌だ、体が動かない…。楽をしたいという自己満足だ。そして無職を見下し叩く自己満足。働いている自分を肯定したり、嫉妬する感情を解消する自己満足だ。
同じ自己満足なので、優劣はないし、行動内容で偉いかどうかは関係ない。行動原理が同じなのだから。


いいねするのもブロックするのも、助けるのも虐めるのも、好きになるのも嫌いになるのも、全ては自己満足。

どちらの自己満足を選ぶかなだけだ。

そして人間関係は、自己満足のぶつかり合い。だから戦争や喧嘩、トラブルが絶えないのだ。

真面目にやるのが自己満足なのだから、ルールを守るのも自己満足ということになる。その思想が行き着く先は戦争だ。結局、平和も戦争も自己満足なので、どちらが偉いとか、優れているとかではない。

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