《良心を持たない人たち》紹介⑥

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6.良心を持たない人の見分け方

善良な人間は目を瞑る

人は相手の気持ちを探る。好意を寄せる人間に対しては特にその傾向が強い。

人を信用できるかどうかの判断基準は人それぞれだ。
相手と長く付き合えば、その人の本質が見えてきやすいが、きやすいだけで確実に本心が分かるわけではない。エスパーではないから。
人は皆、他者を買いかぶることが一度はあるのだろう。

…性能のいいGoogle翻訳を使っている気分だ。とにかく本書は読みづらい。本当に。ただでさえ翻訳本であることに加え、原作者のスタウト氏の言い回しが回りくどい。アメリカンスタイルが悪いふうに映る。
このあたりで《影の理論》《死の収容所の司令官》《悪魔の化身》という単語が出てきたが、頭に全く入ってこない。僕が悪いのだろうか。

人はついサイコパスに同情してしまう

信用できる相手より、信用できない相手にフォーカスを当てる必要がある。それは急を要するとのこと。
最高のポイントになるのは、同情心を煽ることだ。
(本書の前の方で既に見たが)泣きの演技をするらしい。哀れんでもらうことが目的とのこと。
理由としてはここでもやはり徹底的に合理的である。

殺人を犯しても、同情できる余地があれば刑が軽くなるだろう。そういうことだ。善良な人間の習性に基づいたうえでの希望というわけだ。僕は前述の文を読んだ際、自己憐憫が目的なのかと意外に思ったが、読み進めて真の目的が分かった時、合点がいった。スタウト氏も、背筋を凍らせている。この人はその人間を目の当たりにしているのだから。…100人に4人なので、僕も遭遇しているのかもしれないが。25人に1人なので、クラスに1人はいたのだろう。2組あったので、同学年には2人いたのか。僕もちょっと嫌な気分になった。

悪魔が実在するなら、僕たちの同情を誘うだろうとスタウト氏は言う。たしかに映画の悪役などは劣勢になった時命乞いをして、隙を伺うことがよくあるな。暴れん坊将軍とか、北斗の拳とかもそんな感じ。
なので繰り返し悪事や不適切行動をする人間が、同情を誘うような発言をするなら、要注意だろう。暴力的な気質が確認できなくとも、良い人間ではない。

可哀想なルーク

ルークという男性と恋仲になったあとに振り回された女性の体験談が本書には細かく書いてある。
付き合い始めてすぐに、ルークが何股も掛けていたことが判明。
恋は人を盲目にするため、女性はルークを許した。
その後、女性は妊娠。しかし、ルークは周囲の人間に対して「自分はうつ病だから働けない」と主張していた。
ルークはとにかく被害者のように振舞っていたとのこと。
そして女性に対して「距離を置こう」と言ったが、女性はルークが単に興味が無いだけだということを悟った。
離婚をしたが、ルークとのゴタゴタによって借金まで背負う羽目になり、女性は不幸になってしまった。

依存タイプのサイコパス

ルークは依存するタイプのサイコパスだった。
前の方で出てきたドリーンが《強欲》が足されたサイコパスならば、ルークは《寄生》の要素が足されたサイコパスだ。
寄生タイプのサイコパスの目的は、他者を蹴落とすことではなく、喉を掻っ切ることでもない。ただのらりくらり、働かずに快適な生活をすることなのだ。

最終手段は泣きの演技

ルークは責められると泣く。本物の涙を流すのだ。そうして周囲の人間を味方につける。ルークが利用したのは、物心がついた息子だった。
息子の目には、金切り声を上げている母が加害者で、泣いているルークが被害者に映っている。
ルークにとってこれは支配ゲームだったと女性は気付いた。

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