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《良心を持たない人たち》書籍紹介⑤

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この辺りで《ドリーン・リトルフィールド》という30代前半の女性が出てくるのだが、ここから解説ではなく小説になる。無駄が多くて非常に見づらい。このスタウトという作者は作家志望なんだと思う。それくらい回りくどく読みづらい。翻訳の問題では無いと思う。

このクソ分かりにくい文章から分かったのは、ドリーンがサイコパスであるということだ。さらに《強欲》という性質も足されている。

くどいので次の章に移行する。

5.なぜ人は身近なサイコパスに気付かないのか

サイコパスの技術

ドリーンの目的は他人を貶めることらしい。セラピストという立場を利用し、信用しきった他者を罠にかけるのだ。
患者を自殺に追い込んでいる可能性もある。
まわりの助手は、患者を死に追いやっていることに全く気付かない。しかもドリーンの嘘が顕になったあとも、彼女を罰しようとはしなかった。洗脳されきっていたのだろう。

魅力という武器

まずサイコパスは、相手を魅了する。
ドリーンは魅力的になれた。
人を貶めることと矛盾するかもしれないが、それがサイコパスらしい。僕らとは全く違う行動原理で動いている。
サイコパスには、とにかくカリスマ性があるらしい。
苦痛を伴っていても、余りある魅力があるので、良心のある人々は関係を続ける。

スタウト氏は捕食動物に例えているが、ここは少しオカルト的な例えに感じたので省略する。

見抜くポイントとしては、《危険を冒す》《危険行為に周囲を巻き込む》というところだ。

君のクレジットカードを使って、今夜パリに飛びたとう

エレベーターの中でセックスしよう

スタウト氏によると、これが魅力らしい。突飛さだ。

こうした人々に巻き込まれた場合、かすり傷で済めばいい方で、一生消えない傷を負う人間もザラにいるようだ。

共感のフリ

僕らは良心がない人は見分けられないが、良心がない側の人は騙されやすい人間を見抜ける。
責任感が強く思いやりがある人間は要注意。

サイコパスは狙いを定めると、相手をよく観察し、付け入る隙を考える。
共感すると親密になれると心得ているため、共感しているフリをして近付く。
さらにサイコパスは、性的な誘惑に弱い人間も見抜く。
性的に搾取し、経済的支援、情報、勝利感などの利益も芋づる式に引っ張り出す。

嘘泣き

サイコパスは良心が無いくせに演技力はある。
相手に自分の本質がバレそうになった時は、空涙を流す。もしくは逆上する。

協会の司祭、病院の医師……善良な人は他者の肩書きを信用しきる。それを逆に利用するのだ。ハローバイアスというやつか。肩書きで人の人格まで決めつけてはならない。

結果を出している人の人格はあまり疑われない。
しかしスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは、幼少期から問題行動だらけだったと聞く。最近ではジャニー喜多川が真っ黒だった。先入観は捨てよう。動物好きにも悪人はいる。

人々を煽るのが上手い

歴史上には指導者、預言者、救世主、道師、独裁者その他サイコパス的誇大妄想者が民衆の支持をとりつけて……人々を暴力へと扇動した例があふれている

ベンジャミン・ウルマン

ヒトラーがそうだろうが、このような事は本書のだいぶ前に聞いた。

真に恐ろしいことをする人間は、外見的には恐ろしく見えない。
人相や外見でその人の人柄を判断しようとするが、大抵上手くいかない。
誘拐犯は、学校で習う《いかのおすし》のようなマスクとサングラスを付けた、いかにも怪しい風貌はしていない。
なぜ子供がホイホイついて行き誘拐されるのか。それは誘拐犯が優しそうな顔をしているからだ。

被害者は自分自身を責める

サイコパスは罪悪感を抱かないが、人に罪悪感を抱かせるのは上手いのだろう。
いかにもそれっぽい理由をつけて責任から逃れようとする。口が達者なのだ。

「なぜあの人が、こんな恐ろしいことを?」

被害者は違和感を感じながらも、認知的不協和に陥り、その人(サイコパス)を信じてしまう。
納得のいく答えは見つからないからだ。
普段、自分の中にない価値観を想定しないだろう?

しかしこの辺りでまたくどくなっているため省略気味にする。

「善い人たちって、いつも自分が正しいと思っているのね」

バーバラ・グレアム


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