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好きって凄い

外画吹替授業で使う教材はあまり新しくはなく、その作品に思い入れがある学生は少ない。
それは全然良くて、むしろ世に出ていない作品を作り出す側になるワケだから実戦的だとも言える。
しかし古くても名作はいつ見ても素晴らしいもの。
若い人の心を動かす。

で、たまたま、教材作品が大好きだった学生が居た。
やる前から好きなんだと言っていた。
モノマネにならなきゃ良いなと思っていたのだが……先日の授業で素晴らしいものを見せてもらった。

基本、声優は台本を持ったままやる。
だけどぶっちゃけて言ったら台本覚えてやった方がその分一つ自由になる。集中出来る。
たとえ一言だけでも、完璧に覚えていても、台本を持ったままマイク前に立つ人も居る。癖と言うか、お守りと言うか、離すと心細くなるアイテムなのだ。

しかし彼はまぁまぁの長台詞を、台本無しで演じた。
それだけで偉いと思う。
たかが授業と侮らず、少なくとも覚えるまで台本と向き合ったのだと努力が見える。
そしてアドリブの鼻歌シーンや息のシーン等も、驚くほどピッタリ合わせて来た。
かつ、単にモノマネになっておらず、見ていてとても気持ち良かった。

いやぁ~、好きって凄い。
作品に対するリスペクトをもの凄く感じたのよね。
喜びや感謝も伝わって来て、何だか泣いてしまいそうなくらい、彼の演技に心が動かされました。
もちろん好きってだけで全員がここまで出来ないと思います。
もともと彼がとても真面目で努力家なんでしょう。
高校生の頃からオープンキャンパスで見ていた子でしたが、その頃の情熱のままぐんぐん成長していってる様です。

もっともっと伸びて欲しい!
それを手助けしたい!
そう思わせてくれてありがとう!
他作品も頑張るぞー!

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