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アンデスのツボと三越の猪熊さん

2023年11月某日

■日本・ペルー外交関係樹立150周年記念 天理ギャラリー第180回展
■アンデスのツボ 器で旅する北ペルー

■三越創業350周年 猪熊弦一郎とマティス展
■日本橋三越本店本館6階 コンテンポラリーギャラリー


ムナカタ、キュビスム、と濃いいぃのんが続いたので、今回はちょっぴり違った味わいの展覧会へ。
我ながら不思議な組み合わせだなあと思いつつ、どちらも気になったのでレッツゴー!


■アンデスのツボ 器で旅する北ペルー

ひょんなことから知った展覧会。
天理ギャラリーの存在を初めて知った。
こじんまりとしているが、いろんなアンデス古代文化のツボ=土器が展示されていて楽しめた。
ざっくり言うと、縄文後期くらいから室町時代に渡っている。


クピニスケ ジャガーとサボテン

壺だから、ちゃんと中に酒か何かを入れられるようになっていると思われる。
機能を持たせつつ、動物や植物のモチーフをちゃっかり入れ込むところに遊び心を感じる。
それが人間ってものよねえ。縄文人もそうだったしねえ。

ちなみにクピニスケの鐙(あぶみ)形注口壺は、トウモロコシの醸造酒「チチャ」を入れるための容器だったらしい。
インカ帝国の儀礼で供物として捧げる特別なもの。
世界三大美果のチェモリヤが気になる。


レクワイ 人物とジャガー

ちなみに、サボテンで作った幻覚剤を飲んでジャガーに変身~超自然的な力をゲットだぜ!っていう宗教儀礼があるとのこと。
だからジャガーモチーフが人気なのかしらね。


モチェ 蟹・幾何学・トカゲ
モチェ 蟹

蟹の配置がこう来たか!って感じ。思いっきり鐙が乗っかってますやん!
宮川香山の蟹の鉢を思い出し…かけた。技法はまったく違うけど。
蟹と目が合うような。


ランバイェケ(シカン)

シカン文化って聞いたことがあるようなー
金・銀・合金、砒素青銅の生産に成功。交易品となり、エメラルドやウミギクガイ、イモガイなどをもたらした。


チムー  猿 太陽と月
チムー カボチャ 月の聖獣
チムー ラクダ科 ふくろう


チムー=インカ文化   コカを噛む人 イモガイ

いいねえ人の顔がそのまま壺に。コカをほっぺに貯めてくちゅくちゅ。
イモガイが2つでこの位置なので、なにかの生き物っぽく見えて創造力をかき立てられる。


▼ここから贋作コーナーーー
贋作が堂々と作られていたってのが興味深い。
スペインに征服されたのが大きかった。
金製品銀製品を狙って盗掘されまくり。

1860年頃からアンデス古代文化が評価され始めると、欧米あたりが土器欲しがるよねえ。
ニーズが高まると、贋作作っちゃえ!って人も現れるよねえ。
贋作が真作を凌駕するくらいにまでなったとか。
1972年にようやく取り締まるようになったらしい。
贋作と心得て観ればOK???


贋作のモチェ 連結果実

ナス科の果実。美味しそう。
こういう風にトゲトゲさせちゃうセンスは嫌いじゃあない。

水玉の戦士 フル装備だけどのんびりした顔


贋作のシカン神 猿
猿がしがみついてる感じがかわいい


チムー 人 猿 カエル
味がにじみ出ているカエルの顔


エビ サメ 月の聖獣
贋作でもいいのがあるなあいいとこついてくるなあ


■笛吹ボトル
エクアドルのチョレーラ文化で作られ始めたとのこと
その用途はまだ謎らしい。
液体を注いで、揺り動かして音を出す

タブレットでそれぞれの音が聞けた。ちょっとずつ違っている。
やっぱり笛みたいな音。ヒョーとかヒョロローとかヒュルルーみたいな。
そこそこ薄めに作ってあるのがすごい。


笛吹ボトル コンゴウインコ

で、やっぱり生き物モチーフをつけずにはいられないペルーの人たち
鳥の鳴き声みたいにしたかったのかな。


ネコ科?の笛吹ボトル
贋作の方がいい顔してるのでつい。しゃくれてて、かわいい



模様が素敵なネズミ
うり坊かと思ったらネズミだった
後ろ姿がかわいい。物陰から何かをうかがってる様子はやっぱりネズミぽい


QRコードから補完情報が見られたり(アルパカと博士の会話形式)、
笛吹ボトルの音が聞けたり、VRゴーグル体験もあったり(すでに終了)、
いろいろインタラクティブなこともやってるんだなあ。
いや~意外と、と言っては失礼かもだけど、おもしろかったーーー



■猪熊弦一郎とマティス展

三越と猪熊さんといえば、包装紙「華ひらく」。
自由な形がちりばめられた、あの明るい朱色?赤紫?いや「スキャパレリレッド」。
誕生したのは1950年ですって。
今は新たらしいものに変わっているけど、あのデザインのインパクトは今でも心に残ってる。

そしてマティス先生とご対面した猪熊さん。
直接会って教えを受けたのは大きかっただろうなあ。
「君の絵はうますぎる」というマティスのアドヴァイスは衝撃だったと思う。


「華ひらく」原画


三越クリスマス包装紙 原画


三越クリスマス包装紙 原画


丸と四角(A)


メキシコの思い出


猪熊さんの絵にはお値段が表示されていた。
買えないけれども…いろいろ観みられてありがとう三越。

6階はアートのフロアなので、目の保養に他の展示も鑑賞。
展示というか、すべて価格表示されてるので商品?なのかな。
さすが三越。

明治の超絶技巧なんかもあって、得した気分。
ちなみに三井記念美術館の超絶技巧は今週末まで。


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