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[詩]「掬う」

焦がれた声で


湖の水を掬えば


差し掛かる

中盤戦


これからも

旅は続く


辿り着く果ても

知らないけれど


私を救うのは

私の役目


そう信じて


歩き続ける


もしも


この弱さを

認めてしまえたなら


生きることを

諦めたなら


楽になれるとしても


嗚呼


もう

辞めてしまおう


そんな思考を

振り切った


何度だって

失望した


他人に運命を

託しても


誰かに

人生を委ねても


珍しく挑戦してみても


やれることを

やりつくしても


いつも


助かるのは

選ばれた人だけで


選ばれないからって


死体のように

腐っていた


嗚呼


辞めてしまおう


そんな思考を

切り捨てて


お日様の匂いみたいに


明るい自分に

生まれ変わりたいと


そう

決めたから


未だ見ぬ景色を

見るために


これからを

生きるために


私は一歩

足を進めた


新たな日々の

幕開けに


曇天が上がって


そこで初めて

全貌を見る


やられた


後ろめたい

過去は消えない


思い返す

傷は消えない


そこにいる貴方にも

気付かずに


私は

足元を掬われた

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