見出し画像

面白い大阪(+関西)の政治43:自民と○○の共闘

国政選挙とは違い地方選挙の首長選となれば、普段はいがみ合う自民と他の党(立憲民主など)も推薦出して有力候補を当選させる為に尽力する。しかし大阪だけは維新が幅利かせる分異質になる。
そして維新に勝つ為であれば公明や立民以外の党とも組むことを厭わない。


2010年代

2015年大阪都構想の住民投票

大阪維新の会が提唱した大阪都構想。維新以外の既存政党は猛反対していた。その為なら一致団結して反対活動を展開。
国政では水と油である共産党の街宣車に自民党の国会議員(柳本卓治参議院議員)が乗り込んで嬉々として演説しており、異様な光景に思った奴は多かっただろう。これに関しては上も反対で一貫している共産よりも、当時の総理安倍さんが都構想を応援しているのに、無視して反対する大阪自民が異質過ぎた。
住民投票の結果、執念なのか僅差で反対多数の否決を勝ち取った。
その後、大阪を良くするための大阪会議をするが、何もすることなく3回でお開きになった。

その後の大阪市長選挙

大阪会議がグタグタで終わったのでやはり都構想を再度やるために維新は吉村洋文を新たな大阪市長候補として擁立。反維新はそれに対抗するならと、都構想反対派の旗振り役だった柳本顕を擁立しようとしたら。だが柳本顕は元来議員という肩書きにしがみつきたい男だったので消極的だった。
しかし他の奴らも嫌がったので仕方なく大阪市議を辞めて出馬したのだ。
これにも異常な事態が続出。共産党員がこぞって柳本顕を自発的に応援。「野合ではない!共闘だ!」と言うが、そんなんなら共産からも出せよと言いたくなる。
それだけじゃない。柳本顕の叔父・柳本卓治が共産党の集会に登壇した。え?自民党の当時の現職の国会議員がですよ?
さらには大阪で行われた旧民主党の打倒維新の決起集会に、柳本顕がサプライズで駆けつけたもんだからカオス過ぎた。

このダブル選で一番の問題だったのは自民党内でも異質な大阪が本部の忠告を突っぱねた事だ。当時自民党本部としては安倍総裁が維新とはそれなりに良好な関係を築いていたので、「維新に対して波風立てるような事をするな」と警告したのに、大阪自民は「勝つためです!」と聞く耳持たなかった。当時の官房長官・菅義偉は会見で「個人的には理解できない」とコメントした。結果反維新陣営は吉村洋文に惨敗し自民党本部と大阪自民で軋轢が生じている…

2019年の大阪市長選挙

松井一郎が大阪府知事から大阪市長に鞍替え(そして吉村が府知事選に出馬)した時、反維新は再び柳本顕を仕向けさせた。しかしこの後の流れは何度も私のノートでは言ってきたので、自民と共産の動きに限定するとすれば表向きには共闘感を控えめにしていたが、共産が候補を出さなかった時点であからさまに反維新共闘体制による一騎打ちで勝利に持ち込めると思ったのだろう。ましてやこれまで自主投票していた公明党が応援したのも追い風と思っていたが…惨敗だった。大阪で維新は力をつけて一般市民の支持や理解を得られたのだ。

2020年代

2度目の都構想

反対派は維新と公明以外の全ての既得権益重視団体だ。その筆頭として立ち向かったのは老害集団・日本共産党と党本部とは全く逆の思想の自民党大阪市議団だ。コイツらは維新の正論に対しても受け入れず、感情論でギャアギャアさわぐだけ。それだけだけど維新嫌いの老害たちを焚き付けるのには十分だった。維新はそれに対応できず、2度目の反対多数否決となった。

2023年の大阪市長選挙

松井一郎が任期満了と共に政界を引退することになったが、後継者選出もしっかり行われていく一方、大阪自民党は反維新の代表となる候補の選出に手をこまねいていた。柳本顕は国会議員になったから出たがらず、前回の市長選の恨みがあるから相当陰湿に党本部と府連を責めていき諦めざる得なかった。結局アップデートおおさかという組織を立ち上げ、反維新の力を結集させていく方向にした。
候補には2度目の都構想反対の旗を振った北野妙子元大阪市議が担ぎ上げられた。
そして自民党としては推薦出さなかったが、岸田文雄総理が大阪に駆けつけて応援してもらった。
自民の多くの国会議員のみならず「アップデートおおさか」を主だって立ち上げた立憲民主党の国会議員たちもこぞって北野を応援するという大阪では当たり前の反維新的戦法だが…惨敗。北野はそのまま引退しましたとさ。

次の大阪ダブル選挙を妄想

維新は吉村・横山で続くか、新たなる弾が出るかというところだろう。
相手となる反維新候補がどうなるかだ。
反維新の筆頭となる大阪自民の中から次の候補を擁立するのがスジなんだろうけど基本「出たくない」「火中の栗を拾いたくない」「地方議員の席にしがみつきたい」「なったらなったで都合良く使われる」など「自分の旨み」重視で生きている奴らばかりである。だったら共産から出る候補を応援する…と言うことは自民のプライドが許さないだろう。
その中で大阪市長選に有力と言われてそうなのは石川博紀大阪市議だ。
「反維新」という一点で常に批判しまくってるので「反維新の星」と言われて思い上がりもいいとこだ。
2024年4月の東京15区補選で迷惑かけまくった「つばさの党」の行動を賞賛するあたり危険な奴だ。彼なら維新を倒すためなら釈放されたこいつらを反維新の運動員として取り込みそうで怖い。そして妨害行動を連発してきそうで怖い。
コイツだけは次の候補をにするな!というか大阪自民は次の選挙に出るな!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?