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走るのが好きだったが

小学校の頃はよ~く走っていた。学校帰りは、今日は2回しか休まないで帰ろう、などと目標を決めてランドセルを揺らしながら走っていると、カバンの中から筆箱のカシャカシャする音が聞こえてきた。

近所には同じ年や年の近い子が結構いたので、家の周りでもよ~くかけっこをしていた。黄色い声を張り上げて走り回るのを見ていた親父は、運動会で一等賞を取る姿を期待していたが、運動会が終わると「今年もダメだったなー」とがっかりしていた。小学校の間、親父を喜ばせることはできなかった。



■廊下に花を

5年生の時の記憶だが、各クラスの委員長と副委員長が参加する学年会議があったとき、男子が良く走るので、女子から出た「走らないようにするにはどうしたらよいか」の議題を話し合ったとき、「それなら、走りにくくするために、廊下の中央に台を置き、花を飾っては?」と提言した。するとそれが実現してとても良い効果が出た。ただ、花はしばらくすると飾られなくなったと記憶している。

廊下に花を。


■ヨタカの感覚?

素晴らしい提案をした一方で、放課後の生徒がいない廊下は走りまくっていた。ある時、このルート(↓)を全力疾走した。すると手洗い場(水飲み場)の辺りで、何かが口の中に飛び込んで喉にぶつかった。吐き出すには奥過ぎて「ゴックン!」と飲み込んだけど、あれは大きなハエだったに違いない。口を開けたまま走ると、こういう事が起こると学習した。もしかするとあの喉の感覚は、ヨタカが虫を捕食したときもあんな感じなのかも知れない(笑)。


■カメムシも!

ハエを飲み込んだのと同じ頃、馬鹿みたく口を開けて、近所の原っぱで遊んでいたら、何かが口に飛び込んできた!

オリャー! オリャー!

反射的にガリッと噛んでペッと吐き捨てたら、屁こき虫だった! その臭さといったら、「オエ~、オエ~のアロハ・オエ~!!」。おまけに何日も、口の中から臭いが消えない!

屁こき虫、即ち、カメムシ。「噛め!」と言われても絶対無理!


■余談1.コウサイの味

話は変わるが、中華料理や東南アジアの料理でコウサイが出てくることがあるが、僕は苦手だ。より的確な表現は「嫌い」だ。

会社勤めをしていた時、東南アジアに出張した先のレストランで、コウサイが入った料理が出てきた。それを前に「コウサイはカメムシの味だ」と自慢げに表現する人がいたので、「エッ、カメムシ食べたことあるのですか?!」と聞くと、「いや…」と、気まずそうな返事が返ってきた。

僕はカメムシを噛んだ体験者なので、つい意地悪い質問をしてしまったが、本当に「コウサイはカメムシの味」と断言します。カメムシは美味しくない…。コウサイは嫌いだ…。


■余談2.もしカメムシと同じ瓶に入ったら…

カメムシを捕まえてビンに入れ、棒でつついて臭いを放たせてから蓋をしておくと、自分の臭いで死ぬことがあるそうだ。

以前、妻が運転する車で仕事関係の人二人を乗せて駅に向かっていたら、もの凄い臭いがしてきた。直ぐに自己申告してくれれば笑って窓を開けたのに、後部座席の二人は無言のままだったので、妻も僕も気遣って窓も開けられず、頑張って普通に振舞っていたけど、失神しそうだった。

帰宅してから、「棒に突かれたカメムシと同じビンに閉じ込められた気がしたね」と妻と二人で大笑いした。

■余談3.語源も臭かった

余談が続くが、コウサイの英名はコリアンダー(coriander)。調べた語源を要約するとこうなる。

「coriander」 はギリシャ語の 「Koriandron」に由来し、「kori」は「カメムシ」を意味する「koris」で、コリアンダーの臭いが、臭い虫のようであることから名付けられた。

語源由来辞典

一体全体「香菜」は適訳なのだろうか…。

(まこと)

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