「できた!」の力:ドックトレーニングから学んだ"対人術"
「はい、いい子」
そう言って、ドックトレーナーさんの言葉にしたがって、今日のトレーニングを「成功」で終える。最近、飼い始めたマルチーズ。そのトレーニングに参加するのが、我が家の週末のイベントの一つ。
お気に入りのおやつをもらい、我が犬も満足そうだ。とは言え、なにも「すごいこと」ができたわけではない。いつもできていることが、今日もできた。そのことを褒めて終わる。トレーナーさんによると、
最後は成功で終わりにする。うまくいったという印象で終わりにすると、トレーニングが楽しかったというイメージ、自分はできるというセルフイメージが残る。
だから、トレーニングの最後は、簡単なことでもいいので、ワンちゃんができたと感じられるもので終えてください。大切なのは、そのとき、飼い主さんも、当たり前、そんな冷めた態度でなくて、できたね、よかったね、嬉しいね、とワンちゃんの気持ちに寄り添うようにしてみてください。
なるほど、なるほど、終わり方が大切なのか。どの印象を残してもらうか、それが、大切なのか、と思いつつ、これって犬に対してだけじゃない。人にも同じじゃないかと気付かされる。
よいところ・できていることを認める、この大切さについては、以前、記事にした。
ただ、「終わり方」については、正直、そこまで意識していなかった。でも、考えてみれば、これってとても重要な話だ。例えば、仕事。資料を上司に提出した時に、
うーん、これ、ここと、ここはすごくいい。でも、こっちはいまいちだな。
そう言われたらどうだろう。悪い気はしないけど、そうか、やっぱり「いまいち」なんだな、そんな印象が残る。でもシンプルに順番を入れ替えて、
うーん、ここはいまいちなんだけど、ここと、ここはすごくいいね。
そんな風に言われるだけで、褒められている、認められている、自分はできているんだな、そう感じられないだろうか。そう、たかが、順番、されど順番なのだ。
実際、終わり方が大切ってのは、いろんなところで共通している。
スポーツなんて、終わり方が全てだ。どんなに途中が素晴らしくても、最後で逆転されたら負けなのだ。
そこまで極論でなくても、レストランの食事や、映画や小説なんかは、終わり方次第で印象が相当違う。
デザートが最高なら、たとえ途中がいまいちだったとしても、でも、美味しかったねとなりそうだし、途中、つまらないと思いながらも、最後、大泣きさせられたら、感動もののストーリーになる。
結局のところ、犬も人間も、全てのディテールを覚えていることなどできない。だから、あくまで一般的にはという話だけど、エンディングが一番、印象に残りやすい。
ちなみに、人のこの傾向は、心理学用語では、ピーク・エンド・ルールと呼ばている。要は、ピーク、最も盛り上がったところ、それとエンド、つまり最後で、全体を評価するのであって、全体を平均的に評価するのではない。
そして、これもあくまで一般的にという話だが、世の中の出来事は、トレーニングだって、仕事だって、その日、その場で終わることはなく、続いていく。だから、よい終わり方をして、よい印象を持ってもらって、いい形で次へ繋げていく。それが、大切だということなのだろう。
と気づいたところで、ふと考えた。
「はい、いい子」
もしぼくが、ぼくにそう声をかけるとしたら、どんなことだろう。どんなことをしたら、今日一日が良い一日だった。だから、明日も頑張ろう、そんな風に思えるのだろうか。
それは、きっと、今日一日の良いこと振り返り。デイリーページをつけること。
ちなみに、デイリーページとは、大平信孝先生の行動イノベーションでお薦めしているノート術。どこかで記事にしているかと思ったのだが、どうやらまだだったみたいだ。ごめんなさい。きっと記事にしますので、お楽しみに。
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