見出し画像

「あっ」と膝を叩く瞬間

『「あっ、私はこのために生きてきたんだ!」と膝を叩く瞬間は、誰にでも訪れます』


これは、おじいちゃんの3回忌の法事でのお坊さんの説法です。おばあちゃんと私は、これを聞いて、顔を見合わせました。私が首を振ると、おばあちゃんも、
「この歳やけど、おばあちゃんも、まだ、見つかってへんねん・・・」
と、ポツリと言いました。おばあちゃんは、60代に後半だっだと思います。そして、おばあちゃんと私は、それぞれの「このために生まれてきたのだ」と必ず膝を叩けるように見つけよう。そして、それを生きようと、誓い合ったのでした。

あれから30年経ちました。おばあちゃんは、もうずいぶん前に旅立ちました。旅立つ少し前に、会いにいきました。
私が名乗っても、はてなという顔でしたが、すぐに笑って
「おばあちゃん、もう90歳超えたわ」
と、迎えてくれました。

移動のときに、施設の職員さんの質問に、
「車椅子を押そうか?それとも自分で漕ぐ?」
「自分で漕ぐぅ」
と、いたずらっ子のような顔で答え、脚でぐいぐい漕ぎだすので、私は走って追いかけなければならなかったくらいです。本当に楽しそうで、子育てで疲れ気味の私は、勇気をもらって帰りました。

おばあちゃんが、膝を叩いて、
「このために生まれてきたんだ。それをこんなふうに活かしてきたんだ」
と気がついたかどうかは聴けずじまいでした。

が、おばあちゃんと一緒に暮らしていた叔母さんが、
「いろんなことを学ばせてもらった。勇気ももらったわ」
と、話してくれたのです。「勇気を与える人だったのかな」と想像しています。



自分を活かす「命の使い方」を一緒に探すコーチング

ただいま、始めて受けていただく方限定でお試し価格で提供しております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?