【中学受験理科】「溶解度と濃度」の問題の解き方

中学受験理科の「溶解度と濃度」の単元の問題解説ページです。

塾内のテストや模試、入試問題でよく出るパターンの問題とその解説をのせます。

パターン1 何gとけるか問題

下の表は100gの水にとける物質の量を表しています。これについて,あとの問いに答えなさい。

(1)40℃の水300gにホウ酸は何gまでとけますか。
(2)食塩19.0gをすべてとかすには,80℃の水が少なくとも何g必要ですか。

解答・解説

パターン1は「溶解度と濃度」の単元でも超基本的な内容です。
しっかりと解き方を身に付けましょう。
ポイントは【基準の何倍か?】と考えることです。

(1) 40℃水300gにホウ酸何gとける?
40℃の水100gにホウ酸は8.9gまでとけるので、これを基準にします。

【基準の何倍?】
 300 ÷ 100 = 3(倍)・・・問題の水300gは基準の水100gの3倍
 8.9 × 3 = 26.7(g)・・・溶ける量も基準の3倍

答え:26.7g

(2)80℃で食塩19.0gを溶かす水は何g?
80℃の水100gにとける食塩は38.0gなので、これを基準にします。

【基準の何倍?】
19.0 ÷ 38.0 = 0.5(倍)・・・問題の食塩19.0gは基準の食塩38.0gの0.5倍
100× 0.5 = 50(g)・・・水も基準の0.5倍

答え:50g

パターン2 結晶は何gか問題

下の表は100gの水にとける物質の量を表しています。これについて,あとの問いに答えなさい。

(1)80℃の水200gにホウ酸を40gとかしました。このホウ酸水を20℃まで冷やすと,ホウ酸のつぶが何g出てきますか。
(2)60℃の水300gに食塩をとけるだけとかしました。この食塩水を20℃まで冷やすと,食塩のつぶが何g出てきますか。

解答・解説
パターン1と同様に、【基準の何倍か?】という考え方が重要になります。さらに、何℃のときを基準にするかが大切になってきます。
(1)
20℃のときに何gのホウ酸が溶けているかを求めたいので、20℃のときを基準にします。
【基準の何倍?】
200 ÷ 100 = 2(倍)・・・問題の水200gは基準の水100gの2倍
4.9 × 2 = 9.8(g)・・・溶ける量も基準の2倍
→20℃の水200gには9.8gのホウ酸が溶けている

40-9.8=30.2(g)・・・出てきた結晶の量

答え:30.2g

(2)
(1)とちがい、最初に何g溶けているかも求める必要がある問題です。
60℃のときに溶けるだけ溶かした食塩の量と、20℃のときに溶けている食塩の量を求めます。
【基準の何倍?】
300 ÷ 100 = 3(倍)・・・問題の水300gは基準の水100gの3倍
37.1 × 3 = 111.3(g)・・・60℃の水300gに溶ける食塩の量
35.8 × 3 = 107.4(g)・・・20℃の水300gに溶ける食塩の量

111.3 - 107.4 = 3.9(g)・・・出てきた結晶の量

答え:3.9g

パターン3 濃度問題

(1)100gの水に砂糖を25gとかしたときの砂糖水の濃度は何%になりますか。
(2)(1)の砂糖水の濃度を半分にするには,あと何gの水を加えればよいですか。

解答・解説
濃度を求める公式は必ず覚えておきましょう。

(1)
公式を使うときは、×100を先にします。
25 × 100 ÷ ( 100+25 ) = 20(%)

答え:20%

(2)
濃度を半分にする=濃度を10%にする

濃度の公式より、
溶けている物質の重さ ÷ 濃度 = 水溶液全体の重さ

25 ÷ 0.1 = 250(g)・・・濃度を10%にしたときの水溶液全体の重さ
250 − 125 = 125(g)・・・濃度10%の水溶液全体の重さ-元々の水溶液の重さ

答え:125g

(別解)
濃度を半分にする=水溶液全体の量を2倍にする
125 × 2 ー 125 = 125g


溶解度と濃度の問題は答えが割り切れない問題がでてきたりとにかく計算が大変で苦手な人も多いです。
その分、点をとれるようになると武器にできる単元なので基本的な問題を繰り返し練習していきましょう。

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