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イブの悲劇
娘が高校の頃の話である。忘れられないクリスマスイブである・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
イブの夜は晴れて、星が瞬いていた。いい夜だ・・・と思ったが悲劇が待っていた。
イブの夜、娘の友達が4人来てパーティーを始めていた。
それはいいのだが、ひとりが帰った後、トイレを使った子が
「溢れてるーーーー!!」
そんな馬鹿な・・・格闘するも溢れるばかりで、明らかに何かが詰まっている。
汚い話で恐縮だが、私はこういう時ためらいなく何とかしようと努力する女だ。
大概のことは何とかなった。
しかし、今回は色々手を尽くしても水路は開通しないのであった。
業者を呼ぶべきか、どうするか。
業者も仕事とは言え、イブなのに気の毒でならない。
詰まりを直す道具がホームセンターで売られている。
![](https://assets.st-note.com/img/1695201600864-L58xITCNNi.png)
一度シャワーを浴び、寒空の中買いに出かけた。
営業時間は夜8時まで。
着いたときは8時6分だった。
殆ど閉まりかかった自動ドアに必死で走ってくるオバサン。
その形相は、とても聖夜にはふさわしくないものであったと自覚している。
「すみません!!! あのっ!!!トイレが・・・詰まってしまって・・・」
声を張り上げるわたし。
店員は
「ハイ!」
と私の動きに釣られて素早いのだった。
無事にそれを買い、店の人に何度も頭を下げ帰宅して、また立ち入り禁止のトイレに決死の潜入を試みた。
やってみるが、コツがつかめずさっぱりだ。
諦めず格闘することしばし・・・・
ある一押しを境に、コォォォォォォォォ・・・・
っと汚水が綺麗に流れてった。
「なおったぁぁぁぁ!!!」
「おーーーーっ!!!」
娘たちの拍手が起こった。
そのあとハイターで念入りに辺りを消毒し、拭き清め、イブの夜は更けていくのであった・・・
ケーキを作る同じ手で・・・・
なんともいやはや・・・
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